太陽がなかなか沈まない国②(スペイン旅行回想記)
前回の回顧投稿からだいぶ間があいてしまった。
この間に、たくさんのオンライン面接や、webテストがあった。
今日も、面接の1日前だ。考えていることを整理しようと、ノートを開く。
COVID-19が、かつての「日常」を奪って1年が経ち、なお感染は拡大している。
新しい生活が習慣となりつつも、依然対面でのコミュニケーションを求める人々は多い。その中で、COVID-19が与えた最も大きな影響は、心に強烈な刺激を与え、価値観をガラッと変えてしまうような人・モノ・場所etcとの出会いを激減させたことではないだろうか。海外旅行も、その一つだ。
いつか、自分くらいのコロナショックを直撃した世代は、世界を自分の目で見ていない「視野が狭い」世代として捉えられるのだろうか。
閑話休題。<3次面接>の4文字だけ書いた、ノートを閉じる。
また、記憶上の異国の地へ意識をトリップさせる。もう2年前の出来事だ。いつ忘れたっておかしくない。
①3日目スタート、恐ろしきガウディ
※前回の旅行記
ほとんど1日をかけて羽田→バルセロナへ移動した4人組。現地に住み込んだかのようなアパートに泊まり、ガウディのカサ・バトリョを見たり、チュロスを食べたり、存分にバルセロナを楽しんだ。
そして、バルセロナ最終日。満を辞して、というか、スペイン にいくと決まった時からいくつもりくらいだったのが、世界遺産「サグラダ・ファミリア」だった。未完の巨大建築。いかにもロマンにあふれている。
といっても、建築に疎い自分にとっては「あー、すごいんだろうな」くらいのぼんやりとした感覚だったと思う。実際に中を見るまでは。
(工事中のサグラダファミリア。なかなか画角に収めるのが難しいサイズだった)
予めチケットを取得しておき、10:30からの回で入場する。チケットを全て電子でスマホ上管理できるのがありがたかった。国際学生証を取得していたので、学生価格で買えた。ちなみに、チケットには、上まで登れるタイプ(with towers)と登れないタイプがあったと思う。
入り口で音声解説をレンタルして、内部へ進む。その先は4人がそれぞれ別々に行動しているほど、圧倒というか、没入していたと思う。残念ながら細部の解説は覚えていないのだが(やっぱり)
壁面を飾るステンドグラスから透ける太陽光がとてもきれいで、キラキラしていた。もちろん色だけではなく、形一つ一つをとっても、素人にすらわかる技巧だった。壁と天井しか写していない写真の情報量が、とても多い。
神秘的とはまさにこういうことなんだな、ということを理解したような気さえしていた。下手な写真じゃ伝えられない美しさだった。
その後、塔の上まで上がる。行きはエレベーター、帰りは螺旋階段だった。上の写真の通り、バルセロナ市街がよく見える絶好のスポットだった。サグラダ・ファミリアに行く際は、是非with towersのチケットを買って欲しい。
しかし、これ以上の景色を僕らは見ることになる。それはこの日の夜でもあり、次の日のことでもあった。
②1億ドルの夜景だとかで表現するには少し困る、安っぽくて極上の夜景だった。
サグラダ・ファミリアを出て、ホテルに戻り、昼食をとる。
ちなみに帰るときにプチ事件が起きて、タクシーにぼったくられた。いつまでたっても目当ての店につかないなと思ってGoogle Mapを確認したら、明後日の方向に直進を続けていた。急いで運転手に確認すると、悪びれもせず「着いた」との一言でそこで降ろされた。幸いそこまで距離は稼がれていなかったが、結局戻るのに30分近く歩いたし、疲れとぼったくられた怒りで機嫌が悪くなった。海外ではちゃんとマップを確認しようと思った一幕でもあった。
それはさておき、昼飯とホテルのオーナーおすすめのケーキ屋さんで一休み。
そして、次の目的地「カルメル要塞(El Carmel)」にバスで向かう。ここで初めて観光地っぽいバルセロナ市街を抜け、生活感の溢れる通りを見ることになった。
あれだけ歴史を感じる、色鮮やかな市街地とはうってかわって、少しスラムのような、裏側のような雰囲気があった。そんな通りを抜け、バスは目的地に着く。要塞と名がつくだけあって、だいぶ山を登った、終点近くの停留所だった。
とても綺麗に街の景色が見える場所だった。ここはどうやら夜景の穴場?のような場所らしく(それにしては広まりすぎているようだが)すでに若者が陣取って音楽を流しながら酒を交わしていた。そんな地元感のある場所で、来る夜景を待っていた。あまりに暇だったのか、「今までの人生で一番恥ずかしかったこと」みたいな話をしていた気がする。
そして、いよいよ、やっと、ようやく日が暮れる。
圧巻の景色だった。あいも変わらず後ろでは酒を飲みながら騒いでいる若者がいたが。今まで見てきた景色の中でも、トップクラスじゃないかってくらい綺麗なところだった。だけど、1億ドルの夜景だとかで表現するには少し困る、安っぽくて極上の景色だった。
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