大型売却、小型売却の違い。認識しておくべきこと。
お世話になります。スタートアップスクエア株式会社の恵島です。いつもTwitterでは毎日自身の経験に基づいた出口戦略・経営論を発信しております。
本日は以前クローズドで開催したセミナーの解説を書きました。
テーマは『大型売却、小型売却の違い。認識しておくべきこと。』
です。
以下、9000文字強の書き起こしと25分強の動画になります。
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■動画
ここで言う大型売却とは15億円程度の規模感、小型売却とは1~1.5億円程度の規模感を指しています。
まずは、大型売却を話した上で、その後に大型売却との差分が分かるように小型売却についてお話させていただきます。
1.大型売却のスケジュール感
大型売却を進めていた時の当時の私の会社は、年商が20億円、営業利益が1.7億円でした。
これで移動資金が15億円、株式価値だと12億円になります。
これくらいのディールになると私の場合だと10ヶ月かかりました。
一般的にもこれくらいの期間はかかると思います。
流れとしては、まずは2ヶ月くらいで、ファイナンシャルアドバイザーを探します。
次に3ヶ月くらいで、買い手の候補企業を300社リストアップ及びアプローチをして、アプローチした結果1社に絞り基本的な金額を決めるところまでします。
ファイナンシャルアドバイザーを探し始めてから1社に絞り基本的な金額を決めるところまで、適正期間は5ヶ月くらいだと思いますが、このディールは私にとっては初めてのM&A売却だったので、当時は勉強しながら慎重に進めました。
そのため、実際にファイナンシャルアドバイザーを探し出す前や買い手候補企業のリストアップを始める前の準備期間が合計2ヶ月程度ありましたね。
2回目以降のM&A売却では、この準備期間は不要になったのでもう少しスピード感を持って進められています。
売却先を1社に絞り金額も決定して、一通りディールが終わった後にファイナンシャルアドバイザーと相談をしたところ、売却については決算を跨いでから社内周知をしたほうが従業員にとっては良さそうだと言うことになりました。
そのため、ディールが終わってから売却の社内周知まで3ヶ月くらいありました。
これで、2ヶ月(ファイナンシャルアドバイザーを探す期間)+3ヶ月(買い手の候補企業のリストアップ及びアプローチをして、1社に絞り基本的な金額の合意までをする期間)+2ヶ月(準備期間)+3ヶ月(社内周知までの期間)で合計10ヶ月ですね。
ただ、これ見ていただくと分かる通り、実働しているのは「準備期間」と「社内周知」までの期間を除いた5ヶ月ぐらいなんです。
2.具体的な売り手候補のアプローチ先
10億円超える規模のディールになると、買い手候補としてアプローチする300社もほぼ上場企業になります。
IT系の上場企業には全てアプローチしたという感じでしょうか。あとは、ファンドや海外に精通している会社に数社に対してアプローチをしました。
300社にアプローチをして具体的に10億円を終えてきたのが3社でした。
買い手候補の集め方としては、自社の売上や利益を公開して手を挙げていただくことで300社集めました。
そこから基本合意に持っていく会社を10社くらいに絞り、それらの会社には10億円規模での売却を考えていることを伝えます。
そこからさらに希望条件により精査していく流れです。
3.どのようなファイナンシャルアドバイザーに依頼をしたか?
私が当時ファイナンシャルアドバイザーとして選んだ会社は、独立系の会社でした。
他にも上場企業の会社もありましたが、私は社長が自ら動いてくれるような会社を選びました。
その人は、元々日本M&Aセンターの立ち上げの頃から顧問をやっていた人で、日本M&Aセンターのネットワークを使って個人が動くようなファイナンシャルアドバイザーの方でした。
当時、2017年頃はファイナンシャルアドバイザーと言う職種はそこまでメジャーではありませんでした。
どうしてもM&Aと言えばM&A仲介のイメージが強く、一般的にM&A仲介とファイナルシャルアドバイザーの区別がつくようになったのが、ここ2年くらいではないでしょうか。
この区別がつくようになったのは、M&A BANKさん(M&A企業の合併・買収に関する様々な情報を発信している情報サイト)が情報発信をしてくれていることも関係していると思いますね。
M&A BANKさんの大きな功績だと思います。
これくらいの規模感になると、ファイナンシャルアドバイザーへのM&A売却による成功報酬が5000万円ぐらいになります。
加えて、成功報酬とは別にリテイナーフィーと呼ばれる定額顧問料や、イニシャルコストとして500万円くらいが発生します。
それに対して、彼らが実際に動いているのは3ヶ月くらいです。
なので彼らにとってもなかなか良い案件と言える規模感のディールだと思います。
ファイナンシャルアドバイザーにとっても良い案件だと思っていたので、彼らも必死になってやってくれるだろうという感覚がありました。
実際に社長の方が自らいろいろ動いてやってくれました。
4.恵島さんがM&Aの実務部分をやっていたのか?
