キャラバンファミリーとフラワーエッセンス
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アーモンドの街に向かう街道。
間隔を開けて立ち並ぶイトスギ。
まだ街までまだ距離がある。
父さんが馬を停めた。
ワゴンから頭を突き出して外を見ると、うずくまっている女の子の背中が見えた。真っ黒いケープの縁には金糸で刺繍が施されている。
「お姉ちゃん、見て!」
「あの服、ウィッカかな?やーね、真っ黒で」
姉の声は面白がっている。パパは馬の手綱を御者台で一緒に座っていた兄に手渡し、黒服の少女のそばに屈んで声をかけている。いつのまにかママはワゴンを降りてパパの隣にいる。
東の地方には子どものウィッカもいるんだわ、とワゴンに引っ込んだ姉が言う。ウィッカはまじないや薬草調合をする森の住人だと聞いていたから、厭世的な老婆を想像していた。あの子は私とほとんど変わらない歳に見える。
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うんうん、第2話はジプシーキャラバンの娘視点で書こう!
馬車旅って、いいなぁ。蹄と車輪の音が、たまらん。
フラワーエッセンスをキャラクターイメージに盛り込もう!って思いついた。このジプシーファミリーの次女は、ホリィ。
同じ年頃の女の子、仲良くなりたい気持ちと、対抗心。美人で派手な姉に対する隠れたコンプレックスとか、劣等感がほんのり出てきそう。意地悪じゃないんだけど、ちょびーっとチクッと刺すような一言でマウンティングしちゃうような。
放浪家族の次女ホリィと、聖域の子マオ。
社会的ステータスのギャップに羨ましさを感じつつも、キャラバンの誇りだって子どもながらにある。その幼いモヤモヤを描けたらいいな。
対するマオは、ハニーサックルかウィローがテーマになるかな?
家族仲のいいジプシーファミリーに助けられて、マオはマオで自分の境遇と比べちゃうだろうし。兄が恋しくなったり、家族のことを考えたり。
そういえば、兄に逃亡を促されたってことは、両親はその場にいないか、助けてくれる立場になかったってことになる。もしかすると幼いうちに兄妹で親元を離れて聖域に預けられたか、来たる儀式の準備をしてたのかもしれない。
マオのフラワーエッセンスを挙げるなら、「あの時はよかった」を手放せないハニーサックルと、理不尽な変化に納得いかないウィロー。どうして私がこんな目にあわなきゃいけないの、って不満。まだ序盤は状況が呑み込めてないからただ変化に戸惑っているだけだけど、のちのち出てくるであろう乗り越えるべき感情。
ハニーサックルもウィローも、占星術の「月」に対応するエッセンス。「過去」にフォーカスしてるからかな。マオのモチーフになってるのはイトスギの伝説にある「月の木」だから、ピッタリでしょ!
ホリィはマオにとっての最初の友達。キャラバンファミリーの色鮮やかで陽気な空気感を一緒に吸えるような、そんな文章でこの場面を創りたい。