「授業をしない家庭教師」の意味

私は、授業をしません。

理解不足なところや勉強の仕方を説明することはありますが、一から全部説明し「さあ、問題をやってみよう」という順番は取りません。
この考え方は、あるお子様との出会いから思いついたアイディアでした。

【「自分から質問できません」】

そのお子様のお家に初めてお邪魔し面談をしたとき、お母様から

「以前利用したオンラインの家庭教師は、有名な大学の学生だったけど、一気に説明をまくし立てて『わかった?じゃ問題解いてみよう』という人で、自分から質問できないこの子には合わなかった」

と聞きました。さらに、オンライン授業も嫌いになったということでした。

最初から最後まで一気に説明して、さぁやってみよう、という流れは学校や塾の授業と同じで、最もよくある授業の流れです。このやり方は、先生が説明している間に子どもがわからないところを質問する機会はありません。
私はその話を聞いて、2つの方針を決めました。

【1.私が説明する前に、まず問題を解いてもらう】

1つ目は、まずは問題を解いてもらってから説明をすることです。私が指定した問題を解いてもらい、答え合わせをします。合っていても間違えていても、なぜそのように考えたのか説明してもらいます。この方法は、その子がどこまで理解できているのか、どの知識や理解が足りていないのか、現状把握を効率よく進めることができます。十分理解していれば、いくつかの問題を飛ばし先に進めることもできますし、あまりにも理解不足であれば簡単な問題に戻って復習することもできます。

この学習方法はどの教科でも応用でき、私のような家庭教師がいなくても、自分で進めることが可能です。

やはり、できるところまで戻ることが、勉強ができる人になるコツです。勉強が得意な人、成績が良い人でも、新しい分野を一緒に勉強するときはこのように進めています。できるところまで戻ることの重要性は、このnoteでも紹介しています。数学を中心とした話ですが、全教科に通じる部分です。

【2.一回の勉強中に、理解→復習のサイクルを完結する】

2つ目は、理解→復習(→テスト)の流れを一回の勉強の中で完結することです。以前のnoteでも書いたように理解だけでは勉強ができるようになりません。理解できたと思った後にもう一度自力で解くステップが絶対に必要です。

お子様の状況にもよりますが、私は復習のステップをお子様に任せることをできるだけ避けています。

理由はとてもシンプルで、やらないからです。

しかし、理解だけでは不十分で復習が必要なことは変わりません。

対策は簡単で、理解から復習までのサイクルを一回のお勉強の中で回すことにしています。まず問題を解いてもらい、考え方を説明してもらった後、私からの解説や+αの説明をして、その後「じゃもう一度やってみよう!」というわけです。もう一度解いた後も、ただの答え合わせで終わらず、必ず考え方を聞きます。解答解説にあるような考え方を再現できていれば、合格として次の問題に進みます。もしこの時点でも不安があれば、その日の最後にもう一度解いて説明してもらうこともあります。

宿題を出さなくても、このサイクルを回すことができれば成績を上げることは可能です。こちらのnoteでその実践例を紹介しています。

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