ステージ撮影設定
先日、またこの団体のミュージカル撮影に携わらせてもらいました。今回は、自分の撮影機材や設定についてメモしておこうと思います。あくまで個人的なやり方であり、この団体のミュージカル撮影を前提とした話ですので、これがステージ撮影の標準というわけではありません。
撮影環境
このミュージカルでは、明るいシーンや暗いシーンが入り混じり、スポットライトやカラフルな照明が目まぐるしく変化します。セリフは少なく、主にダンスと歌で構成されています。キャスト全員(約100人)が一斉にパフォーマンスするシーンも多いですが、10~20名程度の少人数シーンも頻繁にあります。
撮影は2日間で、4ステージで構成され、最初はゲネプロ(本番同様のリハーサル)です。この時は撮影者が自由に動けるため、撮影環境としては非常に有利です。本番の3ステージは、2階席や1階席の端、後方から撮影することが多く、ポジションは制限されます。ゲネプロで撮った写真はフォトレポートや団体の商材に使われることが多く、本番の写真は主にキャスト個人向けの販売用に撮影しています。
使用機材
カメラ
基本的に、比較的新しい一眼レフやミラーレスカメラで、APS-C以上のセンサーサイズがあれば十分です。2台持ちできるとさらに有利です。
レンズ
推奨:F2.8の大口径ズームレンズ(標準ズーム + 70-200mm望遠ズーム)。
その他:F3.5-5.6でも撮影は可能ですが、暗所ではやや不利です。
単焦点派には:近くから撮れるゲネプロなら、F1.2~1.8の明るい単焦点レンズを2~3本というのもありです。標準域、中望遠、そして超広角(16mm以下)も楽しめます。暗い環境では単焦点レンズの画質が大いに役立ちますが、ズームほどの柔軟性はありません。その分、動き回って撮影する必要があります。
設定
シャッタースピード
基本は1/320秒程度。これ以上遅いと動きのあるシーンでは厳しいです。広角で引きの撮影をする場合はもう少し遅くてもOKですが、動きの激しい被写体はさらに~1/500秒等にすることをおすすめします。
ISO感度
自動ISOで最大12,800に設定。ただし、ノイズが増える場合は後処理が必要です。ノイズ処理が難しい場合は、カメラの性能に応じてISOの上限を1,600~4,000程度に設定することをおすすめします。
絞り(F値)
基本的には開放で撮影。被写界深度を深くしたい場合は2~3段絞るのも有効です。背景をぼかしたい時(開放)やライトの光条を出したい時(かなり絞る)には適宜調整します。
オートフォーカス
ニコンやソニーのAF-C(3Dトラッキング)やキャノンのAIサーボAFを基本とし、フォーカス範囲等はお好みで。顔認識や瞳AF機能がある場合は活用すると便利です。自分はニコンの3Dトラッキングを利用しています。
測光モード
マルチ測光は白飛びしやすいので、スポット測光か部分測光がおすすめ。全体的に暗めに写る傾向がありますが、後で調整可能です。ヒストグラムを参考にするのも良い方法です。
実際に使用した機材と感想
今回の撮影では、Nikon Z9と新たに導入したZ50IIを使用しました。Z50IIはZ50とほとんど同じ操作性で、特に問題なく扱えました。これまでZ50を使用した際にはZ9との撮影リズムがずれていましたが、Z50IIは同じEXPEED 7プロセッサを搭載しているためか、レスポンスやAF性能の差をほとんど感じず、快適に撮影できました。
この投稿が、これからステージ撮影に挑戦する方の参考になれば幸いです!