映画『グッバイ、レーニン!』
2003年/製作国:ドイツ/上映時間:121分
原題 GOOD BYE, LENIN!
監督 サム・ガルバルスキ
予告編(海外版) ※作品の流れがわかり易い、且つ英語字幕付き
予告編(海外版) 2 ※映像の解像度が良い
STORY
1989年、ドイツ。ベルリンの壁崩壊直前の東ベルリン。
アレックスはTVの修理の仕事をしている真面目な青年。しかし東ドイツ建国40周年を祝う盛大な式典が行われたある夜、社会の改革を訴えるデモに参加しているアレックスの姿を、誇り高き愛国主義者の母親が目撃してしまい、そのショックのあまり心臓発作を起こして昏睡状態となってしまう。
母親は8か月の昏睡状態を経たのち奇跡的に意識を取り戻すも、アレックスは医者から「もう一度強いショックを与えたら、命取りになる」と忠告される。
しかし母親が昏睡状態に陥っている間にベルリンの壁は崩壊し、東ドイツは解体されてしまっていた……。もしそれを母親が知ってしまったら……今度こそ……
母を自宅に引き取ったアレックスは「完全介護」体制にて、東ドイツ体制が問題なく続いているかのように装うのだが……
レビュー
序盤の展開を読んだだけで笑ってしまい、すぐにDVDを購入し鑑賞。
最初から最後まで面白かったです。
ベルリンの壁崩壊時、世界を駆け巡ったニュースでは「ベルリンの壁が崩壊して自由になった!」的な報道ばかりだったようですが、実際はそう単純な話ではなかったようで、『希望の灯り』等にも描かれておりましたけれども、東ドイツが解体されたことによりそれまでの職を奪われたり、経済格差等により悲しい思いをすることとなってしまった人が大勢いたようです。
本作もそういった部分に触れており、東ドイツ側の人々の視点から描かれるため、より東ドイツの人々の経験した状況や想いを感じることが可能となっております。
分断、分裂、線引き、というものがどのような状況を引き起こすのか、幸せな社会構造とはどのようなものなのか、引き裂かれた人々の悲しみと気持ちは……と、色々なことを考えさせられます。
と同時に、極上のコメディ要素満載で、沢山笑えて最高に楽しい時間を過ごせます。
生活必需品から、街の姿から、人々の考え方までが、信じられない程のスピードにて変わりゆく中、アレックス達が母親(一人の女性)のために、「変わらない」ことを目指して奔走する姿の、せつなさと愛おしさ。
笑って、ハラハラして、考えて、そして心は温まり……、でも……
素晴らしい一本です。
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