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ポップコーン(理論編)

みなさん、こんにちは。
管理栄養士のSTEAM食育ママです。

今日は、自宅におやつらしいおやつが見当たらない上に
時間もなかったので、ポップコーンを作ることにしました。

普段私たちが食べているとうもろこしは、スイートコーン(甘味種)という甘いタイプです。
実はこのスイートコーンでポップコーンを作ることはできません。
ポップコーンを作るには専用の品種「爆裂種」が必要です。
その名の通り、加熱すると爆発してポップ(弾ける)コーンができあがります。爆発種は、緻密なセルロース繊維からなるとても硬い皮で覆われており、それが破裂してあのポンポン音がでてくるのです。

ポップコーン用のとうもろこしは、外観はスイートコーンとほぼ同じですが、一つ違うのはヒゲの部分。ヒゲの先端が、スイートコーンは立っているのに対して、爆発種は垂れ下がっています。

今回は、ポップコーンをSTEAM食育における科学(Sceince)の面から
考えてみました。
ポップコーンはなぜ、弾けるのでしょうか?
キーとなるのは、ポップコーンに含まれる少量の水分です。
ポップコーンの粒には収穫時期には核に14%(重量比)の水分を含みます。
加熱されて、粒の中の水分が100℃になると、その水分が水蒸気となって膨張します。
しかし硬い殻の中に閉じ込められたままなので、内部の圧力が高まります。
さらに180℃になると、内部の圧力は通常の9倍にまで高まり、
「ぽんっ」と弾けるのです。

水が水蒸気になると体積はおよそ1700倍になります。
1リットルの水が蒸発すると1,700リットルの水蒸気になるわけです。
この体積の変化は、気体が液体に比べて多くの空間を占めるためです。
加熱されたポップコーンの内部では、この現象により急激な圧力変化が引き起こされ、最終的にポンと弾けるわけです。

この現象をこどもに説明することで、子供たちは、液体と気体の変化、気体の膨張や熱エネルギーが物質に与える影響について学ぶことができます。

我が家の上2人は男の子で、蒸気機関車が大好きです。ポップコーンを通して、蒸気機関車のしくみを説明することにつなげることもできるのです。
そう考えると、単純におやつにポップコーンを作るだけでは勿体ない。
小さな粒の中に入っている水に思いを馳せて、そこに熱エネルギーを加えると水が水蒸気となり圧が高まり、そして弾ける。
機関車につなげることができればもう最高です。

さてつぎに、
なぜ、ポップコーンは破裂すると白くなるのでしょうか?
黄色い粒がなぜ白くなるのか。

とうもろこしの粒の外側は外皮、内側には何が含まれるでしょうか。
内側には、先ほどの水分に加え、デンプンが含まれます。
スイートコーン(甘味種)は、皮が柔らかくデンプンが少ないのですが、
反対にポップコーン(爆発種)は皮が硬く、デンプン含有量が多いという
特徴があります。
デンプンは、水と一緒に加熱すると、糊(のり)のように柔らかくなります。糊化(こか)といいます。
ポップコーンの場合、内側に存在する水分とデンプンが、加熱によってのり状となります。さらに水蒸気の圧力で皮が弾けると、糊化したデンプンが、一気に外に飛び出してきます。
あの白さは、とうもろこしの内部に潜んでいたデンプンが、破裂によって外側に飛び出てきたものなのです。
外に出てきたでんぷんは、空気に触れて一気に温度が下がります。
それによってのり状だったデンプンがすぐに固まり、さくさくした食感が形成されます。

ポンポン弾け飛んでいる裏側では、このような現象が繰り広げられていたのですね。
弾ける様子が楽しいポップコーンですが、ただ楽しいだけでは勿体ない。

次回は、我が家の3児にどのように説明したか、調理方法の比較も含めてご紹介したいと思います。

以上、STEAM食育ママでした。

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