太陽がなかなか沈まない国①(スペイン旅行回想記)
「スペインについて一言で言ってください」と、言われたらあなたはどんなイメージを思い浮かべるだろうか。
情熱、闘牛、ガウディ建築、フラメンコ、パエリア、サッカー...
これらのイメージは湧いても、一つの国としてのイメージはほとんどないのではないだろうか。実際、僕もそうだった。なんとなく、大学でスペイン語を選んだからせっかくだし行くか、くらいのノリで決めた。けれど、そんな態度に対してスペインは期待を大きく上回ってきた。
これは、僕が2019年夏に行ったスペイン旅行について、思い出せる範囲で書き起こしてみたものだ。スペインが魅力的な国であることが伝わるといいなと思いつつ、自分も忘れたくない思い出としてnoteに記すことにした。
(当時旅行中に日記をつける習慣がなかったことを激しく後悔している。結果的に強烈な印象で覚えていたからいいものの...)
現在スペインでもコロナが猛威を奮っており、渡航は厳しい状態だ。またいつか、訪れることができますように。
旅の始まり
2018年4月
始まりは、「なんとなく」だった。大学入学が決まった直後「一番楽だから」という噂を信じて、第2外国語にスペイン語を選択した。そんな軽い気持ちの「スペイン」がここまで自分に影響を与えるとは、思ってもいなかった。
2019年5月
同じスペイン語クラスのT郎に、スペインに行かないか、と誘われる。スペイン語は嫌いじゃなかったし、ヨーロッパに行ったことがなかったので、二つ返事で回答した。結果集まった僕、T郎、S子、C子の4人で、空きコマの大学の食堂に集まって、どこにいくだとか、飛行機はどうするだとか、プランを考えていた。そして7泊9日のスペイン国内旅行が決定した。
いよいよ出発。2019/8/19
いよいよ出発を迎える。スられないような体に密着したカバンをハンズで買い、スーツケースに荷物を詰める。衣服の少なさから夏の旅行でよかった、と思う。
夜の羽田空港に向かい、0:01発の便でいよいよ飛ぶ。飛行機内でアベンジャーズが見れた。いつも流行に乗るのが遅い僕は、やっとそこでアベンジャーズの一員になった。最初の目的地は、バルセロナ。カタール航空でトランジットして向かう。初めてのヨーロッパに胸が躍っていた。
トランジットのドーハではアラビア語の存在感と高めのスターバックスを楽しんだ。物価が高くても、スターバックスがある安心感はどこの国でも変わらない。
のちにこの空港に大変なお世話になるとは、つゆも知らなかった。
(空港にあったでかい人形)
到着。
トランジット込みでほぼ24時間の飛行機だったが、時差でバルセロナ到着は14時くらいだった。空港からタクシーを使って、予約しておいた宿へむかう。ある程度英語は通じるみたいだ。宿は、バルセロナの日本人ゲストハウス「プチ・チキート」だ。到着し、現地に長く住んでいるというオーナーと日本語で会話する。失敗したくないタチの僕にとっては、未踏の地に知識のある日本人の存在は、とてもありがたかった。
その宿は、まるでバルセロナに住んでいるかのようだった。きれいに整地されたバルセロナ市街の一角に立ち、バルコニーからは同じような建物のバルコニーと洗濯物が見える。夜には下の階の住民がパーティをしているのが見えた。
その日は、初めてのバルセロナの空気を存分に楽しんだ。近くのバルセロナ大学周辺をうろついたり、カタルーニャ広場で写真をとったりした後、市場でココナッツジュースや生ハムを食べ歩き、ランブラス通りを海に向かって歩いた。その先には、コロンブスの塔が立っていた。そっか、コロンブスってスペインか、とか思いながら、海を見に行った。コロンブスを筆頭に、無敵艦隊だとか、貿易だとかでスペインは一瞬だけ世界史の主役になった。けれど、その歴史は残念ながらあまり感じられなかった(博物館系に行かなかったのが原因だけど)
バルセロナで深く印象に残っているのは、やはり街並みの美しさだ。(のちにバルセロナ全体がそうではないことに気づくのだが)
