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祖父と孫#2ホーム探し

92歳の祖父の老人ホーム探しが始まった。

便利な介護情報サイトで私の家から近いところで平均的な月額料、きれいそうなところ、ネームバリューで知っているところにあたりをつけて見学希望をだした。

行けるところは片っ端から行った。
結果、入居する老人ホームを入れて合計9ヶ所見学した。

ホーム自体は新旧はあるけれど
大体同じ作りだ。

私の中でハード面は病院ぽくなきゃいいな、という点。
出来ればご飯は共有部じゃなく、食堂ならいいなーとか。

最終的な決め手は人だった。

ホームの説明は施設長や生活相談員がしてくれたのだが、まぁこちらも大体は概ねシンプルな説明。

2ヶ所、印象に残った人々がいた。

1人は入居させる覚悟はあるのか?
生半可な気持ちで進めては入れられない。
本人は納得なんてしていない、みんな騙され、無理くり入ってきてるんだ、みたいな話をされた。

結構厳しい。人によってはクレームになるよなーなんて思ったり。

でも、はっきり言ってくれたことに感謝している。
現実なんてそんなものだし、なんとなくの思いつきで入居なんて決めてはいけないのだ。
特に介護は。

我が祖父はそこそこ自立していて、まあすぐ忘れるけど理解力はある。

自己決定が全く出来ないわけではない。
そういう人を私たちは入れるのだ。

2人目もスタートは厳し目だった。
このホームに母なしで最初行ったのだが
祖父を今住んでいる県から私のいる県の老人ホームに入る、という選択について
本当にいいのか?ということ。

役割分担の理解はできるが祖母と頻繁に会えなくなるがいいのか、という点を聞かれた。

そして話す中で祖父が入居するにあたり心配なこと、耳がかなり遠く、昼夜逆転もありずっと大音量のラジオをつけていることなど..

その心配に対して介護の腕の見せどころだと返された。

寝れないなら共用スペースに一度促せばいいし、同じく耳の遠い人たちと一緒にしたら今い。
いかようにでもなるのだと。

そして遠慮なく色んなことを言ってほしいと。

上記のようなこと、全てが事実通り進まない可能性の方が高い。

でも、ここでお願いしたいと思えた。
後日、母を連れて入居を決めた。

ほとんどの老人ホームは祖父を取り巻く家族を労った。家族が大変だから入居してもらって安心と安全に暮らしましょうね、と。

決して間違いではない。

でも、私と母は特に大変じゃない。
祖母は大変だったと思うけれど。

人の選択を他人がすることの重さの覚悟を改めて問うてくれた2ヶ所。
そして決めたホームは入った後、祖父が楽しく過ごせるような考え方をしてくれていた。

私の今回の老人ホームへの入居は入れたら終わり、にするつもりはない。
私も可能な限り関わっていきたいという思いを汲んでくれるような支援がありそうなホームに祖父を託すことを決めた。

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