ジョッキーベイビーズ データ分析
はじめに
ここ1週間、良い話題がなかった競馬界。それでも今週は秋華賞に東京ハイジャンプ、府中牝馬Sに南部杯と注目レースが目白押しで楽しみです。
今回注目するのは日曜東京の「第13レース」。第13回全日本ポニー競馬選手権、ジョッキーベイビーズのデータ分析をしていきたいと思います。
中央の現役騎手では、斎藤新騎手や菅原明良騎手などの有名騎手が出場経験を持っています。また、海外や地方で騎手になった例も多く、数多くの現役騎手がここから騎手の夢を叶えていると言えるでしょう。
そんな未来の騎手の卵が、どんなレースを見せてくれるのか。過去データを紐解きながら予想してみたいと思います。
データ分析
・出走するポニー
まずは今回走る8頭のポニーから見ていきましょう。
ジョッキーベイビーズの予選では、一部地区では自馬参加方式と呼ばれる、参加者自らでポニーを手配する必要がある場合もあります。
しかし、決勝大会はJRA所属のポニーが前日抽選で割り当てられることになっています。そして上の表に載せた8頭が、今年のジョッキーベイビーズに出走する馬となります。
コロナで大会が休止する前後でポニーの顔ぶれも大きく変わっていて、コロナ前に出走経験があるポニーは、2018年のタムタム(6着)と2019年のツクモビジン(1着)のみです。
しかしポニーの実力差が如実に表れているのは間違いありません。その中でも2022年大会で大差勝ちと鮮烈なデビューを飾ったホタル、そして2023年大会で勝利するなど過去2勝しているツクモビジンの2頭の実力が抜けています。この2頭は今年の中部地区決勝(中京ダート300m)で対決していて、その時はホタルが勝利しています。しかし着差は僅かで、乗り手の実力によっていかようにも結果は変わってきそうです。
その他は、2023年2着のベテランであるタムタムや、初出走で2023年3着のゴールデンフジ、2022年3着のユリが十分な走力を持っているでしょう。特に上昇に期待したいのはユリで、関東地区決勝2R(馬事公苑ダート250m)ではジュンとゴールデンフジ、東北新潟地区決勝(福島ダート250m)ではタムタム、ジュン、蘭丸を破っています。純粋な走力で、2強に食らいつけるポニーとして期待したいです。
・地区別成績
次に地区ごとの成績について見ていきましょう。
2024年は地区割りに大きな変更はありませんでした。
長野地区予選として行われていた草競馬大会が正式に廃止となったため、昨年までの東海地区が中部地区と名称変更されています。
ジョッキーベイビーズは基本的に西低東高の構図です。
東日本では馬産地の北海道に加えて、最近は東北新潟勢の躍進が非常に目立ちます。しかし7地区のうち唯一2枠が振り分けられている関東地区は、ここ10年で2着が1回のみと不振が続いています。
次に中日本です。中部地区の4勝は、かつての長野地区時代の3勝と、去年の東海地区の1勝で構成されます。この2つの地区が併存した時期は長野地区が優勢でしたが、1つの地区となった今ではあまり関係なさそうです。ちなみに今年の代表は山梨県の施設に所属しているので、どちらかといえば長野地区寄りなのでしょうか。
そして西日本。関西地区の2着率の高さは注目するべきものがあるかもしれませんが、基本的に厳しい戦いを強いられています。特に歴史の浅い沖縄地区の苦戦が目立つ現状もあります。参加者が1人だったこともあり、来年の動向が心配です。
・男女別成績
次に男女別での成績です。
正直小4から中1であれば、男女間の実力差は小さいものがあると思います。他のスポーツに目を向けても、プロ野球のジュニアチームなどで女子選手が男子選手に交じって活躍している例はあります。成長期など色々なファクターはあると思いますが、そこまで気に留めるほどの違いではないと個人的には思います。
そう思いながらも、データとしては女子にかなり不利な指標が示されています。過去優勝は1回、3着9回は驚きの数字ですが、全体的に低調な成績です。
それでも女子の実力が男子に比べて劣っているとも思いません。実際、今年の代表の過半数は女子であり、直近2年ではいずれも3着以内に女子が入っています。女性騎手の隆盛も目立つ中で、騎手を目指すのに性別が関係なくなってきた証左なのかもしれません。2度目の女子制覇も現実的だと考えます。
・学年別成績
そして学年別の成績です。
今年は小学6年と中学1年が半々という年齢構成になっています。
しかしながら意外と年下でも勝利や好走のケースが多いのもポイントです。過去には佐藤翔馬騎手のように小学2年生で出場している例もあります。(小学2年の成績は0-1-0-1、しかし大会規則上現在はエントリー不可)
小6と中1の比較では、データ的には小6の方が勝率が高く、連対に幅を広げると中1の方が高くなりそうです。
・枠順別成績
次に、枠順です。
今年は南の沖縄地区を1枠として、北上しながら順に8枠の北海道まで枠順を振り分けます。
正直に申し上げると、枠順による有利不利はほぼありません。統計的に見ても、8枠以外は大して変わりません。そうなれば外ラチ沿いの大外が不利という話になるのですが、8枠不利には少し理由があります。
沖縄地区が導入されている2016年を除く2018年以前のジョッキーベイビーズは、北の北海道地区を1枠として、南下しながら枠を決定していました。そのため、外枠に比較的成績が振るわなかった西日本地区の選手がエントリーされることになっていたのです。
しかしながら、沖縄地区の導入により枠順の決め方が逆転した2016年及び2018年以降は、東北新潟の選手が外枠に配置されています。そして7枠は近年躍進の激しい東北新潟地区の好走が相次いでいるため、7枠が合計してみると他の枠と遜色なく見えている訳です。(ちなみに九州地区唯一の優勝は2枠に入ったの2016年)
それに対して8枠の北海道地区は枠順変更後の近年好走が少ないため、8枠のみが突出して成績が悪いように見えるのです。
結論として、枠順によるバイアスはほとんどないと思われます。
・複数出場者の成績
そして最後に、出場経験です。
半分以上が3着内という数字は高いと思います。
そもそも地区予選を4年のうち2回突破できる時点で運と実力を兼ね備えていることは間違いありません。
また、場慣れしていることや、本番に強い確率ガ高いこともあり、この成績になっていると思います。
今回大会の該当者は沖縄地区代表、果たして前回6着からの巻き返しなるか注目です。
終わりに
このデータが皆さんの予想に役立てば幸いです。
全人馬の無事完走を願って、当日は応援しようと思います。
お読みいただきありがとうございました。