BEST NGC天体(春の天体-2)
10.しし座 NGC 2903
しし座の鼻先にある、9.7等の棒渦巻き銀河。
銀河中心の北側に明るい部分があるため、発見者のウィリアム・ハーシェルや、その後の観測者も二重星雲と勘違いし、ドレイヤーは『New General Catalogue』に NGC 2905 として掲載した。
この銀河は、銀河系から3000万光年の距離にあり、おとめ座超銀河団には属しているが、銀河群や銀河団には属していない、重力的に独立した「散在銀河(Field galaxy)」である。
11.しし座 NGC 3190 銀河群(しし座4重銀河)
しし座の首の後に当たる場所に「Leo-Ⅱ銀河グループ」の一つ「NGC 3190 グループ」(Hickson 44 銀河群)。
しし座には、しし座の尾の辺りに「Leo-Ⅰ銀河グループ」と、しし座の胴体~頭部の「Leo-Ⅱ銀河グループ」がある。
https://en.wikipedia.org/wiki/Leo_II_Groups
12.こじし座 NGC 3344(スライスオニオン銀河)
10.5等の、こじし座の方向にある比較的孤立した棒渦巻き銀河。しかし立体的には、おとめ座超銀河団の一部であるLeo spurに属している。
銀河面を上から見たフェイスオン銀河で、大きくは無い棒構造の外側の内リングは簡単に写るが、その回りを旋回する外リングは淡い。実サイズは銀河系の約半分の大きな渦巻き銀河。
銀河中心核近くに、中心核ほどの明るさで見える星は、もちろん銀河系内の恒星。
13.しし座 NGC 3384
しし座のお腹に位置する M95・M96・M105のトリオ銀河の近く、M105の東隣にある、10.9等の楕円銀河。「Leo-Ⅰ銀河グループ」の一つ。
2019年の研究では、中心部分は渦巻き銀河と棒渦巻き銀河の間の形状である「レンチキュラー(Lenticular)銀河」である可能性が高いという。
14.しし座 NGC 3607
10.8等。7300光年の距離。しし座のお尻に位置し、近くの NGC 3608と「Leo-Ⅱ銀河グループ」の中心を占める。これも「レンチキュラー銀河」。
15.しし座 NGC 3628(ハンバーガー銀河)
しし座の後ろ足の付け根に位置する、M65・M66と「トリオ銀河」を為す一つ。美しいダストレーンで二等分して見える。複数の波長での観測とシミュレーションから、NGC 3628 は棒状の渦巻き銀河で、棒が端に見えているとされる。
この銀河の西(右)に、「潮のしっぽ」と呼ばれる、約1度(銀河の直径の約4倍!)も伸びる星やガスの連なりがある。これはM65とM66との重旅行相互作用によって引きおこされたもの。
16.しし座 NGC 3521
しし座の後ろ足の先に位置する、11.0等の銀河。26万光年の距離。
複数の銀河が集まっている状態の、中間渦巻き銀河。腕の端の構造がはっきりしない「羊毛状腕」をしている。銀河の30%はこのような羊毛状腕を持っている。
またこの銀河は、銀河の東(左)の極方向に淡く広がるハロのような構造が特徴的。これは過去にこの銀河に吸収された衛星銀河の残痕の恒星ストリームが複数見えるもので、この銀河ではストリームが明るく見えている。
https://apod.nasa.gov/apod/ap110915.html