転職通じて失われたものと得たもの
薬剤師というキャリアの中で
何度か転職を繰り返してきた自分が
今改めて振り返ることで思うことがあり綴っています。
転職=キャリアUPと言われがちだが・・
薬剤師という職業は
実に転職率の高い職種として有名です。
以前、読んだ業界誌の記事には
「2年以内の転職率はなんと70%超!」
とありました!
すんごい多い💦
記事を読んだその当時の自分は
転職未経験の身でしたが、
キャリアと転職を重ねた
今の自分にとってみれば
その記事に偽りはなかったなと思います。
というのも
周りの大抵の人は
「数回転職しているよ!」
なんてのは、ザラなんですもの。
薬剤師の転職は他の職種と少し異なり、
資格優先で採用されることがほとんどです。
故に、
「薬剤師の免許がある」
ということが第一優先で
不足している田舎や地域ほど
好条件ですぐに職が決まります。
転職斡旋サイトなどでも
「好条件!キャリアUP!」
このような文句がたくさん
並んでいるというのがその証でしょう。
実際、自分もキャリアUP重視で
転職したケースもありましたからね。
ただ、
キャリア重視で他を考えていなかった自分は
結果的自身の健康を犠牲にしてしまいました。
徐々にむしばまれる体調・・・
転職をすると誰しもが経験するのは
「環境の変化」です。
いくら条件が良いからといっても
実際の環境で働いてみなければ
自分に合うかどうかなんてわかりません。
若かった自分は、
キャリアUP重視で多少のことは気にしない。
「なんとかなるだろう」
「これまでもやってきたんだし」
そんな意気込みで威勢たっぷりでしたが、
劣悪な環境では
体と心がついてきませんでした。
原因は
・好条件であっても人間関係が悪い。
・組織風土が良くない。
・いじめ、嫌がらせがある。
・上司が無能。
こんな劣悪な環境では、
たとえどんなに自分が
頑張っていたとも耐えられませんでしたね。
心と体は正直です。
徐々に体調がむしばまれていきました。
転職以前の会社では
仲間思いのメンバーで
チーム力も高く
組織風土も良かったですから
まさか薬剤師をしながら
そんな環境の壁にぶち当たるなんて
微塵にも思っていませんでした。
心と身体は受け付けず
・蕁麻疹が出る
・休日はやる気が起きない
・何も手につかず意欲が湧かない
いわゆる抑うつ状態のようなものが
現れていたわけです。
加えて
勤務時間も長く疲労も溜まる一方。
それまでの車通勤で広い店舗
へ勤務していた環境から一変
・長時間立ちっぱなしの狭い店舗
・車ではなく徒歩通勤
・満員電車地獄
さらに田舎から都市部へでたため
住居と食生活環境も変化。
空気も綺麗で住み慣れた地元から
・都市部ど真ん中で騒音&排気ガスで澱む空
・コンビニとファストフードランチの毎日
・夕飯も休日も外食ざんまい
・水すら買う日々。
・シャワーも肌に合わない。
特に食生活に至っては激変しました。
元々筋トレして食事管理は徹底していたため
よく自炊も行い、食材を選んで調理し
栄養バランスも考えて摂取してました。
でも
心も身体もダメージを負っていくうちに
自炊をする気力もなくなり、
とにかく何かを食べることで精一杯。
引越しの時に買った新品の炊飯器は
結局、再度転職するまで
1度も開封することはありませんでした。
あれだけ好きで長年続けていた筋トレすらも
数ヶ月間1度も行けないくらいに
メタメタにやられていた
のを覚えています。。
キャリアよりも健康、健康、健康。
心も身体も壊すことになってしまった転職は
結果として大失敗でしたが、
自分の健康についてはより意識が向くようになりました。
やはり失ってから気がつくのでは遅い。
日々、患者と接する中で
普通の人より病気になった人をみています。
その病気がどう進展するのかも知っています。
故にいかに健康が大切なのかもわかっています。
ですが、
それでも
自分が望まず、思いもよらずに
健康を失うことになって
改めて
健康であることの尊さと重要性を
再認識させられました。
「健康」はつくり、同時に保つもの。
健康でなければ、何もできないし楽しくもない。
健康じゃないと、生き生き若くもいられない。
健康はほっといても得られるものではない。
健康は積極的に獲得して保ち続けないといけないもの。
40代手前にして、
その事実に気がつけたことは
転職を失敗して得たものとして
非常に大きかったなーと今では思っています。
健康のために始めた中医学
筋トレも食事もそれなりにきちんとしていた20〜30代。
同年代が、ハゲデブしていく中
体型も維持してましたから
それなりに自信はありました。
でも
そんな自分であっても
劣悪な環境変化には
結局は負けてしまいました。
ですから
「改めてきちんと学び直さなくては行けないなぁ」
と思い出会ったのが、中医学です。
元々食事管理の一環で、
薬膳分野には興味があり学んでいましたから
漢方へ自然と意識が向いたのはラッキーでした。
薬剤師にも漢方認定薬剤師という
認定資格があるのですが、
「より本場で難易度の高い専門分野の方がいいだろう」
と思って国際中医師の学習を開始しました。
40代からは、年齢変化と健康維持が課題
国際中医師の受験過程では
例のパンデミックもあり
紆余曲折を経ましたが
なんとか数年をかけて
無事に合格することができました。
40代からは、薬剤師✖️国際中医師 です。
昔ほど、重量も上がらず
関節痛もひどくて頻度も落ちている筋トレ。
そのせいで、痩せにくくなる身体。
成長ホルモンも減って
生え際も気になる40代。
それでも、まだまだ健康維持はできている。
それは中医学を学んだ成果。
今後はこの状態を
10、20年先も維持継続していきたい
そして自分だけではなく
今携わっている患者さんや
同世代の方々へ
健康の大切さを伝えていきたい。
そんな気持ちでいっぱいの今日このごろです。