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書籍『戦争のプロパガンダ10の法則』
アンヌ・モレリ (著) Anne Morelli (原名) 永田千奈 (翻訳)
出版社 草思社
発売日 2015/2/3 (文庫版)
単行本 200ページ
目次
ポンソンビー卿に学ぶ
第1章 「われわれは戦争をしたくない」
第2章 「しかし敵側が一方的に戦争を望んだ」
第3章 「敵の指導者は悪魔のような人間だ」
第4章 「我々は領土や覇権のためでなく、偉大な使命のために戦う」
第5章 「われわれも意図せざる犠牲を出すことがある。だが敵はわざと残虐行為におよんでいる」
第6章 「敵は卑劣な兵器や戦略を用いている」
第7章 「われわれの受けた被害は小さく、敵に与えた被害は甚大」
第8章 「芸術家や知識人も正義の戦いを支持している」
第9章 「われわれの大義は神聖なものである」
第10章 「この正義に疑問を投げかける者は裏切り者である」
ポンソンビー卿からジェイミー・シーまでの流れをふまえて
訳者あとがき
原註
内容紹介
第一次大戦からアフガン空爆まで、あらゆる戦争に共通する正義捏造、自国正当化のからくりを気鋭の歴史学者が読み解く。戦争の見方を根底から揺るがす衝撃の書。
われわれはこうして騙された――
第一次大戦から冷戦、湾岸戦争、ユーゴ空爆、アフガン空爆まで、
あらゆる戦争において共通する法則がある。
それは、自国の戦闘を正当化し、世論を操作するプロパガンダの法則だ。
「今回の報復はやむをえない」
「ビンラディンは悪魔のようなやつだ」
「われわれは自由と平和を守るために戦う」
・・・・・正義はこうして作られる。
これまでに戦争当事国がメディアと結託して流した「嘘」を分析、
歴史のなかでくり返されてきた情報操作の手口、正義が捏造される過程を浮き彫りにする。
ブリュッセル大学で教鞭をとる気鋭の歴史学者が読み解く、戦争プロパガンダの真実。
レビュー
良書です。
目次からして面白いですけれども、内容は具体的なやり口について記されているため、さらに面白いです。
プロパガンダに関する書籍は実生活において「応用」が効きますゆえ大好物なのですけれども、中でも「人々を戦争へと向かわせるプロパガンダ」(=「人々を操り殺し合いをさせるための嘘」)に関して読むのは大好き。
というのも、そういったやり口を知っておくことにより他人や組織の嘘に気付く確率が上昇し、騙されにくくなるからです。
本文は約175ページ程度の量の、サラッと読める内容となっております。
しかしそのサラッと読める内容をサラッと知っておくことが、人生の大きな分かれ目となったりもしますから、侮れません。
数年前、私が「戦争」に関する書籍を読んでいるのを知り(本書とは異なる良書)、内容を一切知らないにもかかわらず「えっ!? そんなの読むんですかぁ?(笑)」と言い放った知人の知人が居ましたけれども、その知人の知人はその後、とあるプロパガンダにコロッと騙され「自己責任で打ちます」とのサインまでさせられた挙句、内容も知らない薬品を筋肉注射にて体内に複数回注入したと(しかも打った直後に高熱が出たと)、風の噂にて聞きました。
ちなみに私は、そのとある「プロパガンダ」及び「内容不明な薬品」を「自己責任で筋肉注射」する行為が世界で流行っていた時期に、マスクすら付けませんでしたけれども(論理的にも医学的にも統計的にも効果は無く着用する必要は全く無いと理解していたため)、当然何の問題も無かったです。風邪すら引きませんでした。
コロッとプロパガンダに騙された人々の、聞えよがしの嫌味や冷たい&憎しみの目線には晒されましたけれども……(特に赤の他人のお姉様達の嫌味と態度が酷かったです。なので戦争には女性もガッツリ関係しているんだなと実感しました。ゆえに『戦争は女の顔をしていない』などというのは、ある意味「大嘘」だなと思っております)
私は戦争経験者ではないですけれども、戦時下の状況や雰囲気がどういう物であるのかは、様々な書籍の情報や先頃の実体験により、ある程度の実感を持って把握しているつもりです。
というわけでコロッと騙されないように、これからもプロパガンダの類には、常日頃から気を付けてゆこうと思います。