私の会社には管理部長もいたので、私はほぼM&A売却関する実務はすることはありませんでした。
実務はせずに毎日18時にその日の報告を受けて、必要であれば意思決定をする立場でM&A売却のプロセスを進めました。
現在アプローチしている会社やその会社とのコミュニケーションの状況など進捗の報告ですね。
私としては、ディールが滑る可能性もゼロではないと考えていたので、M&A売却に関する実務は管理部長に任せて、私は経営の実務の方をしていました。
万が一、ディールが滑っても会社の売上や利益曲線が変わらないように、私と管理部長で役割分担をして進めていました。
M&A売却の実務に集中してくれる管理部長の存在がいたこと、ファイナンシャルアドバイザーがとても優秀な人だったこともあり、ディール期間が延びることも起こらずに10ヶ月くらいで終わらせることができました。
先程も少し触れた通り、10億円を超える規模のディールになると、ファイナンシャルアドバイザーであろうが、仲介のエージェントであろうが、彼らに入る金額がとても大きいです。
1人の人間がかけている時間は300時間くらいに対して、成功報酬額のみで5000万円くらいの粗利益が入ります。
ディールが失敗すれば成功報酬額がゼロになるので、失敗すればお金が入ってこないんですけど、上手くやればとても利益率が高いビジネスですね。
彼らは私の会社のM&A売却を成功させるために時間をかけたら、かけた分だけ、サンクコストが積み上がるんですよ。
後少しで決まるのに、ここでディールブレイクしてしまったら、「今までの苦労はなんだったんだ」となりますから。
彼らとしては5000万円入ってくると言う期待値でいるので、そのために確実にM&A売却を成功させてくるという丁寧さを感じました。
また、彼らは1件決まれば、半年間何も仕事をしなくても良いというそんな世界だと思います。
一流の人たちが必死になってやってくれたことはとても有難かったですね。
5.ファイナンシャルアドバイザーの有り難みはどのような時に感じたか?
いろいろ助けていただきましたが、私が特に印象に残っているのが精神的なケアでしょうか。
経営者として、10ヶ月もの間、10億円がかかっているディールを続けていると精神的に非常にしんどい部分があります。
10億円がかかっているしんどい気持ち・不安な気持ち、家族や会社の従業員に言えない状況にも関わらず普段通り接しなくてはいけないモヤモヤした気持ちなどです。
特に「ディールが失敗したらどうしよう」という不安な気持ちは辛かったですね。
自分ではコントロールできない部分で成否が分かれることもあると分かっていたので、自分のコントロール範囲外でネガティブな事象が起こったらどうしようと考えてしまうんです。
考えないようにしていても、頭の片隅では考えてしまうんですよね。
そして、考えると精神的に辛くなるという悪循環。
そこの経営者の心理もしっかりと理解した上で、ケアをしていただいたのでとても助かりました。
ファイナンシャルアドバイザーとしては、経営者が「やっぱり怖くなったからM&A売却を止める」と言われることを避けたいという気持ちがあるはずなんです。
実際に経営者が「やっぱりM&Aを止める」と言うケースはあるので。
「誰でもがそのような心理になりますよ」「それは誰でも通る道です」などと親身になって声かけしてくれたことはとても印象に残っています。
それがあっても精神的にしんどかったんですけど、ファイナンシャルアドバイザーの方のそのような声かけがあったから乗り越えられたと思います。
6.M&A売却が終わるまで周りに言えないもどかしさはあったのではないか?
