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「うたわれるもの」ミリしらプレイレポート~二人の白皇編~
こんばんは。
今回は『うたわれるもの 二人の白皇』(以後白皇編)のプレイレポートです。例によって外部からの情報収集ほぼゼロ、ミリしらプレイ感想となります。
過去作を踏まえている上でネタバレは遠慮しないので、その点理解した上で読み進めていただけたら。
プレイ期間:4/14-5/6
プレイ時間:57.6時間(ゲーム内57.5時間)
はじめに
2月に『うたわれるもの 散りゆく者への子守唄』(以後子守唄編)をはじめ、3月に『うたわれるもの 偽りの仮面』(以後仮面編)を走破。
そしてようやく3部作の完結編を遊ぶことができました。
それぞれのミリしらレポートはこちら。
仮面編を単独でやった場合はどうしても未解決のものが多く、続編前提というのはあり、どう締めくくるのか気にはなっていました。
プレイして、ストーリーは一つの時代が終わるようきっちり締めくくり、SRPGとしてもシステムが良い方向に洗練されておりました。
3部作通して駆け抜け、非常に感慨深いクリア体験を得ることができました。
では、ストーリーやSRPGの細かな感想を改めて。
ストーリーについて:前編
"ハクロス"の波状攻撃
白皇編は仮面編にてハクが偽りの仮面を被った直後からスタートする。
つまり、のっけからクオンがハクを失った事実を再認識する幕開けに。
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オシュトルが改めて仲間に声をかけていく場面でも、新たに合流する味方にもその都度ハクの去就が語られ中盤までずっとしんみりし続けるため、プレイヤーとしても辛かった…
偽りの家族と確かな絆
そんな仲間たちの中でも見てて辛かったのがやはりネコネ。ただ一人全てを知り、自身の後悔が重なっているため、その幼さも相まって声を聴くたびに胸が締め付けられたものです。(戦闘ボイスは最たるもの)
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ヴライ戦を通じ、ただ兄妹を演じ演じられるだけでなく、真に絆を結んでからはかつての威勢の良さが帰ってきてくれてすごく嬉しかったのを覚えています。
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一方ハクは、ネコネたちの母であるトリコリとも家族を演じます。
アン=アンジュを察したこともあり、オシュトル本人でないことにも気づいているんだろうなとは思っていましたが、それが明かされたシーンは3部作で私が最も泣かされた印象深いシーンです。
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オシュトルの死にも、帝の訃報にも泣けなかった男の涙は重い
過去作をなぞるシナリオ構成
以前、仮面編における進捗は「子守唄編のハクオロ反乱開始に相当する進捗」と書きましたが、それを表すかのように、白皇編と子守唄編は似通った戦闘シチュエーションが多かった印象です。
城の隠し通路を使った奇襲(ナ・トゥンククーデター → ナコク奪還の戦い)
残酷でも力を見せるための火計(シケリペチウム緒戦 → 対デコポンポ軍)
化身同士の闘い(ハクオロVSディー → オシュトル(ハク)VSミカヅチ)
…などなど。後述する最終戦で攻撃キャラのセリフが特別なものになるのも共通してますね。あるものは懐かしさでニヤリとしつつ、ド定番のシチュエーションを経ていくのです。
SRPGパートについて
手厚い戦略構築のフォロー
仮面編は苛烈なダメージインフレもあり、扱いやすいキャラの格差や能力のわかりにくさがありましたが、白皇編では大幅に見直されました。
特に「ムネチカの試練」はよい追加要素。錬技の内容や構えの変化などカタログスペックではわからない要素を知りつつ、詰将棋を楽しめます。
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また、ダメージインフレもある程度抑えられ互いに一撃必殺もほぼ起きず。
錬技や特性を駆使して戦いやすくなりました。
キャラの強みはそれぞれに
白皇編では、特に射程1のプレイアブルキャラに新たな連撃や錬技が増えるなど、かなりのテコ入れが入りました。
上述の点も合わせキャラの強みも明確になったことで、プレイヤーのスタンスでキャラを活躍させられるように。
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特にオウギは大活躍。錬技「円環」によるダメージセーブはもちろん、気絶・忘却・鈍足と有用なデバフを撒けるため近接キャラでも使用率が上位になりました。
終盤は呪いもシンプルに強い。敵の回復力や気力の貯まりやすさが目立つため、それらを抑制するネコネやウルゥル・サラァナも貴重な存在でした。
あと…フミルィルはヤバいスペックだったなぁ
フレーバーもしっかり
子守唄編に続き、技能面で見るフレーバー要素も見ておきたい要素。
クオン合流後には顔グラが変わり特性に四神転身(=ユズハの能力をコントロールできている)が加わってたり、ミカヅチ化身戦以後はオシュトル化身体の連撃すべてに反動ダメージが加わっている(=限界が近づいている)など。
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また、今作の協撃は気力MAXなら通常攻撃の時点で発動可能となり、子守唄編でいう協撃は協撃必殺となっていました。協撃は協力側のバフデバフも発動する関係で仕掛け得だったのも良き。