全て正方形で区画された街並みと、暖色系の色で埋められた建物。東京でいつも見ていたネオンとごちゃごちゃした感じも好きだけど、こんな都市があるんだ、と感じさせられた。さすがはガウディのまちだ、などと適当なことを思っていた。
さて、その夜はオーナーの人に教えてもらったお店でパエリアや生ハムを食べることにした。メニューを見て、日本であれだけあるハイボールやサワー系が全くないことに驚きを隠せなかった。サングリアを頼んだら、想定の5倍くらいおおきいサイズのグラスに、たくさんの果物入りで出てきた。グラスの淵には塩がついていた。「めちゃくちゃおいしい!」の感想しか出てこないくらい、美味しかった。それ以来赤ワインに好感を持つようになった(単純)
お酒には弱い僕でも悪酔いしない、いいお酒だった。
長時間のフライトでみんな体がむくんでいて、S子の二の腕がパンパンになっていることで30秒くらい笑っていた(それ以来腕パンパンキャラになった)
そんなこんなで楽しい時間はあっというまにすぎていった。もちろん楽しかったことによって、精神的に時間が早く感じたということもあるが、物理的に空の明るさによるものでもあった。20時でも全然明るいのだ。この明るさが人々の陽気さも産んでいるのかもな、と紫色に変化していく空を見て思った。
ホテルに帰ると、時差もあり、すぐに眠りに落ちる。
8/20 2日目
二日目の朝。iphoneのアラーム音で起きる。天気は清々しい晴れ。近くのスタバで朝飯を食い、地下鉄に乗って向かった先は、カサ・バトリョというガウディの建築物だった。(カサ=スペイン語で家、なので、バトリョという人の家である)
10時くらいについた後、20分くらい待ち、日本語のガイド付きのチケットを買い、中に入る。ガウディの建築によくあるという、波状の外見が印象的だった。
ガイドに従いながら、徐々に建物を登っていく。
当時建築の知識が全くなかった僕は、ただただすごいという感想を持つことしかできなかった。この感想は早くも次の日に「超絶すごい」に塗り替えられることになる。
ちなみに建物の屋上まで上がることができるのだが、あまりきれいな景色が見れるわけではなく、建物の装飾の方が目立っていた。
そんなこんなでカサ・バトリョの見学を終え、海沿いへとまた戻る。昼ご飯は、その辺にあったカフェで食べた。スペインに行って思ったのは、ベーカリーというか、似たようなカフェが多すぎる。僕らの行った期間はたまたま休暇の季節だったので、あんまり人が入っていなかったのだが、そりゃこんだけ同じようなカフェがあればなあと思ってしまった。
話を戻すと、またカタルーニャ広場周辺まで戻ってきた僕らは、スペイン名物・チュロスを食べた。
濃厚なチョコレート。濃厚すぎて到底全部は使いきれなかった
チュロスでお腹が猛烈に膨れたので、バルセロナ大聖堂へ行くことにした。
バルセロナ大聖堂
こういうのはヨーロッパならではだよなあと思いつつ、スペインの宗教の歴史を思い出す。レコンキスタという単語が脳内から引っ張り出されるまで、10分くらいかかった。ステンドグラスが印象的な建物だった。
大聖堂の上に登ってみて、あたりを見渡すのは爽快だった。遠くにサグラダ・ファミリアが見えた。観光客っぽい欧米人に写真をお願いして、みんなで写真をとった。
右奥に見えるのがサグラダ・ファミリア。圧倒的存在感
ちなみにこの写真、圧倒的昼間に見えるが、実は19時である。やはりこの国は明るい。
そして、ようやくチュロスの呪縛から逃れた僕らは、今日もパエリアを食べに向かった。イカスミパエリアが超絶うまかった。
まだまだ体力も有り余っている2日目、帰りみちにたくさん写真をとった。途中で「お金あげる」って声かけてくるおじさんもいたけど、振り切って宿まで帰ってねた。
ここまでで、1,2日目の振り返りはおわり。この後もサグラダ・ファミリアを見たり、バルセロナを一望する絶景を見たり、まだまだ続きます。
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