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映画『君とボクの虹色の世界』

2005年/製作国:アメリカ/上映時間:90分 
原題
 ME AND YOU AND EVERYONE WE KNOW
監督 ミランダ・ジュライ



予告編(海外版)


STORY

 高齢者タクシーの運転手をしながらアーティストを夢見るクリスティーン(ミランダ・ジュライ)は、ある日ショッピングモールの靴売り場で、離婚したばかりの店員リチャードと出会い、恋に落ちる。
 そんな彼らの恋愛を中心に、リチャードの14歳と6歳の息子たち、嫁入り道具のコレクションが趣味の隣家の娘、ロリコン気味の同僚、初体験を求める女子高生など、愛に不器用な人々が、自分にぴったりの愛を探して奔走する新感覚ロマンティック・ラブストーリー。

DVD 解説より


レビュー

 人間は、皆どこか「ヘン」な部分を持っている。しかも身体の状態は日々刻々と移りゆき、情報も出たり入ったり、記憶も増えたり減ったりするため、大抵の場合はその「ヘン」を修正することは叶わず、微妙に変化させつつも、しかしやっぱり死ぬまで「ヘン」なまま生きてゆくこととなる。
 そして身体の機能が、かなり「ヘン」な状態になった時、土へと還る。
 
 今、日本社会では多くの人が頑張って自らの「ヘン」を懸命に隠そうと、日々四苦八苦している。また他人の隠しきれない「ヘン」を見つけては笑い、安堵し、滅茶苦茶「ヘン」な常識を「ふつう」と思い込み、自らを狭い枠内へと押し込めて、同時に「ヘン」なストレスを感じつつ、生きている。
 
 ミランダ・ジュライの作品は映画でも、書籍でも、現代アートでも、私たちの思考と心をほぐし、翼を与え、き放つ。

 もし多数派の人々が、これまで以上に「ふつう」を追求してゆくなら、私たちはより「不通」な世界へと歩んでしまう可能性が高い。
 しかしもし、相手の「ヘン」な世界を想う優しさを持ち寄り、それぞれの「ヘン」を大切にしてゆくのなら、本作で描かれていたように素敵なヘン」がしゅうヘン」にあふれ、花のように咲いて響き合い、おおらかな優しい「ヘンを、世界へともたらすかもしれない。

 優しくて、笑顔と元気をいっぱいもらえる作品。


余談

 内容をほぼ完全に忘れた状態にて、10年振りくらいに鑑賞しましたけれども、とても×2楽しめました。
 というか、自分がクローゼットに服を入れずに「物」置きとして使用するのって、もしかするとこの作品の影響なのかもしれません……全く覚えてないけど……

 あと唯一鮮明に記憶していたシーンは、その詳細まで記憶のままで、かなり驚きました。
 コレ ⇩

この「靴下イヤリング」、昔の恋人の前でガチで真似した記憶……(今やったら通報案件(笑))

 


Artwork





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