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書籍『「怠惰」なんて存在しない 終わりなき生産性競争から抜け出すための幸福論』

デヴォン・プライス (著), 佐々木 寛子 (翻訳)
出版社 ディスカヴァー・トゥエンティワン‏
発売日 2024/5/24
単行本 350ページ




目次

はじめに 「自分は怠惰じゃない」と気づくまで
第1章 「怠惰のウソ」
第2章 怠惰を再考する
第3章 そんなに働かなくていい
第4章 人間の価値は業績では決まらない
第5章 すべてに詳しくなくていい
第6章 疲れる人間関係はそのままにしない
第7章 社会の「べき」を払いのける
結び 共感で「怠惰のウソ」を終わらせる

公式サイトより


内容紹介

人はそんなに働かなくていいし、価値は外からの評価で決まらないし、
すべてに詳しくなくていい、すべての人を助けなくてもいい。

「怠惰」であることに罪悪感を味わう必要はない。
なぜなら「怠惰=悪」は植え付けられた "信念" に過ぎず、しかも誤っているからだ。

本書が指摘する3つの「怠惰のウソ」

1. 人の価値は生産性で測られる。
2. 自分で限界だと思っても、信じるな。
3. もっとできることはあるはずだ。

上記が「真っ赤なウソ」だと言われて、
驚いた方もいらっしゃるでしょうが、

・オーバーワークの常態化
・燃え尽き症候群、うつ病
・スマホ疲れ、SNS疲れ
・格差の拡大と競争社会の激化

が叫ばれる現代を生きる私たちの中には、
薄々そう感じていた方もいらっしゃるのではないでしょうか?

本書では「怠惰」にフォーカスを当て、

・どうして私たちは「怠惰」であることを恐れるのか
・「怠惰のウソ」が世界中に広まり、正当化させたからくり
・「怠惰」であることの意義
・「怠惰のウソ」から真に抜け出して幸せに生きる方法


を、社会心理学博士である著者が解説。

本書を読み終えた暁には、
自分自身が価値ある人間であるという感覚を取り戻し、
「怠けること」の罪悪感から抜け出して、
あなたにとって「幸せな人生」とはなにか? を再考したくなることでしょう。

公式サイトより


著者紹介

デヴォンプライス
社会心理学者、作家。

(中略)
パートナーのニック、チンチラ(猫)のダンプ・トラックとともにシカゴ在住。

公式サイトより 「(中略)」&「(猫)」及び「太字」はSTARLETによる


 怠惰たいだ

なまけてだらしないこと。
また、そのさま。「ーな人」


レビュー

 なぜ「休むこと」に罪悪感を覚えてしまうのか?
 オーバーワーク、SNS疲れ、自己責任論から逃れるために
 私たちは「怠惰」を再考する必要がある

 「怠惰=悪」という誤解の数々
 ▷
ネットでだらだら」は生産性向上につながる
 ただじっと座っているだけで心身が回復する
 ▷人間は一日
8時間働けるようにできていない
 ▷知識を詰め込もうとしすぎると、かえって理解力や記憶力はダメになる

 
 本書の「ポイント」まとめ
 ① 人の身体は毎日長時間働くようには出来ていない。ゆえに「休息」=「マッタリ&リラックスする時間」を大切に。
 また非生産的な時間を大切にすると人生は豊かになり、自然と「創造性」がはぐくまれ、生まれてゆく。

 ② その「マッタリ&リラックスする時間」を捻出するためには、余計なことをしないことが大切。
 ゆえに「決して満足するな」と促しあなたを駆り立てようとする「考え方」や「他人」との時間を、意識して減らすことが必要。
 
 ③ 他人と自分を比較して競争する必要は無い。
 もし他人から自分のキャパを超えた要求や、したいと思えない要求をされた場合は、はっきりと「ノー」と伝え、 他人の期待に応えることよりも自分自身の「価値観」と「優先順位」を大切にする。

 「社会貢献」は自らの心身の健康を犠牲にしてまで行うべきではなく、無理のない範囲にて、自分自身の強みや情熱を活かせるような活動を見つけ、楽しみながら続けてゆくのがベスト。

 ⑤ 自分という人間の価値は「生産性や仕事の成果」よりも、「自分という存在そのもの」や「他者との関係性の中に見出してゆく」のが良い。
 ゆえに自分の気持ちを第一に、やりたいと思うことを日々優先することが大切。

 という感じになります。
 またそれらについて、信頼のおける情報を提示しながら読者に優しく提案してくれます。

 
 ちなみに著者は「猫」と一緒に暮らしているようですけれども、「猫」の日常におけるバランスの取り方って絶妙ですよね。
 だって「マッタリ&リラックスする時間」をとても大切にしていますもの。日々「わきまえてるなぁ~(笑)」と思いながら一緒に暮らしております。

 本書のような考え方は、人類の生命線の一つである「定常経済」とも呼応しており、個人的にはより多くの人にオススメ(提案)してゆきたい考え方です。
 よく言われますけれども人生って、何を「する」かよりも、何を「しない」かがポイントですよね。
 様々なデータも示す通り、過度な「生産」「競争」「欲望」は、ポイッと手放すのが「吉」であるように思います。

 最後に
 「いそがしい」の「」という字は、「【心】が【亡くなる(心が死ぬ)】」と書きます。
 ゆえに「忙しそうですね」とか「最近忙しくて」なんて言うのは、「心が死んでそうですね」とか「最近心が死んでいて」と言うに等しいわけです。
 多くの日本人は口癖のように「忙しい」を連発しますけれども、なるほど……確かにその通りかもね……って思ったりします(笑)



余談

 こちら⇩の書籍もいつか読みたいです。




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