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新Vリーグ、チーム撤退問題はなぜ起きたか?
(2024/1/29) トヨタ自動車サンホークスのホームタウンを勘違いして書いておりましたので、当該箇所の修正を行いました。
恐れていたことが起きてしまいそうです。SVリーグ構想の成功には下部リーグの充実が欠かせないと別の記事で書きましたが、うまくいっていないようです。チームはどんどん増やしていくべきなのに減ってしまうかもしれないとは…
今回はこの問題がなぜ起きたのかを考えてみたいと思います。
複数チームの資本が同じであることが問題ではない
まず前提として、海外の強豪クラブでは複数のチームを持つのは常識です。現行Vリーグでも新SV・Vリーグでも、サッカーなんかでも基本的に考え方の原則は同じです。欧州サッカーだと、下位リーグにいたBチームが調子良すぎて昇格してしまい、昇格を辞退して別のチームが棚ぼた昇格なんてニュースよくありますよね。
同一資本が複数のチームを持つのは全く問題ない
ただし同じディビジョン内に同一資本のチームを所属させられない
上記が基本線となります。新SV・Vリーグだと以下のようになります。
クラブが複数のトップチームを保有しチーム毎に V リーグまたは SV リーグへ参加を希望するとき、クラブは夫々のチームと紐づけしてクラブライセンスの申請を行わなければならない。このとき JVL は同一クラブに対して対象チームと紐づけした異なるクラブライセンスを交付することができるものとする。
つまり「SVとV」のように異なるリーグにそれぞれ参戦するのであれば、オーナーが同じであってもOKということです。要は直接対決がなければいいということです。実はこれは現行Vリーグと全く同じルールです。ではなぜ今問題が起きているのでしょうか?
新SV・Vリーグの昇降格がない構造が原因
問題が起きた原因は「SV」と「V」をはっきり切り分けて行き来できなくしたことです。これにより参戦するリーグが重複してしまった時に、逃げる場所がなくなってしまったのです。以下の図にまとめました。
![](https://assets.st-note.com/img/1706350126128-AAnWwfykls.png?width=1200)
図に示したように、現行Vリーグではチームの参戦できる可能性があるリーグが3つあり、同じ資本のチームでも共存できました。共存できなくなるケースは両チームとも最下位リーグになってしまった時だけです。その意味で、リーグの構造は横に広いより縦に長いほうがいいことがわかりますね。イタリアだとSuperLega・セリエA2・A3・B・C・D・地方1部・2部・3部とあります。懐の深さが全然違いますね。
一方で新SV・VリーグではSVとVの行き来はありません。さらに新Vリーグの構造も変わります。これまでのように縦関係ではなく、横一列に2〜3地区(想定される参戦チーム数を考えるとおそらく東西2地区)に分けてリーグ戦を行うカンファレンス制に移行します。これにより、同一資本チームが共存するためには「SVとVに1チームずつ」というパターンしかないという状況になってしまいました。
ただしこの状況はチーム・リーグどちらも認識していたと思われるので、リーグ側は「どちらかがSVに申請してくれないかな」とか「クラブ化してくれないかな」とか期待していたんでしょうか?
22-23シーズンに例外を認めたことも問題に
両チームが22-23年シーズンにV2の同じリーグで戦った際にもVリーグ関係者によるとこの時は交付規則に抵触していることの指摘はなかったそう
ニュース記事にもあるように過去例外的に両チームが同一リーグに参戦していたことも問題になっています。これによりチーム側は、前例があるから大丈夫だろうと考えてしまった部分はあると思います。
解決策は?
結論から言うと、最近のリーグ関係者の発言から考えて以下の解決策が取られることはなく、報道通り「どちらか・両方リーグ離脱」として決着すると思われます。期日は1月末となっていますからね。今からではどうしようもないでしょう。
なので解決策を示しても無駄なのですが、文句ばかり言って対案を示さないと言うのは個人的に気持ち悪いので一応書いておきます。
どちらかを西リーグに所属させる
簡単なのは、両チームを東西に振り分けて直接対決をなくすことです。またそもそも新Vは「地区に分かれても全体で1リーグである」という建前なので「地区が違っても同一資本はダメ」という考えをリーグが譲るかどうかが問題になります。
新V2をつくる
新Vリーグにも1部2部といった縦関係があれば、共存できるはずです。ただ縦関係+横関係(地区)で分けると細かすぎてしまい、1リーグの所属チームが少なくなってしまうので、カンファレンス制はあきらめざるを得ないでしょう。下位リーグを地区別にするのは遠征費等のリーグ負担を圧縮するためだと思われるので、リーグとしてはカンファレンス制をあきらめることはできないでしょう。
大幅に新リーグ構想を見直す
これは一番可能性が低いと思われますが、こんなのいいなあと妄想しています。
結局どうなる?
おそらくどちらかのチームの選手・社員が部分出向的な形でもう一方のチームに合流して合併チームになるんじゃないかなあと思います。さすがに廃部にして選手が引退に追い込まれることは避けて欲しい…
もうひとつの可能性は独立リーグを新設してそっちに参戦することです。女子の方はすでにニュースが出ていましたが、男子の方もやりますか?やって欲しいなあ。何ならSVより人気出ちゃったりして、見返して欲しいなあ🙃
まとめ
新SV・Vリーグ化によりリーグの構造が変わり、同一資本のチームが共存しづらい状況になっているというお話でした。
いいかげんファンとしてはリーグの心配とかせずに試合観戦に集中したいぞ!
Enjoy volleyball !!