シュクメルリ、固定概念

シュクメルリを食べてから松屋に対してどうしても埋まらない心の溝ができた。

あんなものを期間限定と煽ってまで売りつける松屋。その姿勢の前には無添加野菜なんてアピールは指の隙間からこぼれ落ちる砂ほどに儚い。本気であれがいいと思っているのか、松屋。食べ物屋さんとしての矜持はどこに置いてきてしまったのか、松屋。なんにせよ、食べ物にあそこまで失望したのは初めての経験だった。

…あれから2ヶ月。夫から帰りが遅くなるという連絡を受けた私は松屋の前に立っていた。

固定概念は良くない。シュクメルリ以前、私は松屋が好きだったではないか。たった一度の過ちで全てを否定してしまうのか。牛丼は?豚丼は?食えただろう?豚焼肉は?あれにポン酢をかけて食べるの好きだったろう?

中学生の頃、美術教師が言った。「白い絵の具に一滴でも黒が落ちたらもう二度と白にはならないんだよ。」そんなのは悲しいじゃないか。白じゃなくたっていい。白は眩しすぎる。灰色の優しさに包まれよう。

意を決して店内に入る。豚生姜定食を選んだ。そうだ。これでいい。松屋で定番を選ばなかった私がどうかしてたのだ。だからといってシュクメルリを出した松屋を責めるのは違うことも私はもう理解できていた。企業は常に挑み、新陳代謝を止めてはならない。100のシュクメルリの先に、1のブラウンハンバーグがある限り。進まなければ置いていかれるだけ。

豚生姜定食にも挑み続ける松屋の姿勢が貫かれていた。肉の厚さがグッと増している。ボリューム満点だ。なかなかおいしい。これは喜ばれる改革だ。

良かった。思い切って入って良かった。固定概念から抜け出せて本当に良かった。やっぱり松屋は松屋だった。これでこそ無添加の野菜が光るというものだ。フレンチドレッシングをまとった神々しいまでの白さよ。白さ、しろ、し、、、、、、、

残り一口まで食べ進めたサラダ皿の底に一筋の黒い線。

髪の毛じゃん。



やっぱ松屋いいとこねぇじゃん。

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