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迷子の夜

最近は比較的健康な生活ができてると思う。

ご飯食べて、風呂に入って、歯磨きして寝る。

たまにここに散歩が入ることがある。

寝付けない夜はずっと横になってることもできないので

夜風にあたりに行く。

近場ですませる時もあるし、勇気を出して簡単には帰れなそうなところまで歩いたこともあった。

昼間の時間帯も活気があって、いろんな人が歩いてて好きだけど

やっぱり夜がいい。

人が多いのはあんまり得意ではないし、静かなのがいい。


夜の散歩は考える時間をくれる。

外に出るのは決まって何か不安な時だ。

友達関係、自分の所属している組織、就職活動、将来。

すかして生きる意味とか自分がどんな人間かなんて考えながら歩くのを誰も邪魔しない。

正直こんなこと大学生の今だからできるようなことにしか思えない。


歩いている時決まって考えているのは

その家にどんな人が住んでいるかだ。

庭の装飾を見て、若い人が住んでそうだなとか、

三輪車を見て、この家は子供が住んでいるんだなとか、

たまに荒れている家を見ると人が住んでるんだろうかなんて考えていると気持ちがうまく現実から逃げてくれて安心する。

上京してから4年。

大学では自分の役割を全うしてきたつもりだ。

自分に使ってあげる時間なんてほとんどなかった。

他人から離れて初めて自分が自分らしく生きているような気がした。

夜に自分がどこにいるかわからない状態でいる方が自分をわかってあげられるかもしれない。

夜の迷子も悪くはないかなと思いながら明日も歩いていこう。

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