ふと聴き直したくなる、スペイン語の詩集 ~Amado Nervo~
大学時代、スペイン語が専攻でした。
両親も大学時代にスペイン語を学んでいて、私は中学生ぐらいの頃からNHK教育テレビ(現Eテレ)のスペイン語講座を見ていたので、スペイン語の美しい響きに憧れていました。
ちなみに、両親と同じ大学です。
両親に教えてくれた先生が二人、まだお勤めだったので、親子二代でお世話になりました。
忘れられない朗読テープ
2年生の時、教授が授業中に聴かせてくれた詩集の朗読テープがありました。
正確には、詩集に掲載されているいくつかの詩をもとに、順番を入れ替えたり、補足的な文章を追加して、BGMもつけて、一編の物語のように構成されたオーディオブックのようなものでした。
もとになった詩はメキシコの詩人アマード・ネルボの「La Amada Inmóvil」(ラ・アマーダ・インモビル)という詩集です。
La Amada は「愛された人→最愛の人」、Inmóvil は「動かない」なのですが、これは作者の奥さんが旅立ってしまい、その悲しみを、たくさんの思い出とともに綴っているというものです。
朗読しているのはエンリケ・ランバルという人のようです。
この人の声がまた絶妙で、間の取り方とか、微妙にかすれるところとかの表現がとても上手で、スペイン語を理解する方なら思わず涙を流してしまうような、素晴らしい朗読なんです。
私は当時20歳だったのですが、この朗読が忘れられず、後にこの教授のゼミを聴講させてもらっていた時に、テープをお借りしてコピーしたほどでした。
最近になって、同じ音源をYouTubeでみつけたので、スマホでも聴けるようになりました。
朗読部分の抽出にチャレンジ
今まで考えたことがなかったのですが、ふとBGMと朗読を分離することってできるのかな?と思い、調べてみました。
音声分離アプリやサイトがみつかったので、試してみることに。
最初に試したサイトは、一応、分離はできたけど、一部声が途切れたり、音楽が残っていたりしました。
でも、18分間の朗読の、BGMがほぼない状態の音声ファイルをダウンロードすることができました。
音の途切れ方がちょっと納得できず、別のサイトでも試してみました。
こちらはほぼ問題なく分離できました。
ただ、無料プランでダウンロードできるのは6分まで。
そこで諦めるのはもったいないので、画面キャプチャソフトを使うことに。
朗読部分が分離された音源を再生している画面を、キャプチャソフトで録画します。
そうして録画し終わった動画ファイルをmp3の音声ファイルに変換しました。
これで、18分の朗読音源(BGMなしバージョン)ができました。
BGMがないとどうなるかというと、スペイン語のリスニングに集中できるわけです。
これ、意外にいいですね。スペイン語の聞き取りの練習に大いに役立ちそうです。
ただ、内容が内容なので・・・
スペイン語の聞き取り練習に役立つ音源を作ることができたのはいいのですが、詩集の内容は、最愛の奥さんの最期の3週間ほどの闘病の様子と、奥さんが旅立った後のやり場のない悲しみなわけで・・・
スペイン語が理解できるだけに、思わず泣いてしまいますね。
たまたま、谷村さんの一周忌がほぼ一週間後に迫り、個人的にはかなりセンチメンタルな時期ですから、なおさらです。
でも、この時期に聴きたくなったということは、無意識のうちに「涙活」して浄化する方向に進んでいるのかな、と納得しています。
「La Amada Inmóvil」の最初に書かれている短い詩をご紹介します。
すみません、日本語訳は私です(汗)
下手だな~。せっかくの美しい文章が・・・台無しかも。
朗読作品の中では、雰囲気的に奥さんの葬儀で神への言葉を述べている感じで、上の詩が読まれていました。
いかに奥さんが全てだったかが解りますね。
何という悲しみ・・・
訳しながら号泣してしまいました(涙)
スペイン語わかる方は、原文の表現の何と切なく美しいことか・・・という感じだと思います。
スペイン語・・・美しいんです。
泣きたい時にはこれ!をいくつか持っておくといいですね
そんなわけで、私にとっては「涙活」のきっかけになったメキシコの詩集をご紹介しました。
涙活、最近けっこう流行っているようですね。
あえて涙を流すことで感情の浄化をするということで、実は割と理にかなっていると思います。
なので、「泣きたい時にはこれ!」というものをいくつか持っておくといいかもしれません。
映画やドラマ、或いは中島みゆきさんの曲とか、何かあると思うので、日頃から自分が何に泣けるかを知っておくのもいいですね。
ちなみに、私は「今夜、ロマンス劇場で」が泣けます。
最後に、参考までにこの記事でお話しした朗読の音源を載せておきます。
Youtubeプレミアムじゃない方は広告が流れますので、ご了承ください。