もどかしさがありましたね。
私が個人的に気を付けたことは、M&A売却が成功して入金されるまで嫁や子供には言わないようにしようなど、自分の中で決め事は作っていました。
素人であればあるほど良い期待をしてしまうと思うからです。
例えば、家が売れれば3000万円入ってくると言う期待値の状態で、2500万円で売れてしまった時、ショックを受けてしまうと思うんですよ。
期待値を下回っているわけなので。
ちゃんと知識がある人であれば、市況感的に「仕方ないね」となると思うんですが、知識がないと「3000万円って言っていたのに、あなた500万円どうしたの?」と言われてしまうことが多いと思います。
なので、入金されるまで言わないことは自分の中で決めていました。
自分の中では入金されるまでは無いお金でもあるし、事業をしている身なので、M&A売却に協力してくれている人たち、会社の従業員たちにも失礼がないように、自分は事業に集中すると決めていました。
会社の従業員には、もちろん言えないしです、バレてもいけないですね。
そちらはもどかしさというより、「後ろめたい」の方が適切な表現かもしれないです。
100人いた従業員のうちトップ5人の株を持っている人たちには全てを伝えている状況ではありましたが、それ以外の人たちには言えないわけで、相変わらず自分とは親しい関係性なんですよ。
テニス行ったりゴルフ行ったりしている中で、この人たちは最後にはどのような気持ちで売却の話を聞くのかなとモヤモヤしている期間は長かったですね。
7.売却金額は一度決まると確定になるのか?
実は売却金額が決まった後もいろいろありました。
最終的には株式価値が12億円で決着したんですが、元々は株式価値が15億円だったんです。
移動金額18億円の株式価値15億円が、最初のオファーでした。
買い手側も少しでも安く買いたいので、弊社のことを調べ尽くすんです。
「これデューデリジェンスで言われていた数値と少し違いますね」「恵島さん、資産管理会社に1億円持っていますよね?これ自分で持っていくのだから企業価値に入らないですよ」などいろいろ言われました。
ディスカウントの交渉をされて、買い手側からいろいろな根拠となる情報を提示されます。
それに対して、ファイナンシャルアドバイザーと管理部長と相談をして、正当性のある交渉だと判断して何度かディスカウントを受け入れました。
結果的に最初のオファーから3億円はディスカウントされています。
その時の私のディールは特別で、一度売却をしてから、MBOで再投資をしてさらにバリューアップしてから二度目の売却を考えていました。
そのため、15億円の売却額が12億円になってしまっても、次の売却時にバリューアップできれば良いなと考えていたんですが、さらにディスカウントされて売却額がどんどん下がったらどうしようという心配は付き纏いましたね。
8.ディスカウントをされたら、仕切り直そうとは思わなかったか?
3億円もディスカウントされたら他の売り先を探せばいいのではないか?と思われる方も多いと思いますが、それが構造的になかなかできないんです。
10億円を超える規模の案件が、ディールの基本合意までして破棄(=ディールブレイク)をされたと言うことは、恵島良太郎は最後まで決められない人というレピュテーションになってしまいます。
これはメインのファイナンシャルアドバイザーとは別に、知人のファイナンシャルアドバイザーにセカンドオピニオンとして入ってもらって、聞いた話です。
中にはディールブレイクを続ける人がいます。
一回破棄した人は、その後も破棄することが多いんですよね。
破棄をすることのデメリットは、1回目より良いファイナンシャルアドバイザーに巡り会える可能性が低いことです。
そもそも10億円を超える規模のディールのコンサルティングに入れるファイナンシャルアドバイザーは限られています。
ただでさえ数が限られている上に、一度ディールブレイクをした経験があれば、「コンサルティングに入ってもディールブレイクされるかもしれない」という懸念から、手を挙げてくれるファイナンシャルアドバイザーは少なくなります。
また、3億円ディスカウントされているので、ディスカウントされた金額に3億円加算された金額で買ってくれる先を探す必要がありますが、一度300社にアプローチをしているわけです。
再度、アプローチ先を選定すると言っても、アプローチ先は絞られるだろうし、絞られたアプローチ先から+3億円で買ってくれるところを見つけるのも難しい可能性が高そうだと判断しました。
このような理由もあり、ディールブレイクはなかなかできないですね。
あとは自分の性格も関係していると思います。
当時は、5億円以上は自分では使わないお金だと考えていたんです。
そんなに散財するタイプでも無いですし、自分は生涯で5億円くらいしか使わないタイプだと思っていたので、それであれば3億円をディスカウントされてもディールブレイクをしてやり直すほどではないかなとも思いましたね。
M&A売却における基本合意の破棄はやろうとすればやれるが、やることが本当に良いのかと考えると、そうでもないと言うのが実情でしょうか。
そのため、仕方ない意思決定だったのかなと思いますね。
9.大型売却と小型売却ではどのような差分があるか?
