イタリアの新世代近郊車両 ALe/ALn501型
イタリアでは1993年の国鉄民営化以降、より充実したサービスと高度な輸送能力が求められていた。これらの要求に対し、民営化された新生イタリア国鉄の列車運行部門であるトレニタリア(Trenitalia)は、都市間輸送においてエウロスターイタリア(ES)やインテルシティ(IC)といった特急列車網の拡充を行い、また都市圏輸送では新型2階建て電車ALe426型、通称「TAF(Treno Alta Frequentazione/高度なフリークエント輸送の意)」の投入を進め、ローマやミラノといった大都市圏で運用された。
その一方で、地方都市周辺のローカル輸送には相変わらず老朽化した客車や電車、気動車などが用いられており、これらの車両の更新が急務とされていた。しかしながら、前述TAFではローカル線区においてはいささか過剰な輸送力であり、また非電化区間も多く存在するため、電車をそのまま投入することはできなかった。
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