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「ドワイエネ・デュ・コミス!」コイツは「洋梨」だーーーーっ!!

「幻」の洋梨達。


ドンッ!!!!

はい。出落ちです。
これがやりたかっただけ。
新潟の晩秋から初冬の名産品といえば「ル・レクチェ」そして最も見かける西洋ナシといえば「ラ・フランス」
しかし新潟ではマイナーなれど多くの品種に出会えるのでその一部を紹介したい。

「幻」の洋梨「ドワイエネ・デュ・コミス」

今回のタイトルを飾る西洋ナシだ。
1849年にフランスのアンデという土地で開発された品種で日本には明治初期にやってきたそうだ。
11月頃に収穫されるが栽培が難しく収量が安定せず市場にも出回りにくいためメジャーになりきらない。
ただしその食味は図抜けてかの大正、昭和の天皇陛下の料理番であった「秋山徳蔵」氏が「これこそ果物の王!ビバドワイエネ!」(諸説あり)と高く評価したそうな。

半分に。

果肉は水分が多量に含まれているのが分かる程果皮が張っておりズッシリと重い。
香りは完熟バナナのようで濃〜厚〜といった感じだ。

カット。

果汁が滴るほどではないにしろ非常にジューシーだ。
よく「とろけるような食感」と書かれるが熟れ方もあるだろうが「ふわっとシュワッと」柔らかく滑らかに潰れていった。
鼻ではバナナのように感じられたが食べると華やかに洋梨の香りが脳に直撃し上品なまったりした深さある甘さが味蕾を覆う。そこに酸味や渋みは一切無い。

「幻」の枝変わり種「リーガル・レッド・コミス」

お次は上のドワイエネの突然変異種「リーガル・レッドコミス」(或いはリーガル・コミス)だ。
とくと見よ!

ドドンッ!!!!

君、リンゴじゃない?
科こそ同じバラ科だが属はそれぞれ違う。
だのに形は違えど色味はりんごそのものだ。

ここまで来るともうリンゴと区別がつかない。

香りはドワイエネと変わらない。

皮下は熟成が進行している。

こちらは噛むとぐじゅっと潰れて素早く滑らかにペースト状になる。
味の基本はドワイエネに準ずるが奥の方にさっぱりした爽やかな酸味がある。
「果物には酸味があってこそ」という人はリーガル・レッド・コミスの方が良いのやもしれない。
同じ種類の植物でも枝変わりが起きると味にも変化が起きるんだなぁ…。

「幻」の黄金郷「エルドラド」

—南アメリカには黄金郷がある—
というロマンある話は置いておいて。

これはアメリカ、カリフォルニア州のエルドラド郡で1931年に発見されその名前を与えられた洋梨だ。
ラ・フランスやル・レクチェ、前述2種よりも一回りほど大きく完熟していても果皮は硬く全体的にどっしりとした印象がある。

他の洋梨よりも角張ってる。


香りはあまり無く穏やかだ。
断面は滑らかだが果肉は少しザラついておりもったりしたほどけ方をする。
甘みはあるが酸味も相応にあり、やや角が立つようなイメージがある。
これが種に近い箇所は口の中がキュッと締まるような感じだ。
購入時には「ヘタの周りが触ったら窪むくらいが完熟の証」と書かれていたがまだ足りなかったのだろうか?

まとめ。

ということで今回はちょっと珍しい洋梨3種を食べ比べてみたが個人的に一番好きなのは「リーガル・レッド・コミス」で次いで「ドワイエネ・デュ・コミス」「エルドラド」はもうちょっと検証の必要がありそうだ。
新潟は出荷量は少ないながらも多種に渡る西洋梨を育てており「オーロラ」「ゼネラル・ルクレール」「バラード」「バートレット」も店頭に並ぶ。
この辺もいずれ手を出してみたい。
余談だが夏には「幻」の桃、「蟠桃(ばんとう)」も簡単に手に入る。

ってか幻の品種多いな!!(完)


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