ここでは1~1.5億円くらいの案件を小型売却と呼びます。
これくらいの規模感だと、そもそも売却額が低く、それに伴い手数料も低くなるので基本的にはファイナンシャルアドバイザーはつきません。
仲介であればつくかもしれないな、という印象です。
結論、私はこの小型売却を自分でやって大失敗をしました。
M&A売却のプロセスは大体知っているし、仲介に手数料支払うくらいなら自分でやってしまおうと思ったんですね。
まず、大型の売却との違いを話します。
一般論として買い手候補となる企業がすごく減ります。
手を挙げてくれる会社が10社くらいになると思います。
厳密に言うと、買い手候補となるような企業にリーチができると手を挙げてくれるとは思いますが、そのためにプラットフォームを使うと手数料を支払う必要が出てきます。
しかし、売却額1~1.5億円となると、手数料を支払ってしまうと自分の取り分が少なくなってしまうので、極力使いたくない。
そう考えると、リーチができて、その結果手を挙げてくれる会社は少なくなると思います。
また、大型売却との違いをもう一つ。
優秀なファイナンシャルアドバイザーと繋がることが難しいです。
1億円でも10億円強の売却でも期間だと3ヶ月、工数だと500時間はかかります。
同じ時間をかけて成功報酬が5000万円のディールと、500万円のディールなら、普通に考えてプロフェッショナルのファイナンシャルアドバイザーが500万円のディールを選ぶことはないですよね。
仮に手を挙げてくれる人がいたとしても、まともな人と繋がることは難しい可能性が高いです。
10.どれくらいの規模のディールからファイナンシャルアドバイザーや仲介が入ってくるか?
ファイナンシャルアドバイザーだと売却金額が5億円くらいでしょうか。
今は1人の人間が組織ではなく個人として動いてくれるケースも増えてきているので、その人たちの目線だと3億円くらいの印象です。
ウィルゲートさんが2~3億円でやっているイメージがあります。
ウィルゲートさんはご存知の通り、ソーシャルセリングでのリード獲得に注力しています。
リード獲得のコストが低いので、売却金額が低いリードでも粗利益を確保できているんだと思います。
また、大手と比較して費用構造が異なるというのは、リード獲得のコスト以外でも見られます。
日本を代表するM&Aの会社である日本M&AセンターさんやM&Aキャピタルパートナーズさんはオフィスの坪単価も非常に高いですし、社員の平均年収もずば抜けて高いです。
ウィルゲートさんは、低コストを構造的に実現することで2~3億円程度の売却もサポートできるような仕組みを作っています。
11.ファイナンシャルアドバイザー不在で起きるデメリットは?
