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ファミリーオフィス:メキシコのスタートアップエコシステムにおける重要なプレーヤー
日本でスタートアップ業界に関わるプレーヤーといえば、起業家を始め、ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家、コーポレートベンチャーキャピタル、アクセラレーター、大学発のファンド、なんかが思い浮かぶと思います。
でも、ここ、メキシコにおいてはファミリーオフィスも重要なプレーヤーの一つです。
ファミリーオフィスってそもそも何?
でも、ファミリーオフィスって日本ではあまり聞きなれない言葉のような気がします。
ファミリーオフィスとは、「裕福な家族の投資管理と資産管理を扱う非公開会社」です。
前の記事でも触れましたが、メキシコに限らず中南米は本当に格差が大きい。大半の人は貧しいですが、一部の人は大金持ちです。彼らが、一族の資産を管理する為、また、さらに増やす為に投資をするために会社をつくってるんですね。
メキシコにもそんなファミリーオフィスがたくさんあります。彼らは自分たちが興味のある事業に投資したりしています。そして、近年彼らが興味を持っているのがスタートアップへの投資です。
ファミリーオフィスのスタートアップ投資
ファミリーオフィスは、非公開会社であるため、多くのステークホルダーのコンセンサスを得ることなく、自分たちの興味、関心のあるエリアに積極的に投資をすることができます。
そして、この野村総研のレポートにもあるように、彼らはリスクをとることを厭いません。多少リスクがあっても、自分たちのアイデアや哲学に合致していれば積極的に投資をするんですね。
メキシコの大富豪、カルロス・スリム・ヘル氏は教育や医療、芸術など幅広い分野に対する慈善事業にお金を使っていることでも有名です。これも、彼のファミリーオフィスを通じた活動と予想されます。(ファミリーオフィスの詳細は非公開なことが多い)
他のファミリーオフィスも、多少リスクのあるスタートアップにも積極的に投資を行います。
ファミリーオフィスの存在感は世界中で増大
そして、このファミリーオフィスの存在感は世界中で増大しています。このレポートにもあるように、ファミリーオフィス市場の成長は続いています。
世界の富裕層はどんどんこのファミリーオフィスを通じて新しい事業に投資しているんですね。
一部の富裕層が世界の富の多くを握っている現状に関して議論の余地はありますが、富裕層が貧困削減や環境問題対策、医療や福祉、教育に投資をしてくれるのは悪い話ではないはずです。 (この、格差問題に関してはどこか別の記事で詳細に論じたいと思っています)
(補:日本にも富裕層の資産管理会社はあるので、それはファミリーオフィスと同じという認識です。でも日本においては彼らがまだ積極的にスタートアップ投資には動いていない、というところが違いかもしれません。一部、エンジェルとして資金を提供したりはしていると思います。)
こうやっていろんなプレーヤーと協力しながらメキシコのスタートアップ業界を盛り上げられたらと思っています。
いくつかの個別のファミリーオフィスとも話したりしていますので、今後随時紹介していければとおもっています!
注)本記事はJICAの公式見解ではなく、専門家個人の見解、所管です