火のないところに煙は立つし炎上もする
昨日仕事から帰宅すると待ってましたとばかり娘が自室から駆け下りて来た。
なんでも好きな芸人のラジオ番組に投稿したら採用されてサイン入りのステッカーが当たったらしい。
「嬉しいっ!嬉しいっ!めっちゃ嬉しいーー!すごくない!?」
その芸人、私は名前すら知らず当然どんな人かも分からない。ラジオにどのくらいの人が投稿しているのかも知らないしステッカーが当たることがすごいのかどうかも分からない。
しかしもちろんここは一緒に喜ぶところだ。
「すごいやーん♪」
と二人で大盛り上がりしていたところ。
廊下から夫が電話を片手にリビングに入って来た。
めちゃくちゃ怒っている。めちゃくちゃやかっている。どうした。何があった。
※「やかる」とは関西弁であまりよろしくない絡み方のこと。
最終的に夫は
「お前の声なんかもう二度と聞きたくないんじゃ。電話してくんなっ!なんかあったら嫁に言え!」と吐き捨てて電話を切っていた。
えー。またかよ。
尻拭いはいつも私だ。「夫がすみませんねぇ」的な。まあいい。今回のことはまだガッツリ渦中なので全部終了してから気が向いたら記事にしよう。
出た。いつかまた記事に。今まで書いたことない(笑)
で、その夫の剣幕を見て思い出した昔話を今日はしたいと思う。
高校生の頃ある人から告白された。結構男前。確か友人たちが「カッコいい子がいる」とか騒いでいた時があったな。
その人のことを私は全く知らなかったがちょうどフリーだったこともあり付き合うことにした。
しばらくした頃だろうか。自宅に一本の電話がかかってきた。
内容は「今付き合っている人と別れろ」というもの。
実はその人、私に告白してきた時にはどうやら彼女がいたようなのだ。
私がOKしたので彼女を捨てたらしい。
あー。なんかめんどくさいことになっちゃったな。
しかし彼女本人から言われるならともかく電話の相手は全く知らない人だ。
「なんでアンタに言われなアカン?」若かった私は応戦した。
「お前誰に口きいてんのか分かってんのか!?○○の××ゆうもんや」
知らない人だった。○○という地名が少しヤバイ場所であることは何となく知っていたが××って?
「だから何?」
「家がどうなってもええんやな。今から行ったるからな!」
「ええよ。玄関で待ってるわ」
うん。マズイかもしれない。
知り合いに電話をかけて○○の××を聞いた。
思いっきりヤバイ筋だった。今でいうバリバリの反社。
しかし結論から言うと○○の××は現れなかった。
そして○○の××は元彼女に「アイツまじでヤバイやつやから諦めろ」と言ったらしいのだ。
○○の××と言ってひるまない人はいないほどのネームバリューなのに一切臆することなかった私。
だって知らなかったんだもん…
私は人生で一度も本当の喧嘩をしたことがない。例えば鉄パイプ持って集合!みたいな。
そういう集団に属したこともなかったし友人たちがいつもしている縄張りなどという概念を持って地元を守る的な会話を実は内心バカバカしいと思いながら聞いていた。
元々私は引っ越してきたよその土地の人なので地元にイマイチ愛着心が薄かったことも影響しているのかもしれない。
とにかく一度も喧嘩をしたことのない私がこの件で「まじヤバイやつ」認定されてしまいものすごく喧嘩が強くて絶対挑んだらいけない人認定されてしまった。
その後元彼女はしばらく私に金魚の糞のようについてきて舎弟(という言い方が適当なのかどうかは分からないが)にして欲しいとずっと懇願してきたくらいだ。
もちろん本当は喧嘩していないことは言わなかった(笑)
今更言える雰囲気でもなかったし。
まぁ噂なんてそんなものだ。
ちなみにこの時付き合った人は付き合った人で実はこっそり私のことを気に入っていたらしい地元の同級生たちからこてんぱんにやられていた。
何度も呼び出しを食らい顔中を腫らして帰って来たこともあった。
しかし女に庇ってもらうのは情けないから私から同級生たちにやめろとは言うなと。
地元の同級生から告白されたことは結局一度もない。あの集団の中の誰かというところまでは分かっていたのだが結局どの人かも分からなかったレベル。
全く以てバカバカしい。私はあちこちから勧誘されこそすれとにかく喧嘩になったらバレる(笑)ということで興味がないと全部断っていた。しかし断られた人からしてみたらまさか喧嘩したことがないなんて思わないのでどこにも所属しない孤高の一匹狼的な印象を持たれてしまいどんどんおかしな方向に自身の偶像が作られていくこととなってしまった。
これぞ昭和から平成に移り変わる時代のDQNの実態だ。
余談だが私は決して美人でもないし皆が憧れるようなマドンナでもない。ただただ単に「軽そうな女」と思われていただけだ。それも実際は違うので付き合ってはすぐに別れるということを繰り返していたわけだが。
火のない所に煙は立たぬとはよく言うが私はこの過去の体験から一切火がないところからも実は煙が立ちまくりなんなら炎上さえするということを良く知っている。