トレンドが起こすスタートアップのジレンマ:手段が目的化しないためには
Xでこの投稿が流れてきて、我慢できずコメントしていました。
今から5年前くらい、ありとあらゆるものにtechをつけるといった急激な盛り上がりがあり、〇〇techごとのイベントが盛んに行われるなど、祭りのような状態でした。
私もその時代のど真ん中を生きてきたように思います。ソフトとハードを組み合わせたサービスであり、データから導き出すソリューションが、比較的最先端を想起しやすいポジションだったということもあったということもあります。
その時代の異様な盛り上がりとその後の盛り下がりも経験してきた私が、自戒も込めて胸に刻んでいるのがこちらです。
トレンドに流されず、顧客の課題に向き合い続けること。
顧客の評価にフォーカスし続けること。
当たり前のことを言っていると思われるかもしれません。でもこれが本当に難しいことなんです。
急激なトレンドが出てくると、ありとあらゆる関係者(そのトレンドの本質はわかっていない人が大半)から、「御社はまだやってないんですか?」と聞かれまくります。
周りではトレンドを取り込んで一気に注目を集める会社も出てきます。その様子を見ていたら、「うちはやらなくていいんだっけ…」や「PRやマーケ観点で…」という理由のもと、そこにリソースをかけ顧客不在で走りはじめます。
一方でそう走りはじめることで、外部からの評価は高まっていきます。メディアに取り上げられ、イベントにも呼ばれるようになります。その効果で一時的に売上が上がったり、アライアンス依頼なども殺到します。そして、その状態になることが、評価されていると捉えていくようになります。
そして…
トレンドには必ず終わりがきます。
その時点では、もはやドップリ浸かってしまっているので、忍び寄る影に気づき抜け出すのはとても難しいです。
今振り返ると、綻びは少しずつ見えていたように思います。
売上が上がっても継続されていないよね…
結局お客さんの不満は解消できていないよね…
評価してくれるのは顧客ではない人ばかりだよね…
でも、今さら立ち止まることはできないし、組織も作っちゃってるし、外部からの評価も大切だしという気持ちで蓋をしていました。
私はこの時の経験があるので、トレンドが来たときには自分の理解のために飛びついて興奮する一方で(もともと新しいものはまずやってみようと思うタイプです)
待てよ、これは顧客の課題を解決するのに役立つのか?と頭の中で呪文のように唱えるようにしています。
皆さんはいかがでしょうか。
やろうとしていることが、本来手段なはずなのに目的化していませんか?
トレンドに流されず、フォーカスすべきことに取り組んでいきましょう!
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