タイ財閥系コングロマリット7選
GDP$536Bで東南アジア2位の経済規模を誇るタイ。インドネシアのようにタイでも財閥系企業が幅を利かせてるようです。以下まとめてみました。
①シーピーグループ(CP Group)
-事業:農業食品/近代小売/情報通信
-関連企業400社
-タイ最大の民間企業
-グループ売上高の40%を中国事業が占める
-サイアム商業銀行と2021年9月、約650~870億円規模のベンチャーキャピタル(VC)を立ち上げ。
-ブロックチェーンや暗号資産を使った分散型金融などの金融技術分野のスタートアップに投資する方針
-伊藤忠の筆頭株主(4.9%保有)
-売上高7兆円(2019)
②サイアムセメントグループ(Siam Cement Group)
-事業:セメント建材/製紙包装資材/石油化学
-セメント事業を主軸とするタイ王室系の財閥企業
-元来、タイ王室財産管理局が出資していた。
-投資傾向をみると、新事業開発、特にデジタル技術導入などを目的にスタートアップへの投資を積極的に実施しているよう。
-グループ企業は100社
-タイの就職市場では常に国営石油PTTと1位を争う人気企業
-売上高:1.5兆円(2019)
③セントラルグループ(Central Group)
-事業:商業不動産/外食チェーン/小売専門店
-華僑による財閥企業
-百貨店「セントラル」「ロビンソン」、スーパーマーケット「トップス」「ビッグC」、ホテル「センタラ」などを展開しており、小売業界では圧倒的な規模を誇る。
-ここ数年の投資をみると、Eコマース分野のスタートアップ「Pomelo」に2017年から2019年にわたりシリーズB、Cと2回投資を行なっている。
-Grabにも同年2019年3月に$200M投資を実施。
-これらの投資実績かから、既存事業の店舗販売からオンライン販売への移行を見据えた連携の動きがみてとれる。
④キングパワーグループ(King Power Group)
-事業:免税店
-タイ資本の財閥企業
-英プレミアリーグ1部レスターシティFC、バンコクのプルマンキングタワーホテルや最高層商業施設マハナコンタワーなどを運営。
-「Thai AirAsia」と「Tourkrub」に対して投資を行なっており、前者はSecondary Market、後者はシリーズAで投資。それぞれ格安航空会社とオンラインで旅行パッケージを取り扱うスタートアップと、観光産業への投資を主軸としている。
-観光客をターゲットとしていることから、投資は既存事業の強化を目的か。
-売上高:6200億円(2019)
⑤ティーシーピーグループ(TCP Group)
-事業:飲料
-エナジードリンク「Redbull」の製造販売を中核とする飲料系企業
-タイVC「500 TukTuks」やその他4社とあわせて投資をしており、評価額の高いタイローカルのスタートアップの誕生を支援。
-グループ企業である「Durbell」は2020年〜2021年で2回、タイの初めてのユニコーンとなったロジスティックス関連の「Flash Express」にシリーズDとシリーズEに投資。
-評価額の高いスタートアップにレイターステージで投資する傾向。
-売上高:1000億円(2019)
⑥ブンロード・ブリュワリーグループ(Boon Rawd Brewery Group)
-事業:免税店
-華僑資本の酒造系財閥
-「シンハービール」「レオ」を擁するビール事業をメインとする。
-Singha BeerのCVCとして2018年「Singha Ventures」を設立、一般企業やスタートアップに対して、100Mドル規模のファンドをもとにすでに5カ国の11社に投資。
-消費者向けの低価格の製品(FMCG)のリテールや食品産業に対しての投資が軸となっている。
⑦ティーシーシーグループ(TCC Group)
-事業:飲料/不動産/小売
-華僑資本の新興財閥
-中核事業は飲料、「Chang Beer」の製造販売を行う。
-参加の不動産会社TCランドやAWCを通じて「ル・メリディアン・バンコク」「ヒルトンスクンビット」「バンヤンツリーサムイ」などの高級ホテルや「味アンティーク」「ゲートウェイ」などの商業施設を運営。
-Eコマース分野のスタートアップに対してM&Aしており、デジタル分野への事業展開を積極的に進めている。
-途中ラウンドでの投資は少ない傾向。
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