2024年12月の星の行方
【参考記事】
【断片描写】
冥王プルートゥと、死神族長ハが地球上に訪れ始めたその頃、彼らに挟まれるように地上を訪れたのは白姫と呼ばれる少女でした。白姫は鼻唄まじりに死神一族の大掃除を見守りました。
「あそこ、まだ終わってないよ」
「次はそっちだよ」
全宇宙の中でも随一と言えるほど、祓いの能力が高い死神一族ですが、白姫は彼らと同等の能力を持つだけでなく、抜群の精度で未来を視る力も兼ね備えていました。死神一族の仕事はこれまでにないほどスムーズに捗り、ほとんどの人間は彼らの活動に一切気が付かないほどで、予想をはるかに上回る早さで「循環促進作業」が進みました。
その頃、プルートゥとハは京都を訪れていました。プルートゥとハを出迎える天狗が世界中から鞍馬に集まると、一族を代表して黒天狗のボンが二人の前に立ちました。
「風に呼ばれてここへ来た。其方たちの望みを聞こう」
それに対して、冥王プルートゥはこう答えました。
「白姫を、よろしく頼む」
ボンは、風を撫でて大きく頷きました。水辺のあちこちで飛沫を立てて踊る白姫に必要な舞台は、天狗たちが古くから守ってきた人間との約束そのものでした。その約束を人間が思い出すためには、いくつかの過程が欠かせません。
いくつかの過程
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