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【1/22】注目の海外スタートアップ資金調達3選

近年、多種多様な分野で革新的なサービスを展開するスタートアップが大規模な資金調達を実現し、世間を賑わせています。新技術やユニークなビジネスモデルで投資家の注目を集め、さらなる躍進を目指す──そんなスタートアップの台頭は、あらゆる業界に大きなインパクトをもたらすでしょう。ここでは、注目を集める資金調達ニュースをピックアップし、その魅力と可能性に迫ります。


1. Anthropic:大規模言語モデルを用いた対話型生成AI「Claude」


AI企業Anthropicは、Googleから追加で10億ドルの資金調達に成功しました。これにより、GoogleのAnthropicに対する総投資額は約30億ドルに達します。昨年末に、Googleが20億ドルを投入したことに加え、AnthropicはLightspeedを含む投資家から60億ドルの評価額で最大20億ドルの資金調達を進めています。

AnthropicのCEO、ダリオ・アモデイ氏は、2025年に向けて新しいAIモデルの開発や、チャットボット「Claude」における双方向音声チャットとウェブアクセスの導入、さらには「Virtual Collaborator」と呼ばれるAIシステムの展開を計画しています。この「Virtual Collaborator」は、PC上でワークフローを実行し、コードの作成・検証を行い、SlackやGoogle Docsなどのアプリを通じてユーザーと連携する予定です。現在までにAnthropicは総額147億ドルを調達しています。

2. Databricks:データ分析プラットフォーム


データ分析プラットフォームのDatabricksは、シリーズJで100億ドルの株式調達を完了し、評価額は620億ドルに達しました。さらに、JPMorgan Chase、Barclays、Citi、Goldman Sachs、Morgan Stanleyなどの主要金融機関から52.5億ドルの債務調達も実施しました。これにより、Databricksは設立以来約190億ドルを調達しています。

Databricksは、データサイエンスプロジェクトに広く利用されており、最近ではAIプロジェクトにおける重要なプラットフォームとしての地位を確立しています。シリーズJラウンドでは、Temasekやカタールのソブリン・ウェルス・ファンドQIA、Facebookの親会社Metaが戦略的投資家として参加しました。資金は、新しいAI製品の開発、グローバルな市場展開の強化、新規買収の資金に充てられる予定です。

しかし、Databricksの長年のIPO計画については依然として不透明です。CEOのアリ・ゴドシ氏は、2025年中にIPOを検討する可能性があると述べていますが、現在は社員への流動性提供に資金を活用しており、IPOは後回しになる可能性があります。

3. Vertice:AIを活用した支出管理プラットフォーム


ロンドン拠点のスタートアップVerticeは、AIを活用した支出管理プラットフォームで5,000万ドルの資金調達を完了しました。これにより、総調達額は1億ドルに達します。シリーズCラウンドでは、Lakestarがリードし、Perpetual Growth、CF Private Equity、Bessemer Venture Partners、83Northなどの既存投資家も参加しました。Verticeの評価額は約5億ドルとされています。

Verticeは、ソフトウェアおよびクラウド支出の最適化に特化しており、企業の調達プロセスを統一・簡素化するプラットフォームを提供しています。AIを活用して契約情報を解析し、購買サイクルを半減させることで20〜30%のコスト削減を実現します。今後の資金は新しいAI製品の開発、グローバルな市場展開の強化、そして新規買収に充てられる予定です。

CEOのロイ・トゥヴェイ氏は、Verticeが企業のデータと統合し、購買プロセスを効率化する点が競合他社との差別化要因であると述べています。AIの力を借りて企業の支出パターンを分析し、最適な購買提案を行うことで、調達業務のボトルネックを解消し、業務効率を大幅に向上させます。

注目スタートアップの資金調達ニュースは、最新技術やビジネスモデルの進化だけでなく、投資家や企業パートナーにとっても大きな可能性を秘めています。今を逃さずに連携や出資を検討することで、業界に先駆けるテクノロジーの恩恵や新たな収益機会を得ることができるでしょう。今後の動向に引き続き注目することで、さらなるイノベーションとビジネスチャンスが広がります。


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