嘘をつけない私はぬいぐるみが大好き
私は嘘をつけない。
嘘が、嘘それ自体が自分を、誰かを傷つけるかもしれない、とかそんなんじゃなくて、いや、元々は嘘をつくと、バレた時の不利益が自分に降りかかってくるんじゃないか、という懸念から始まったのだ。
嘘のリスク評価をする器用さがないから、取り敢えず、表向きの美徳とされている正直というものに縋ろうとしていたのだ。
それに誰かの嘘はいつも社会の弱い場所に向かって流れていき、私のような弱者を傷つける。
もしかしたら、根本的なところは変わらないかもしれないけど、今は経済学的に社会の損失を少しでもなくすという考えによって、嘘をつかない。悪貨に良貨を駆逐させない。自分の周りだけでも最適な世界であって欲しい。
私はぬいぐるみが好きで、部屋にも沢山いる。
ぬいぐるみは可愛いし、その可愛さに不純なものがない。可愛く、愛されるために生まれてきた存在。それ故に嘘がない。可愛さの裏はなく、存在自体がただただ可愛い。
嘘をつかない「正しさ」に私を繋ぎ止めるのはぬいぐるみだ。部屋の中のぬいぐるみと私を同期する度に嘘のない真っ直ぐな行動パターンに正しさを感じている。
ぬいぐるみが居なくなったらどうなるのかは分からない。私は嘘をつける人間になれるだろうか。
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