仕事一筋パパへ。今こそ、「子ども=アーティスト」に学ぼう。
「子どもと散歩することが増えて気づいたんだけど、てんとう虫って何種類もいるのね。とりあえず4種みつけたよ」
ある先輩パパが教えてくれました。子どもの目線と速度に合わせて行動してみると、いろんな気づきがあるんですよね。
「子どもが家にいると仕事ができず、まわりの同僚や後輩に置いてかれてしまうよ」と今、焦っているパパには、「何をのんきな」と感じる話かもしれません。
よく分かります! でもそこは何とか深呼吸して、もしよかったら『育児は仕事の役に立つ 「ワンオペ育児」から「チーム育児」へ 』(光文社新書)を手にとってほしいなあと思います。詳細は割愛しますが、社会人院生と大学の先生による著作なんですが、双方“育児真っ最中”なので内容がすごくリアル、実感こもってます。そして、エビデンスもしっかりしてるんです。
ここ数年、スーツ姿の男性が美術館に行くことが増えているようです(コロナの今はちょっと無理ですが)。「今までにない発想」で企画したり、商品を生み出せるようになるために、芸術家の作品、視点から気づきを得ようとしています。
”モネの「睡蓮」を鑑賞して、あなたは何を感じますか?”。『13歳からのアート思考』(ダイヤモンド社)で著者は冒頭から読者に問いかけます。「何をかあ」と私は正直、悩んでしまいましたが、そこで紹介された4歳の男の子の視点にビックリしました。
「かえるがいる」
なんですもん。どこを見渡しても、かえるはいません。なんと「いま水にもぐっている」と言うのです! すごくないですか、この想像力というか視点。自分だけのものの見方で、その作品をとらえ、彼なりの答えを導き出しているーーそれ、アーティストの考え方やん!
だから、子どもと散歩するのは楽しいだけでなく、実は、「子どもから大人が学ばせてもらってる」ことにもなるんですよね。もちろん、育児は仕事のためにあるわけではないです。が、これまで育児にあまりタッチしたことがなかった父親には、まずは「仕事とも連動している」と思えると、少し気が楽になるのかも、と思いまして紹介しました。
よし、せっかく子どもから学ぶなら、ユーモア絵本を数多く著した”創造力のかたまり”長新太さんくらい、貪欲にいっちゃいません?
「小さな子どもの視点はすごい。僕はそういう人たちを相手に本を描いている。僭越な気がします。言ってみれば、先生に対して自分の絵を見せているような。だから、子どものすごいところ、エッセンスを、全部自分の中に集めちゃって、そこからまた、ぐわっと出して創作しよう、という気持ちがあります」(『長新太の脳内地図』、東京美術)