見出し画像

『UNDERTALE SYMPHONIC CONCERT 2024』兵庫公演ゆるゆるライブレポート

こんばんは。好きな戦闘曲は『Heartache/心の痛み』、フィールドBGMは『Undertale/UNDERTALE』です。

今までのライブ参加報告とはちょいと毛色が違うかもしれません。

先日、あましんアルカイックホールで開催された、
『UNDERTALE SYMPHONIC CONCERT 2024』兵庫公演を聴きました。

▲ここを訪れるのは大分久しぶり

『UNDERTALE』コンサートは過去2回、2018年と2020年に参加。
2018年に至っては、「チケットあるから予習してこい」と知人に誘われたのが始まりで、そこが『UNDERTALE』との出会いでもありました。


特色ある4種のプログラム

本コンサート最大の特色は、楽曲の進行にリンクするゲーム映像がスクリーンに投影されるということ。

披露される楽曲はゲーム内楽曲をエリア、キャラクター、チャプターなどで意味立てて切り取り、メドレーに近い形で構成されていますが、そのシーンにマッチしたプレイ動画がどんどんと投影されます。
そのため、再解釈+オーケストレーションされた楽曲群を聴きつつ、ゲームの追体験まで出来るお得仕様なのでございます。

もともとアンテの楽曲はライトモティーフの技法が使われており、一度聞いたフレーズが他の曲でも頻繁に出てきます。そのためこういった曲構成ととても相性がいいですね。

そして今回のコンサートは全国ツアーということで最終的に4地方で開催、
公演数の多さを活かしなんと4種類のプログラムが用意されていました。

2018年のものが全体をさらっと取り扱い、2020年でいわゆる終楽章をTPルート(昼)とGルート(夜)で分けて構成する、としており、本ツアーではさらに踏み込んで解釈していったものとなっていました。
Aプログラム、Cプログラムは直接聞いていませんがパンフレットから察するにそれぞれ初周プレイ周回プレイをモチーフに、今回私が聴いたBプログラムがTPルート、DプログラムがGルートをモチーフにしている、といった具合です。
プレイスタイルや周回ごとに抱く印象が、こころへのダメージが変わってくるアンテならではの内容ですね。

各プログラムで重複する演目はありますが、前述したようにスクリーン投影で見せるゲームプレイ内容が異なるため、同じ楽曲でも去来する感情はまた違ったものとなります。
例えば「ナプスタブルーク変奏曲」は全プログラムで演奏されますが、B/Dでは対称的なルート進行ゆえ、映される映像もそれ相応に異なる、といった具合。

実際の鑑賞した感想

さて、今回は自力で6/8(土)の通し券を手に入れられましたので、BとDのプログラムを試聴することができました。
このツアーではオーケストラに加えてバンドセクションもあるということで、ギターやベース、サックスにドラムなども編成に加わってきます。
元々が電子音や8bit風サウンドを主体にしていることもあって、やはり親和性が高いです。
あとは、積極的にソロパートが差し込まれソリストたちが活躍しているのも見どころですね。奏者さんたち、やっぱり楽しそうなんです。

ここからは実際に鑑賞したプログラムに触れていきます。
まさか未プレイでこんなところにくる人はいないと思いますが、アンテのゲーム自体のネタバレには一切配慮しませんのであしからず。

Bプログラム - Your Best Friend

昼公演のBプログラムは、TPルートを意識した構成。
後々購入した序曲集で振り返った中でも、やっぱり「Hopes and Dreams」がド頭からきて盛り上げてくれるこのプログラムの序曲がもっとも好み。

特に印象深かったのは、『M2:今日もどこかで雨が降る』ですね。
スノーフルにおけるスケルトン兄妹との出会いを描くセクションではあるんですが、表題曲のアレンジが素敵でした。

サンズとの交流は二度ある食事シーンがピックアップされており、そのうちの一シーンで流れているのが「It's Raining Somewhere Else/今日もどこかで雨が降る」です。元々はピアノ主体であったこの曲はバンドセクションもいかしたアレンジに。ゲーム画面の演出と相まって、扱われ方がとても良かったです。

TPルートということで、後半の楽曲群は3人とのデートから地上までの全過程を駆け抜けていく構成。
当然ゲーム画面も衝撃の場面から感動の場面まで余すことなく投影されるので、最終盤は会場からすすり泣きの声が聞こえていました。私もついつい涙ぐんでしまったよ。

