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変化の激しい時代の中でまだ企業は「縦」関係で生きていくのか

<<ポイント>>
□現状の「外注」は上下関係になりがち
□上下関係だと、結果としてビジネス的にも失敗をもたらす
□これからは「縦」から共に歩む「横」の関係に


多くの企業は外部委託(外注)を利用している。「外注」なしでは業務がなりたたない状況のところもあるだろう。広告・PRやITシステムなどを外注するのは典型的で、Appmart社の調査によれば、コンテンツマーケティングの制作・運用を外注する企業の割合は67%を超えているそう。

さらに最近では、こうした業務の外注は人事や経理領域などにおける事務作業レベルでも進んできている。まさに、外部アウトソーシングの時代といっても言い過ぎではない。

このような外注先は、コストカットや商品サービスのクオリティ担保に欠かせない存在。にもかかわらず、取引上の関係性やコミュニケーションの問題から、うまく成果に結びつかない事例があるのも事実。どのような「関係性」が互いにとって効果的な成果をもたらすのだろうか?!

クライアントとパートナーの違い

広告代理店やITベンダーなどの「外注先」は、発注する企業側のことを「クライアント」と呼ぶ。これは、欧米の弁護士事務所などが依頼人のことををそう呼ぶ習慣から来ているのだそう(※諸説あります)。

この呼び方からもわかるように、発注する企業側が「依頼」し、外注先の企業は「請け負う」という構図がある。サービスの購入・提供というビジネスの過程において、「お客様は神様」のようないわゆる上下関係になりがちだ。

一方、発注する企業側は「専門知識を教えてもらう(やってもらう)」という立場で、外注企業は「専門知識を教えてあげる」という、こちらも「マインドセット(精神的)」の部分で上下関係があるだろう。

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クライアントとは別にビジネス関係を示すのにパートナーという言葉がある。こちらは「対等」な関係をさすもの。外注先とも「パートナー同士」でいると、目線の高さが同じに。同じゴールに向かう過程で対等な意見を交わし合うので、納得いく結果がもたらされるだろう。

よくある外注の失敗例やデメリット

本来、付加価値を高めるための「外注」のはずが、発注する側の企業と外注先が「上下関係」であるがゆえに、結果として「失敗」を招くケースがある。いくつか典型的な「失敗例」を紹介したい。

■「できない」と言えない
上下関係にあるからこそ、外注先の企業が立場的に仕事を失いたくないという心理から、顧客に対して「できない」ことであってもNOと言えなくなりがち。結果として顧客に対して追加で費用がかかってきたり、想定した成果が生まれなかったりと発注側のリスクになる場合がある。

基本的に多くの会社が営業段階で「全てワンストップでできます」と風呂敷を広げがちですが(笑)、あとで厳しい事態になれば、クライアント側のリスクです。そこで、はっきりと「うちはこれができるけど、これはできない」と言う相手であれば、自己理解が高く、要件にあった成果を出せるクライアントと仕事をしようという姿勢が分かり、誠実だと思います。(Agenda noteより引用)


■コストパフォーマンス

主に「外注」の対象となる業務は「広告・PR」が典型的。一般的に、月額予算の20%程度を外注先に広告費として支払っている場合が多い。ただ、これらの費用をかけただけの成果が 十分に得られない場合もあるのが現実だ。

これは外注先が「専門家」として一方的に運用することで、外注した業務がブラックボックス化するためだ。代理店などの言わば「いいなり」になってしまうことで、満足した結果を得られないことがある。

なお、中長期的には、外注先の運用に頼りきりになることで、ノウハウの蓄積が期待できずインハウスでの運用は難しくなる。結果としてコストが常にかかる体質になっていくことも想定できる。

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■互いに責任(タスク)をなすりつけ合う

発注側の企業が「このぐらい払っているのだからそのぐらいやってほしい」重要な業務を外注先に「投げて」しまう場合がよくある。例えば、広告やPRの場合で言えば、最上流のコンセプトなど根幹となる部分の検討までもを丸投げすることなどがある。

しかし、逆もしかりで、外注側の企業が「重要なことは『そちら』が考えること、見積もりの範囲内で仕事する」という考えから、決まったこと以上の仕事はしない場合もある。


 きれいごとかもしれないが、本来仕事とは「外部・内部」関係なく、定めた目標に向かってチームワークで行うもの。ここに、金銭の上下関係が生まれてしまうと、互いに責任をなすりつけあい、よい結果には恵まれない。

共通認識がないと、「もっと編集者にやってもらえるのかと思いました」とか、「そのロジックを考えるのは内部(クライアント)の仕事でしょう?」といった、他責思考、そこから来るボタンの掛け違いが起きてしまい、プロジェクトは自滅する。(岡徳之NOTE「共創の足かせ「クライアントとの上下関係」をなだらかにする、僕なりの3つの工夫」より引用)


「縦」から「横」の関係の時代

外注先の企業には、自社にはないノウハウや経験が蓄積されている。目まぐるしく変化する時代に、ビジネスを成功させるには外注先の上手い活用が必要だ。
そのスキルや知識を活用することは、付加価値向上につながるし、さらには、インハウス化が叫ばれる中、うまく連携していけば自社のノウハウの蓄積にもなる。

外注そのものを否定するのではない。
外注先とどのような関係性を築くのかが重要なカギになる。

前項でも少し触れたが、自分たちと同じ目線で一緒に走ってくれる相手を選ぶことが肝要だ。共に悩み、共に喜び、共に意見をぶつけ合う。「横」の関係であれば、言いたいことをいうことができるし、お金を払って丸投げという構図にはならないだろう。

自社にとって納得のいく成果を導くためには、「お願いする」のではなく「一緒に汗をかく」という仲間のような外注先を選定するようおすすめする。


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