【詩】天井に語り掛ける


逃げ出したかった、体ではなく心の方で
何度も死にたかった 今も変わらない
僕は心を手放せなかった
目に映るもの 耳で聞き取り手で触れるもの
鼻腔を擽り 肌を撫でる風すらも
全てが醜く汚れていて、同時に美しかった
そして君も、ずっと僕の袖を掴んでいる
だから死ねないまま「とりあえず」で生きてる
世界や君が悪いと言いたいのではない
僕を導いただけに過ぎない

選んで進んだのは僕自身だ
成功もあった それ以上に沢山の失敗もあった
この先も重ねていく
両者の割合は容易には逆転しない
後悔と怒りの多い人生で、そこから僕が何かを学べたとも思えない

結末を後回しにしてゆっくり死んでるだけ
どうすればいいのか分からない、いや
分かっているけど
沢山の石が詰まったこの体が重たい
捨てられない 捨て方を知らない

助けてと言うのも、自分の幸せの為に努力するのも
やり方を知らない
そもそも、生き方を知らない
目先の感情を処理するのもやっとなのに
これ以上どうしろと

このまま、終わるまでに、君に何か伝えられるのか
僕なんてものは、酷くちっぽけで価値の無い
何も伝えない方が良いのかもしれない
それでも何かしたくなるのは何故だろう

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