解禁時点では意外な組み合わせもあれば王道ペアもあり。関係性の深堀りにもなっていたように思います。
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大変だった戦闘あと語り
今作はダメージもややマイルドになったため、相手の思考と特性・錬技をきちっと把握しきちんと戦略を練れば競り勝つのは容易いゲームバランスです。
その上で大変だったのは対シスと対ライコウの2戦でしょうか。
1つ目は、シスとルルティエを対面させた結果、互いにZOCがんじがらめになって戦闘が割とぐだりました。
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ライコウ戦は、ネコネを出撃させなかったため最大体力低下の影響をリセットできず、安定する陣形こそ組めたものの後半戦でオシュトルがライコウから2連撃もらえない状況に陥り、活性状態が解消されるまでは終始ハラハラしておりました。
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ストーリーについて:後編
キャラの掘り下げ:仮面編の不満解消
白皇編で、各キャラのさらなる掘り下げが順に行われ、バックボーンが固まっていきました。
特にシノノンは自身が皇族であったりキウルとの絡みがより増えることで露出が増えて出番控えめの印象が薄れました。
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全体の流れの噛み合いもあり、ヤクトワルトのエピソードがかなり早めに消化されたのは少々惜しいですが、みんなの成長がちゃんと描かれていた点に満足です。
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仮面編の時点ではルルティエが好きと言いましたが、白皇編ではアトゥイの存在感が一気に増しました。
仮面編ではシンプルに戦闘狂の側面が強く描写されていたのですが、オシュトルとトゥスクル皇女、両方の正体を確信した(当人らを除き)唯一の仲間というポジションを獲得したのが大きい。ここぞという場面で女のカンと闘気で見抜くのは強い個性ですよね。
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揺らぐオシュトルとハクの境界線
ネコネについて書いた際にも触れましたが、ストーリーが進むにつれ、モノローグですらハクらしさが薄れ一人称が「某」になったり、声色がハクなのかオシュトルなのか、私にもわからなくなっていくのが恐怖でした。声優さん凄い…
ウォシス消滅後、正体がハッキリした後も仲間へ声をかけていく場でなおオシュトルとして喋っていたのが特に印象深いです。
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クオンへ語る段になってようやくハクらしい言葉遣いになり、安心して涙を流したのを覚えています。
絶妙なトゥスクル勢の使いどころ
仮面編ではほぼほぼ顔出し程度、エピローグで色々匂わせと伏線を残したトゥスクル勢でしたが、白皇編では改めて子守唄編のあとのトゥスクルとそこに住まう人々、ハクオロの仲間たちの現在が描かれました。
平和を築き上げたトゥスクルの姿が見られたのはシリーズを追ってきた身としては嬉しかったです。
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また、ウォシス暴走後、ラァナ=アフマン(冠童が化けた姿)が投入された時の増援は、さすが神を眠らせし集団と言いたくなるほどの大活躍。主役を食うことこそなかったですがきっちりと見せ場があってよかった。
(最終盤で想定外の見せ場?もありましたが)
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白熱のラストバトル
ファイナルステージと銘打たれた対ウォシス戦。
ノロイとタタリウンカミをいなしつつ、反動も気にせず化身オシュトルでひたすら殴り倒すだけでゴリ押し感あるなぁとは思っていたが、その後があるのは想定してなかったよ。
(ラスボスLv42の法則はありつつ全員出撃でないので察してはいたが)
クオンの暴走の果て、始まった救出戦(ラストバトル)は非常に長丁場。
早速トゥスクルメンバーの影がそれぞれきつめの性能で襲い掛かってきてどうなる?となりましたよね。
今までイベント戦闘らしいイベント戦闘はうたわれにはなかったので余計不安が過ったものです。(子守唄編のアヴ=カムゥ初戦くらいか)
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この"影"はクオンを過保護に封じ込めた過去の想像も投影されているのだろう
そしたら大神を受け継いだハクが現れ形勢逆転、一気に展望が開く展開はアツいの一言。ずうっと名前を偽り戦い続けた中、ここにきてハクとして戦えるのもとても嬉しかったものです。
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とはいえウィツァルネミテアのAIが案外めんどくさく、ノーミスゼロ撤退が叶わなかったのは口惜しいばかり。
(全編通して巻き戻しを利用し、クリア時の撤退者ゼロは達成している)
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ちなみにもう一撃は「鎮守のムネチカ」がその名の通り護りきってくれました
アツさに拍車をかけたのは、協撃必殺発動時の会話からムービーに繋がる専用演出。子守唄編以上に決戦を盛り上げました。
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3部作で描かれた一つの時代
