映画『エデンより彼方に』
2002年/製作国:アメリカ/上映時間:107分
原題 FAR FROM HEAVEN
監督 トッド・ヘインズ
予告編(海外版)
STORY
1957年、アメリカ。
コネチカット州ハートフォードに暮らすキャシーは、一流企業に勤める夫との間に2人の子を持つ主婦で、周りからは理想の家族として見られていた。しかしある日、夫のフランクが同性愛者であることが発覚し、最終的に夫はキャシーの元を去ることとなる。
悲しみに暮れるキャシーは、ふとしたことから黒人の庭師レイモンドと親しくなり、その距離を縮めてゆく。
だが保守的な白人の町の住人達は、ふたりに偏見の眼を向ける……
レビュー
ラスト。主人公の衣装がその想いの全てを語っており、ふたりに言葉は必要なかった……
そして花が、ふたりの新たな人生の始まりを、予感させる。
《エデン(楽園)より彼方に 永遠に輝く場所を見つめて》
素敵な言葉。
トッド・ヘインズ作品は『キャロル』もそうでしたけれども、花を始めとする植物の使い方が巧いため、観ていてとてもときめきますし、贅沢な気分にさせてくれます。
しかしながら「撮影方法はなんか古臭いなぁ……」と終始思いながら観ていたのですけれども、それはダグラス・サーク監督作品(メロドラマ)に敬意を表してとのことを知り、「なるほど!」と納得いたしました。1950年代のアメリカ映画の雰囲気を出すための手法とは、気付きませんでした。
また衣装も素晴らしかった。トッド・ヘインズ作品の衣装にハズレ無し。
あと画家「ミロ」の作品についての解釈が面白かったです。
「宗教画とは全く違う方法で神性を描いている。全てをはぎ取った形や色の本質。ミロの絵には神を感じる」
そんな風にミロの画を見たことは、今までありませんでした。
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