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子供の頃の僕へ

僕は今年で46歳になる。

当然だが、子供の頃から見た46歳の自分なんて、遠い遠い未来の話だった。
子供の頃、46歳の僕は、お父さんになっていて、自分の子供とキャッチボールでもしているんだろう的な思いがあったかもしれない。

当然、46歳の自分が独身だなんて、思いもよらなかった。

そんなことを考えていたら、子供の頃の僕に無性に会いたくなった。

しかし、それは適わぬ夢、ならばせめてもと思い、子供の頃の自分に手紙をしたためたい思う。


「子供の頃の僕へ。」

お元気ですか?

僕は今年で46歳になります。

君は今、野山を駆けずり回り、意味もなく飛び跳ねて、毎日遊び倒していることでしょう。

今の僕がそんなことをすると、もれなく膝や腰を痛めてしまい、次の日は布団から起き上がれないのです。
寄る年波ってヤツには逆らえないものです。
あと、君は今ガリガリに痩せているよね?安心しなさい。30歳くらいから急激に太ることになります。

そして、やたらと汗をかくようになり、友達からその汗を豚汁と呼ばれたりすることになる事を、今のうちに覚悟しておくと良いでしょう。

それから、髪の毛にも白髪が際立つようになってきます。
ちなみに鼻毛に至っては、3割8分は白髪です。これは余裕で首位打者を狙える割合です。

ここまで読んで、ある程度の覚悟は出来ていると思いますが、僕は結婚していません。

君が今思っているような、お父さんってヤツにはなっていません。
狭いアパートで猫と一緒に暮らしています。

しかも、その猫はオスです。

あと、もちろんですが、君が夢に思っているプロ野球選手にはなっていません。
っていうか、その夢は数年後にあきらめることになります。
そのときに君は「身の程」という言葉の意味を知るでしょう。

ここまで読んで、さぞかし自分の未来に落胆したことでしょう。

それだと可哀想なので、一つだけ君に希望の光をあげたいと思います。
君もいつか、女子とエロいことをする日やってきます。それは、そこまで遠い未来ではありません。

この事を中学になった時に思い出してください。きっと前を向けるはずです。

あと、最後に言っておきます。
君は父ちゃんみたいにムケて欲しい部分がムケる事は叶いません。

だから「高須クリニック」という言葉だけ覚えておくといいと思います。

それじゃあね!

46歳の君より

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