Построить красивое/いいものを建てる(後編)

この動画は2021年7月19日公開のものだ。一年前の時点での内容であることによく注意していただきたい。動画のタイトルは『エミン・アガラロフ:バクーについて、ナルデゥイの負けについて、美しい人生と心理士への訪問』。(・・・)は筆者が聞き取れなかった部分。


続いては、エミンの父であるアラズ・アガラロフが語る『つくること』への考え方。

(1時間09分35秒)
アラズ)一番のお金持ちになりたいと思うことがありましたが、これは意味のないことです。(字幕:2021年、アラズ・アガラロフ氏はForbesロシアの最も富豪な実業家として100位にランクイン(200 richest businessmen in Russia)。資産は12億ドルとされる。)私は絶対にそうはならない。なぜならそれは100億単位でものを測るような全く異なる価値観だからです。私有化というものにも私は参加しませんから、そういったことをやる人々と競争するのは難しいです。
クセーニヤ)それではあなたにとって最も大切なものはなんですか?
ア)私は自分のやっていることで競争します。私は、私が建てたこの美しいモールがこれからもずっと残っていくと思っています。一方でこのモールでいったいいくら稼がれたのかは、時が経てば誰も思い出さないでしょう。例えば『アガラロフ村』があるなら、およそ1世紀という時間を経てそこにあり続けます。その村が存在することによってどれだけの価値を生んだかも、やはり同じように忘れ去られるのです。話は変わりますが、私には親しい友達がいました。クルバーノフといって、がんを患い50歳で莫大なお金を持ちながら亡くなりました。彼は90年代中頃の大富豪でした。彼がある時私を招いて、『聞いてくれ、私は今すぐに何かいいものを建てたいんだ』と言いました。私は『なんのために?あなたには家族もいるし、子どもたちにだって必要なものはなんでもあるのに』と尋ねました。すると彼は、『分かっていないな。君が建てたものはずっと残っていく。でも私の後にはお金しか残らないんだ。』と言いました。つまり一番のお金持ちでいようとすることと、私がやっていることは全くの別物なのです。
(1時間11分04秒)

『ЭМИН АГАЛАРОВ: про Баку, проигрыши в нарды, красивую жизнь и визиты к психологу』/YouTubeチャンネル『Осторожно: Собчак』より


最後に、エミンが最も力を入れて取り組む大きな都市開発計画について。

(1時間50分45秒)
ク)イーロン・マスクには凄すぎるアイデアがあります。火星への宇宙旅行です。あなたにも凄すぎるアイデアはありますか?
エ)私の場合には火星への宇宙旅行ではないです。私にとって最も重要で大きいアイデアは、一つの街を最後まで築き上げることです。
ク)『SEA BREEZE』ですね。
エ)そう、この街は必要なインフラ全てを含んでいます。病院、道路、 通信、建物、レストラン、海、波止場、お店とか、そういったものがなんでもある街です。このように、2キロに渡る街『SEA BREEZE』は実際に開発が始まっています。浜辺も新たに整備されて、たくさんの建設も始まっています。
ク)地図のこの部分は、もともとあった町ですね。少しアフガニスタン風に見えますけど(笑い)
エ)少しね(笑い)この場所の特徴は何かというと、カスピ海は20年、30年ごとに海岸の方へ迫ってきたり、しばらくするとまた引くんです。そのせいでこの海沿いの地域は湿地になり、みんな海岸の近くに何かを建てることを怖がっていました。つまり、また浸水してしまわないかと心配なのです。今私たちがいるこの場所、(・・・)ここも私が買ったあとに浸水してしまいました。しばらくして海が引くと、少しずつこの地域の区画を買う人が現れました。基本的には私が一番の主な買い手でしたから、それぞれの地主が私のところへやって来て土地を売ってくれました。
ク)また海が迫ってきて浸水することを心配していないのですか?
エ)私はそれを見越して海抜から5メートル土地をかさ上げしたんです。だからもし海が迫ってきても、建てたものは全て水の上にある計算です。
ク)水の都ベネチアのようになってしまわないですか?
エ)そうはなりません、いくつかの堤防を海の中に建設して、その間を砂で埋め立てたらいいのです。私は海岸建設の専門家を雇いました。彼らはカナダ人で、世界的にもこの分野に精通した人たちです。彼らはカスピ海の130年の歴史から検証を始め、今後10-15年のうちに海は後退していくと予測しています。
ク)つまり順調に建設を進めていくうちに、問題も自然となくなっていくということですね。
エ)いずれにしても海抜から5メートルのかさ上げは十分な高さです。例えば地面が5メートル下がるとすると、海岸だけでなくバクーの街半分が浸水することになりますから。5メートルのかさ上げは真面目な対策なんです。
(1時間52分38秒)

『ЭМИН АГАЛАРОВ: про Баку, проигрыши в нарды, красивую жизнь и визиты к психологу』/YouTubeチャンネル『Осторожно: Собчак』より

~『SEA BREEZE』散策の様子~

(1時間54分44秒)
ク)ここに立つと、あなたは自分の王国の王様のような気分でしょう?
エ)そうですね、まだ建設は続いていますがこれからももっと建設が続くことを願っています。
ク)夢がどんどん現実になるのを感じていますか?
エ)全くその通りです。一番大事なのは、思い描いたものがしっかりと出来上がることです。そうなれば気持ちがいい。
ク)最後まで完成させて、もう夢がなくなってしまうのを心配していませんか?
エ)もし最後まで完成させたら、その頃にはすでに何か新しいことを思いついていると思います。
(終了)

『ЭМИН АГАЛАРОВ: про Баку, проигрыши в нарды, красивую жизнь и визиты к психологу』/YouTubeチャンネル『Осторожно: Собчак』より




今回の記事テーマ『いいものを建てる』とは関係がないが、記事の結びとしてこのような会話のやり取りもあったのでご紹介することにする。

(3分41秒)
クセーニア)4歳までバクーに住んでいて、その後モスクワへ学びに行き、その後アメリカへと。
エミン)その後スイスへ。12歳の時スイスへ行かされて、15歳の時はアメリカにいました。
ク)自分は最もどこの人間らしいと感じていますか?ロシア人、アゼルバイジャン人、アメリカ人、スイス人、あるいはグローバルな人間とか。
エ)私は自分自身を、ロシアに住みロシアを愛するアゼルバイジャン人だと感じています。ですから今の私はアメリカ人だとは思っていませんし、私が生まれたのがソ連であるということからも、当時は一つの国でしたから、私のなかでは具体的な国境線は感じていません。なにしろ私はずっとモスクワとバクーの間を飛び回っていますから、2週間こっち、2週間あっち、という生活です。
(4分20秒)

『ЭМИН АГАЛАРОВ: про Баку, проигрыши в нарды, красивую жизнь и визиты к психологу』/YouTubeチャンネル『Осторожно: Собчак』より

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?