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2024年11月3週 鉄鋼産業CN(脱炭素)ニュース

凡そ2か月振りの投稿です。
11月3週分からの再開です。9月最終週からの未投稿分は追って作業いたします。
それにしても、ダッシュボードの「アクセス状況」でみると、「
投稿遅れおよびGoogle検索」が過去1番のビュー数であることは複雑な気分です。


■<国内・政策>経済産業省/CO2排出量取引、大量排出企業に対し義務化へ

*(2024/11/20 共同通信)排出量取引、400社に義務化 CO2、10万トン以上の大企業

経済産業省は、2026年度から二酸化炭素(CO2)排出量が年間10万トン以上の大企業に対して、排出量取引制度への参加を義務付ける方針を固めました。対象となる企業は300~400社に上り、国内の温室効果ガス排出量の約6割を占める見通しです。排出量取引制度は、企業が排出量を削減し、その枠が余れば売却できる仕組みです。制度の導入により、CO2削減効果が期待される一方で、企業のコスト増につながるため、消費者の負担が増す可能性もあります。

共同通信
共同通信

■<国内・政策>環境省、グリーン購入法見直し グリーンスチール調達

*(2024/11/19 鉄鋼新聞)グリーンスチール使用の物品/公共調達の指定品目へ/「グリーン市場」拡大に弾み/早ければ来年度から

二酸化炭素(CO2)の排出を削減して製造した鋼材「グリーンスチール」を使用した物品が、環境物品の調達を国や自治体に促す「グリーン購入法」の対象品目になる見通しとなった。早ければ、2025年度から適用される。

鉄鋼新聞

■<国内・技術>日本郵船/還元鉄のばら積み船輸送を改善

*(2024/11/14 日本郵船)ばら積み船の還元鉄輸送の安全性と品質向上に関する技術で特許を出願

日本郵船株式会社とそのグループ会社MTI株式会社は、ばら積み船による還元鉄の海上輸送技術に関する特許を出願しました。
この技術は、IoTを活用して船倉内の環境データをリアルタイムで収集・監視し、安全で高品質な輸送を実現するものです。これにより、鉄鋼業界の脱炭素化や船員の労働環境向上に寄与します。
また、機械学習を用いて航海中の船倉内環境を推定し、適切な貨物管理を行うことができます。
さらに、衛星通信を利用して陸上からも船倉内の環境データを確認できるため、安全な運航と品質管理が可能です。この技術は、鉄鋼業界のカーボンニュートラル化に向けた重要な一歩となります
 1.船倉内環境データの収集
 2.船倉内環境の推定
 3.船上の安全・品質管理支援
 4.陸上からの安全・品質管理支援

日本郵船
日本郵船

■<国内・原料>経済産業省・CPsは鉄スクラップ活用拡大に向け「鉄鋼WG」を新設

*(2024/11/14 日本鉄鋼連盟)鉄スクラップ利活用拡大に向けた経済産業省・サーキュラーパートナーズ(CPs)の「鉄鋼WG」新設について

経済産業省とサーキュラーパートナーズ(CPs)は、鉄スクラップの利活用拡大を目指して「鉄鋼WG」を新設しました。
日本鉄鋼連盟、特殊鋼倶楽部、普通鋼電炉工業会、日本鉄リサイクル工業会が連携し、2050年カーボンニュートラル実現に向けた取り組みを進めます。鉄スクラップは貴重な循環資源としての役割を担い、その利活用拡大が求められています。
新設された「鉄鋼WG」では、高品質鉄スクラップの創生・循環・利活用拡大を目指し、必要な調査や研究開発を行います。
これにより、カーボンニュートラル行動計画の達成や経済安全保障の強化、産業競争力の向上が期待されます。
関係団体は、日本のGX(グリーントランスフォーメーション)推進やCE(サーキュラーエコノミー)構築に貢献します。

日本鉄鋼連盟

*CPs(サーキュラーパートナーズ)について

https://www.cps.go.jp/

経済産業省は、2023年3月に策定した「成長志向型の資源自律経済戦略」に基づき、サーキュラーエコノミーの実現を目指し、産官学の連携を促進するためのパートナーシップ「サーキュラーパートナーズ」を設立しました。

サーキュラーパートナーズ

■<国内・製品>JFEは三菱倉庫がベトナムで開発中の物流倉庫向けにJGreeXを供給

*(2024/11/15 JFEスチール)三菱地所が開発するベトナム物流倉庫に「JGreeX®」が採用

https://www.jfe-steel.co.jp/release/2024/11/241115.html

三菱地所株式会社が開発するベトナムの物流倉庫「Logicross Nam Thuan」に、JFEスチール株式会社のグリーン鋼材「JGreeX®」が採用されました。
このプロジェクトは、ベトナム・ロンアン省に位置し、2025年6月に完成予定です。
JGreeX®は、CO2排出量を大幅に削減した環境に優しい鋼材であり、今回の採用は同製品の初の海外向け使用となります。JFEスチールは、CO2排出量削減に貢献するエコプロダクトの供給拡大を目指しており、今回のプロジェクトもその一環です。
JFEが提供する熱延鋼板を現地のSUNSCO社(MARUICHI SUN STEEL JOINT STOCK COMPANY)を通じて、表面処理鋼板の製造が行われる予定です。

JFEスチール

■<海外・主張>鉄鋼製品のGreen認証が世界規模での脱炭素化実現のキー

*(2024/11/18 Responsible Steel)認証は、鉄鋼が地球に負担をかけないようにするための鍵です
Certification is key to ensuring that steel doesn’t cost the Earth

この記事は、気候変動とエネルギーの課題に焦点を当てています。特に、鉄鋼、コンクリート、ガラス、アルミニウムなどのエネルギー集約型の材料が重要であり、鉄鋼業が世界のエネルギー起因の温室効果ガス排出量の10%を占めることが強調されています。国際エネルギー機関(IEA)は、鉄鋼業が排出量を90%削減する必要があると計算しています。記事では、ResponsibleSteelの認証が、鉄鋼業界のネットゼロ達成に向けた進展を促進するための重要な手段であると述べられています。また、欧州連合の炭素国境調整メカニズムや米国のModern Steel Actなどの規制が鉄鋼業に影響を与えていることも触れられています1。この記事は、持続可能な鉄鋼の重要性とその実現に向けた取り組みについて詳しく説明しています

The Climate Group

この元記事はReutersに掲載された同一筆者の下記のコメント(より詳しい)

*(2024/10/18 Reuters)コメント:認証は、鉄鋼が地球に負担をかけないようにするための鍵です
Comment: Certification is key to ensuring that steel doesn’t cost the Earth

https://www.reuters.com/sustainability/climate-energy/comment-certification-is-key-ensuring-that-steel-doesnt-cost-earth-2024-10-18/

1.気候変動とエネルギーの課題:気候変動の中心にはエネルギーの課題があり、特に鉄鋼、コンクリート、ガラス、アルミニウムなどのエネルギー集約型の材料が重要です。
2.鉄鋼業の排出削減目標:国際エネルギー機関(IEA)は、鉄鋼業が排出量を90%削減する必要があると計算しています。
3.持続可能な鉄鋼の市場の必要性:低排出鉄鋼のグローバル市場が必要であり、現在は存在しない。
4.ResponsibleSteel認証:U.S. SteelがResponsibleSteel認証を取得し、持続可能な鉄鋼の基準を設定しました。
5.規制の影響:欧州連合の炭素国境調整メカニズムや新しい持続可能性報告要件、米国のModern Steel Actなどの規制が鉄鋼業に影響を与えています。

Reuters


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