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我が子を憎いと言ったお母さんへ

こんばんは。皆さん、お仕事やら勉強やらと、日々お疲れ様です。
1週間が始まり、週始めからいきなり会議に残業・・・
そうなると、ネタはあってもなかなか記事は書けないものです。
平日に自分の時間を作るの、案外難しいかも知れない。

今回は、私の仕事に関わるお話を。
とある親娘のエピソード。

改めまして

まず、簡単に職業から。自己紹介を見て頂いた方が居ればご存知かと思いますが。

自己紹介:https://note.com/stars_jupiter/n/nb927766bcae1

大学卒業後、障害福祉の道を選び、現在は障害者の通所施設に勤務しています。ちなみに、通所施設なのですが、夜勤があります。
短期入所(ショートステイ)と言って、ご自宅で生活されている方が短期で宿泊する施設が併設されています。(併設、と言うのは的確なのか分かりませんが、細かい話になりそうなので割愛)
こちらでは泊まりの勤務になります。大体月3〜4回くらい。入所施設に比べれば、かなり少ない夜勤だと思います。
こちらは主に、地域で生活することを目標とした方が、自立やグループホームに入る為の練習、実績作りの為に利用されています。


しかし、単に障害のある本人の為にあるのではないのです。
ご自宅で生活されている方の多くは、入所施設の空き待ちの状態の方なのです。
そう言った方のご家族の為にある場所でもあります。
24時間、障害のある我が子を介護して生活しているのです。
仕事で接しているとは言え、24時間365日、それが何年、何十年と続く・・・想像出来ません。
考えただけでも大変だと思います。どんなに可愛い我が子でも、可愛い楽しいだけの毎日なんてある筈が無い。定型のお子さんでもそうだと思います。

とある保護者さんが
「私の子育ては一生終わらない」
と言っていたことがあります。気さくな方で、その時もただ呟いただけ(かも)しれません。ですが、その言葉が私の中にずっと残っています。
本音が出てしまったのだと思っています。ポツリと呟いていたので。

そんなご家族が、1泊2日利用するだけ、わずかな時間でも解放される。そんな場所なんです。(連泊して1週間泊まっている方なんかもいます)

仕事の話が長くなってしまったので、今回お話ししたい、このお母さんのエピソードを。

本人のこと

個人の詳細はあまりお話できませんが、どんな方なのかを。

・重度の知的障害
・発語はないが、身振り手振りで自分の意思を伝えることはできる
・超絶ハイパー拘り強い
・他害あり
・母親に対して、特に我を通そうとする傾向
・短期入所の併用で土日のみ帰宅

と言った感じの方。
これだけの情報でも、障害を持つお子さんのパパさんママさん、障害のある方と接する機会の多い方は「大変そう」と思うのではないでしょうか?
知る限りでは、母親に対して要求を通そうとする、特に手が出ると言った方が多くいて。
この方はそれが顕著に出てるって感じ。
時々お母さんにお会いすると、大抵手足、首は引っ掻き傷だらけ。痛々しい。
目の前で引っ掻かれている事も多くて、その度に制止したり。
私も何度引っ掻かれたか分からない。傷も残ってしまっている。

拘りとの付き合い方、他害を減らすにはどうしたらいいか。
この記事に目を止めて下さった方の中には、その大変さが分かる方もいるかもしれない。


お母さん

毎週金曜日。この方がお家に帰る日。
「もう週末よ。」「1週間早いわね」「また戦わないと」
こんな言葉を聞くことがある。
このお母さんにとっては、週末は戦いなのだ。

タイトルにあるように、ふと
「もう、本当に。憎たらしい」
と口にしていたことがあって。

家に帰ればしっかり介護をしているし、虐待の様子なんて勿論無く。
何だかんだ自分の子供、親の責任とか、自分が居ないとこの子は生きていけない。
なんて気持ちがあって、とっても愛情があるものだと思っていた。
親になった事のない自分の、なんと浅はかな事か。
もちろん自分の子供であって、何と言おうが愛情もしっかりあることはわかっている。
でも、愛情があるだけではどうしようもない事。
子育てには共通する事なのだが、このお母さんは、特に愛情よりも責任感、使命感の方が強いことを思い知ったんです。
週明けに会うと疲弊しきっていて、この人はまた1週間、私達の働きで解放されるんだと感じることが多いです。

憎いと言ったお母さんに伝えたい事

これは、このお母さんに限定した話では無く。
障害のあるお子さんを育てるご家族全てに思っている事なのですが。
経験の浅い私の独り言と思って読んで頂ければと思います。

恐らくご家族の方は、私のような仕事で提供するサービスを「本人の為」と思って利用されていると思います。
勿論それが第一ですし、私自身も利用者さん主体であるべきと言う考えは理解しています。
しかし、疲弊しきった家族は、どこを頼れば良いのでしょう。
現状で、求めている人が希望通りのサービスを利用できるているかと言われれば、それはないと思います。
この方も、入所施設に入りたいのに、何年も待っている状態なわけですから。
それは本人にとっても問題なのですが、ご家族にとっても問題です。
本人に障害があるが故に、家庭が崩壊してしまったケース、お母さんが鬱になってしまって、子供を拒んでしまうケースを見聞きしてきました。
適切な距離で接することが出来れば、そんな事態も防げた筈なのに。
憎いなんて言わずに、「まったくもう!」くらいで済んだかもしれないのに。
今よりもっと、愛情を感じられたかもしれないのに。
このお母さんが悪いのでは無く、福祉の手が追い付いていないことが原因です。
私たちが、国が、このお母さんにそう言わせてしまっている。
そんなことを思っています。

今日も怒ってしまった、憎いと思ってしまった、そして産まなければ良かった。普通に産んであげられなくてごめん。なんて。
毎日毎日、何かしらの後悔をして生きているのかな、って。

全てには応えられないけれど、少しでも力になろうとしている人間がいること、自分の為に頼っても良いと言うことを、伝えられるように。
話をする機会があれば、お母さんの体調を伺ったり、その方の良いエピソードを話してみたり。
家でそれを感じる余裕がなくても、少しでもその方の良い所を感じてもらえるように。
そんな意識をしながらお話ししています。

だから、なんだろう。(ひろゆきみたいだな)
纏められないですが。
もっと自分の為に生きられるように、こういう仕事をしている人間を頼ってもらえたら良いなって。
そんな事を考えながら、書いてみました。

中には、表現や内容そのもので不快に思う方もいるかも知れません。
それでも幸せよ!って言える方も、沢山いると思います。
その幸せを大切にしてください。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。