『凪のあすから』 感想
『海の色。大地の色。風の色。心の色。君の色。~Earth color of a calm~』
「誰かを好きになる」。
それは、とても尊くて、素敵なことで、眩しくて、
とても自分に訪れるとは思えないものだった。
分からなかった。
誰かを好きになるという気持ちがどういうものなのか。
だから、あの時は分からなかった。
私に、好きな人がいたということ。
あなたが私に向けてくれた気持ち。
私は「好き」が分からなかったから、あなたのその必死さが、わからなくて。
私はあなたが怖くなって。
逃げ出してしまった。
どうして、あなたがそんなに悲しそうで、辛そうで、
触れてしまったら泣き出してしまいそうなほど、必死な気持ちであふれていて。
そのつらい気持ちが私のせいだってわかっているのに、あなたは私から離れようとしない。
あなたがすごく必死なのは分かるし、何故かはわからないけどちょっと嬉しい。
私のこの気持ちは、好きなのかな。
やっぱり分からないよ。
ウミウシさん、応えて、くれるかな。
あなたが、みんなが、教えてくれた。
私に気付かせてくれた。
私が気付かないうちに大事に抱えていて、そしていつの間にか失くしてしまっていたもの。
海は、「誰かが好きな想い」であふれている。
陸だって、想いが、たくさんの想いがきらきらと輝いて、そこら中にあふれているの。
それは、うろこのように美しく漂っていたり、
強く勢いのある光線のようであったり。
それはもちろん私にもあるし、あなたにもあるし、彼女にだってある。
それは1つ1つとても貴重で大切なものであると同時に、
この世界の「当たり前」の1つなんだ。
私たちは、その想いに、苦しんだり、悩んだりして、大変なこともいっぱいある。
でも、その想いは決して否定されるものではないし、私たちの本当の気持ちそのものなの。
だから、決して「無い方が良かった」、なんて願うものではないの。
ありがとう、気付かせてくれて。
本当に嬉しい。
あなたの想いも、私のこの想いも。
でも、まだ答えは、簡単には出せないみたい。
一緒に、悩んで、考えて、くれるかな。
ここから感想です。
やられましたね。一本取られました。技ありです。試合終了です。
まさか、ただ感動して終わるだけではなく、世界の理から見直すことになるとは、夢にも思っていませんでした。
I haven't dreamed of that.(きっしょ)
『凪のあすから』
が
『海の色。大地の色。風の色。心の色。君の色。~Earth color of a calm~』
かぁ。
本気でびっくりした。
でも、この最終話のサブタイトルに、このアニメで伝えたかったメッセージが詰まっていると勝手に思っています。
最終話の最後のモノローグ演出の辺りでも、
「海も、陸も、そして空気も風も、全部心の色で満ちている。君の色も、いたるところにあふれている。」
そんなメッセージを勝手に受け取っていました。
同じ岡田麿里作品の『アリスとテレスのまぼろし工場』の「痛い」≒「(一緒に)居たい」も、今思えばいい表現ですね。見た瞬間は「?」ってなってましたが…。
10周年おめでとうございます
(小松さん(海美役)が際立って特に愛のあるコメントしてくださっています。ありがとう…ありがとう…)
個人的に心残りがあるとすれば、海美(みうな)ちゃんのこれから、が気になります。
最終話最後では晴れやかな顔でいてくれていたのでちょっと安心しましたが、彼女にも幸せになってほしいと願うばかりです。
こんなにも「好きな気持ち」が肯定される世界なんですから。
それを教えてくれた作品なんですから。
あと私『ライザのアトリエ』をプレイして「太ももの病」に罹ってしまって、ちょうどその病が治らないうちにこの作品に出会ってしまって、
ちょっと後半になってからの海美ちゃんの太ももの押し具合に大分押し負けてしまったんですがどうしてくれるんですか持病が悪化してしまったんですが(知るか)、本当に性癖が捻じ曲がりそうです。
今回は詩の部分が長くなってしまったので、後半の感想はかなり適当になってしまいました。許して(許さん)。
よかったら他の詩やらアニメ感想やらも見てってやぁ またね。
追記
作中の海村「しおししお」のモデルかもしれない景色は、ギリシャの「サントリーニ島」かも。
本当に余談ですが
10th記念コメントで、小松さんは
と仰ってくれています。
皆さんにとって、「青い世界」と聞いて思い浮かぶ作品はなんでしょうか。
やはり、『凪のあすから』でしょうか。
私は、真っ先に『蒼の彼方のフォーリズム』という作品が思い浮かんでしまいます。
奇しくもこの作品も2014年に発売された作品で、『凪のあすから』とほぼ同時期の作品です。(萌えゲーアワード2014で大賞・ユーザー支持賞を受賞)
この作品の「青」は、青は青でも海ではなく、空の青でした。
空の蒼さに憧れ、またその青さが絶望の象徴となり、そしてそれをまた塗り替える。
そんな冒険譚を私は先にこの作品で体験していたので、私の中ではですが、「青い世界」と表現できる作品が2つとなりました。
みなさんの「青い世界」はどんな物語ですか?
もし教えていただければとても幸いに思います。
それでは今度こそ、
またね。