ここで引き返していた場合はかなり平和に終われるわけですが、私が持つのは通し券。緊張の夜公演が待っております。

Dプログラム - Dear True Hero

そして、覚悟のDプログラム。
序曲の時点でいきなり不穏な空気…わかってはいましたが、Gルートを主体とした楽曲構成です。

Dプログラム特有の特色として、映像に音が合わさっていくような造りが特徴。動画サイトでたまに、ゲームプレイ動画に合わせてリアルタイムで楽器演奏してBGMも効果音も全部付ける作品とかあったりすると思いますが、それをイメージしてもらうと大体正しい。当たり前のように音が意図的に外され、キャラの発言やKILLシーンが随所に挿入されます。

兵庫公演二日目の場合、先述の通り直前のプログラムがTP主体だったこともあり、否が応でもその落差を突きつけられる恐ろしい組み合わせです。

顕著な例が雪だるまのシーン。
Bプログラムだと使う描写もなく持ち続けるのですが、Dプログラムではきっちりゆきだるまのかけらを全部奪い、ふじみのアンダイン戦で使うカルマ値が高い行動をとっております。Gルートあるあるですね。

『ナプスタブルーク変奏曲』も構成は同じですが映像ではモンスターたちを見逃さないし、にっこりマネキンが出てくる…そういうことです。何も心が落ち着かない…!

2018年の公演ではGルートの描写はモザイクがかかり、2020年では一つの結末を突きつけるまででとどまりました。
今回はさらに時が経っていることもあり、ネタバレ要素完全解禁。
『M5:Battle Remix for UNDERTALE』がその象徴と言えましょう。
雑魚戦やよくジェノサイドステップすることになるエリアの楽曲を繋いでいくのですが、普通のプレイではお目に掛かれないグライドなどの隠しキャラHARDモードにも触れられるなどやり込み派も満足の内容となっていました。そういや10月10日8時に起動したことないや…

DプログラムのラストではGルートを越えたその先、Soullessにもきっちり触れられます。
もしここまでで逃げてた人も、ここでは逃れることはできない…ついにぶっこんでくるとは。

後味改善

前回、2020年の公演はある意味賛否両論だったのかと思われます。
というのも、昼夜両公演ともにアンコールを促す余地もなく終焉のアナウンスがあったこと。
昼公演はTPクリア後再ロードした際の「本当のリセット」の場面が流れて終了、筆者も参加した夜公演はキャラに世界を破壊されたところで終了。
気持ちを入れ替えることもできず、特に夜公演は実際にプレイしたときの衝撃を抱えたまま会場をさることになりました。
こういう作品なのでその終わり方もありとは思いましたが、楽しく帰ることはできなかったですね…

突然振り返りをしましたが、今年はちゃんとアンコールが用意されていました。Dプログラムであったのですから、全プログラム用意されているかと。

やや原曲に寄せたアレンジだったものを大幅にソロパート増やしてパフォーマンスしたり、カーテンコール見たくこの曲やらなきゃ、という曲をやってくれたりと内容自体はプログラムに沿っていますが、楽しく締めくくられたことには間違いありません。
そういうところで後味もいい感じで整えてくれたため、全体通して楽しめるコンサートでした。

またプレイしたくなる演奏会

といった感じの感想文となりました。
今回もアレンジCDなどの物販があり、なかなかにぎわっていたと思います。
全プログラムの序曲をライブ録音したCDも発売されており、観ることができなかったプログラムの内容も推し量れるのがよいですね。

▲物販ではミニチュアスコアなんかも。わたしはCD系全部確保しました

アンコール公演も追加されたようでめでたい!
アンコール発表の際はタイトルロゴが表示されるあの印象的な演出が用いられておりました。奏者退場してるのに客席の退場アナウンスないなーと思ったら…よきサプライズでした。

▲大阪京都、東京は隅田区。メジャーどころですがいいコンサートですよ

さて、壮大な音楽とともにゲームの追体験をしたわけですが『UNDERTALE』をプレイしたのもすでに5年前…まだ私が物語を読み込むことに目覚めていないころのお話なのです。
この作品も私をこう変えていった起点の一つではあるのですが、今プレイしなおすとまた新しい感情や思いを得られるのかな、という予感もしています。
もう一度、地下の世界に行くのも悪くない。そう思わせる一日の体験でございました。

本日のところはこの辺で。それでは。

いいなと思ったら応援しよう!