ゴールキック成功の確率がわかるラグビーの新指標『キックプレディクター』
キックプレディクターとは?
他のスポーツ同様、ラグビーにおいても、わずか1点の差が勝敗を分けることが多くあります。そのため、ゴールキックが決まるかどうかが、試合の展開を大きく左右します。
キックプレディクターは、過去の試合における無数のゴールキックをStats Performの人工知能『Qwinn』が分析し、その傾向からゴールキック成功の確率を算出する新しい指標です。
提供される主なデータ
ゴールキックの位置とゴールポストまでの距離などのデータから数値を算出するキックプレディクターでは、以下のようなデータが提供されます。
各ゴールキックの成功確率
トライが決まったり、ペナルティが与えられた直後に更新される、ゴールキックが決まる確率。特定の選手(これから蹴る選手)の数値と、リーグの「平均的な選手」の数値が提供されます。
【例】
リーグワンD1第9節 東京SG 対 S東京ベイ
ダミアン・マッケンジー(東京サントリーサンゴリアス)
30分のコンバージョンキック成功確率:62.8%
シーズンを通した、チームの得点期待値
シーズン中の全てのゴールキックデータ(過去データ)を元に算出される、チーム全体の得点期待値。特定のチームの得点期待値と、平均的なチームの得点期待値が提供されます。
【例】
リーグワンD1 2022年シーズン
東芝ブレイブルーパス東京
ゴールキックでの通算得点期待値:157.39点
シーズンを通した、選手の得点期待値
シーズン中の全てのゴールキックデータ(過去データ)を元に算出される、選手の得点期待値。特定の選手の得点期待値と、平均的な選手の得点期待値が提供されます。
【例】
リーグワンD1 2022年シーズン
田村優(横浜キヤノンイーグルス)
ゴールキックでの通算得点期待値:58.98点
データの活用
上記のような具体的な数値を表示することで、試合前の得点予想や、試合中の緊迫した状況での解説に、より説得力を持たせることができます。
▼放送内グラフィックでの活用例(2022年7月2日 オーストラリア対イングランド)
また、これらのデータを用いて、ゴールキックの成績を客観的に評価することもできます。先述の例だと、東芝ブレイブルーパス東京は2022年シーズンの得点期待値が157.39点でしたが、実際には、ゴールキックで172点を挙げました。つまり、平均的なチームよりも、シーズン通算14.61点分をゴールキックで上乗せしたと言えます。
この記事では、キックプレディクターについて解説しましたが、Stats Performでは、他にも多くのラグビー関連データを提供しています。
海外の事例などを含め、noteでも少しずつご紹介していく予定ですので、またチェックしていただければ幸いです。