映画『君とボクの虹色の世界』
2005年/製作国:アメリカ/上映時間:90分
原題 ME AND YOU AND EVERYONE WE KNOW
監督 ミランダ・ジュライ
予告編(海外版)
STORY
レビュー
人間は、皆どこか「ヘン」な部分を持っている。しかも身体の状態は日々刻々と移りゆき、情報も出たり入ったり、記憶も増えたり減ったりするため、大抵の場合はその「ヘン」を修正することは叶わず、微妙に変化させつつも、しかしやっぱり死ぬまで「ヘン」なまま生きてゆくこととなる。
そして身体の機能が、かなり「ヘン」な状態になった時、土へと還る。
今、日本社会では多くの人が頑張って自らの「ヘン」を懸命に隠そうと、日々四苦八苦している。また他人の隠しきれない「ヘン」を見つけては笑い、安堵し、滅茶苦茶「ヘン」な常識を「ふつう」と思い込み、自らを狭い枠内へと押し込めて、同時に「ヘン」なストレスを感じつつ、生きている。
ミランダ・ジュライの作品は映画でも、書籍でも、現代アートでも、私たちの思考と心を解し、翼を与え、解き放つ。
もし多数派の人々が、これまで以上に「ふつう」を追求してゆくなら、私たちはより「不通」な世界へと歩んでしまう可能性が高い。
しかしもし、相手の「ヘン」な世界を想う優しさを持ち寄り、それぞれの「ヘン」を大切にしてゆくのなら、本作で描かれていたように素敵な破「片」が周「辺」にあふれ、花のように咲いて響き合い、おおらかな優しい「変」化を、世界へと齎すかもしれない。
優しくて、笑顔と元気をいっぱいもらえる作品。
余談
内容をほぼ完全に忘れた状態にて、10年振りくらいに鑑賞しましたけれども、とても×2楽しめました。
というか、自分がクローゼットに服を入れずに「物」置きとして使用するのって、もしかするとこの作品の影響なのかもしれません……全く覚えてないけど……
あと唯一鮮明に記憶していたシーンは、その詳細まで記憶のままで、かなり驚きました。
コレ ⇩