大前提として、M&Aは情報の非対称性が非常に大きいです。
一般的に会社を売る側は、一生に一回あるかないかのイベントです。
しかし、買い手は複数回M&Aの経験をしているケースが多いです。
買い手になる会社は資本力のある会社で、そのような会社はM&Aをすることで拡大する戦略を取るケースは珍しくないですからね。
そのため、ファイナンシャルアドバイザーがいないと、いろいろなミスが起こります。
いろいろな勘違いもあるでしょうし、いろいろなディスカウントをするためのテクニックもあります。
複数回のM&Aを経験した買い手は安く会社を買うためのテクニックにとても詳しいです。
初めてのM&Aでファイナンシャルアドバイザーを挟まなかったら、安く買い叩かれてしまうことがどうしても多くなります。
おそらく仲介のエージェントを使って売った会社もおそらく買い叩かれているケースが多いと思います。
これはM&A売却における仲介エージェントへのお金の流れを見ればよく分かります。
仲介エージェントは、売り手と買い手がいて、両方から手数料が入る構造になっています。
そして、仲介エージェントにとって、長く付き合うことになる顧客は間違いなく買い手になるはずです。
買い手を満足させられるディールをした方が、次のM&Aの仕事をもらうことができますから、経済合理性的に見ると正しいんです。
そこで、買い手が満足するディールとは何か?と考えると、本来5億円のものを4億円で買えたという場合に買い手は満足をするはずなんです。
ということは売り手は適正価格より下がって会社を売却しているはずです。
そして、売却した側の人に「自分の会社の適正価格を知っていましたか?」と聞くと、「ディールが終わったからそんなことは把握していない」と答えることは多いのです。
自分の会社が買い叩かれていることさえ認識していないことがほとんどです。
なので、本当は10億円で売れたのに7億円で売れたという会話自体が出てこないんです。
また、認知的不協和とも言いますが、高額なコストを支払うほど、人は自分がやったことが正しいことだと思いたい性質を持っています。
それもあって、俺M&Aで失敗したんだよねと言う人は少なくて、「自分のM&Aは成功した。これで良かったんだ」と思いたいんですし、周りに言いたいんだと思います。
でも、買い叩かれたことは、仲介エージェント側は把握しているはずなんですよ。
10億円くらいが適正価格だったのに、社長さんは7億円で手放してくれた。良かった。そんな心境なんだと思います。
このような構造的な問題もありますので、ファイナンシャルアドバイザー(売り手側についた仲介人)が重要ということです。
12.小型売却での失敗談
ここからは私が小型売却を自分でして失敗した事例をお話しします。
3件目のM&A売却で金額は1億円でした。
買い手からは「1億円支払うから、株式売却でも事業譲渡でも恵島さんどちらでもいいよ」と言われていました。
私としては既に海外に住んでいたので、会社を箱として残したいという気持ちがありました。また、累損も1億円くらいつけられそうだったので、事業譲渡にしました。
事業譲渡をした後に気が付いたことなのですが、事業譲渡にするとその会社の持っている借入を一括返済をしなくてはいけないと言うルールがあります。
金融の人から見れば当たり前のことなんですが、自分でM&A売却を進めていたので、考慮すべき事項として抜け漏れてしまったんです。
当時、会社には1.2億円の借入がありました。
その金額で海外展開をしていたので、大きな負債がありました。
そして、借入金の一括返済だけではなく、事業譲渡をすると消費税は後払いになるんです。
4分割の後払いで、自分が事業をやっていた時の消費税を1年間かけて払わないといけないと言う決まりがあります。
株式売却をしていれば、負債も消費税も買い手持ちになるはずなのですが、事業譲渡にしたことによりキャッシュポイントが無くなったにも関わらず、3ヶ月に一回300万円くらい引き落としをされることになりました。
13.事業譲渡を選んだ理由は?
会社を残すことで、今まで培った十数年の信用をそのまま使える点にメリットを感じました。
元々銀行からも1.2億円借りていたので、キャッシュポジションを上げれば、また同金額の融資を受けられて、それを使い海外展開にレバレッジをかけられるという想定をしていました。
事業譲渡の後にある消費税の話や、借入一括返済のことを考えると、振り返ると株式売却の選択肢の方が良かったのではないかと思いますね。
株式を売却すれば、買い手の会社が負債ごと持っていきますし、私が1年間かけて消費税を支払い続ける必要もありませんし。
前段階の前提条件の整理、できないまま進めてしまったことが失敗です。
最後に
ここまで動画と文章読んでいただきありがとうございました。
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そして、最後に恵島に聞いてみたい質問大募集します。
経営のこと、個人のキャリアプランのこと何でもウェルカムです。
お気軽にメッセージお待ちしております。
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