ようやく希望が描かれたエピローグ
激戦を超えてクオンを救い出し、ハッピーエンド?と思ったところでいなくなってしまうハク。
戦場にハクが舞い戻った時、実は「アツい展開だけど死者がそう簡単に蘇るのも…」となっていたので安堵した一方子守唄編と変わらぬ別れでの幕切れなのか…とそれはそれで切なくなりました。
このタイミングで『運命-SADAME-』が流れたのも拍車をかけています。
その後、ヤマトとトゥスクルの和平が成され、サブタイトルの二人の白皇(ハクオロ)の真の意味が明かされスタッフロール。
そこまでの場面でハクの存在を匂わす描写もありこれでも十分ではありましたが、ここからが完結作としてのエピローグが始まります。
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そしてこの二人で物語を締めてもそれはそれで綺麗でもある
そこで示されたのは、ハクの本当の行方。ハクオロから神としての力を全部ぶんどってマシロ様と語り継がれるようになってるとは、ほんとただでは起きない人だなぁと感心してしまったもの。
認識世界だけにいる、というのは割とありますし、これだと子守唄編エピローグでエルルゥやクーヤたちがハクオロの気配を感じたことに説得力も増したのでした。
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その上で、ハクが全部持っていくという形で力を失い人間に戻る形で、今まで見ることが叶わなかったハクオロの素顔が明かされたのは3部作を走り抜けた身として嬉しいものがありました。
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いつの間に神は再び分かたれた?
唯一疑問だったのが、結局ハクとクオンでウィツァルネミテアが再び2つに分かたれていたこと。
よくよく考えたら、クオンの傍らに現れた大神は黒い体…つまり黒の大神=ディーに憑依していた「分身」と示唆されています。
一方ハクはハクオロとして自我を持つ状態の神から力を受け継いだことから、白の大神なのでしょう。
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ということは子守唄編で意識を統合して封印されていたのに、しれっと抜け出していたことになります。
ただ、ユズハが子を授かったタイミングを考えるとクオンに黒の大神が接触できたタイミングはあったか?という疑問が生まれたのです。
当時のハクオロは白の大神としての力と意識しか有してなかったはずなので、そこだけ実はスッキリしていなかったり。
まあ結果としてある意味嫌われてるほうであり、かつ大事な人諸共封じる必要がなくなったので躊躇いなく大封印を施されたのは何とも言えぬ気持ち。
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(ハクオロ側なら「もう一人のお父様」なので)
その他惜しかったこと
基本的にはみんなのその後はエピローグで丁寧に描かれたので、個人的には満足しています。
ただ、クーヤとサクヤの顛末は描いてほしかった。
チキナロが変わらぬポジションで再登場したりゲンジマルの過去の仄めかしなどもあったため期待したのですが…
惜しい点からは少し外れますが、時代の変化なのか非業の死を遂げたネームドが仮面編から含めてほぼいなかった(基本的に使命や大願に殉じている)ですね。
子守唄編はそのあたりの残酷さも描き、物語の動力になっていましたから。
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あと、強いて言えばウォシスがどんな手段を考え最後、仮面を被ったのかは知りたかったかも。結局根源の力に取り込まれましたが、どうやって冠童たちの想いに応えようとするか、明かしてほしかったなぁ。
ただ、かつての大神と違い、「個の願いを全と見做さない」「理が歪む対象が願った己に限らない」「すべてをノロイにするわけでもない」など、力の振るい方に想いが乗っていたのかも、とは感じました。
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システムとしては仮面編と白皇編でほぼ一緒なので新規性と言われたら怪しい部分もあるのですが、ある種前後編と見ていたのでそこまで気にならず。
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考え直せばこれをもとに子守唄のHDリメイクがあるから仮面編が一番古かったのね
ずっと戦時中みたいなものなので仕方ないのですが、白皇編単体で見ると明るい場面がやや少なかったのも気になるといえば気になる。
そのあたりのコミカル要素の大半を仮面編が持って行っているのでセットで見て初めてバランスよくなるなというのもありますね。
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まさか3×3ユニット&クソデカアルルゥアイコンとは思わなかったので吹いた
さいごに
3部作を通して、人間の生き残りが紡ぐ物語に終止符が打たれ、ヒトが歴史を紡ぐ時代を迎えるまでが描かれました。
シリーズ通す必要はありますが、一つの時代をきっちり描く、芯のあるストーリーでした。
提案されるまま遊び出しましたが、物語を楽しめ、SRPGも楽しんで走り抜けて大変良かったと思います。
正直まだまだ語れるところや触れられなかった好きポイントは山積みですが、ひとまずの感想としてはここまで。
キャラや楽曲、名場面などについては別途記事を作りたいなと思ってます。
今回も拙い文章ですが、自分の感想をアウトプットできたので落ち着きました。それでは。