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代表の岡雄大がInstagramに不定期で綴っているコラムと写真たち。Stapleが見ている毎日の景色を、時々noteでまとめていきます。
StapleのInstagramはこちら。ぜひフォローください。https://www.instagram.com/staple__inc/
2024.8.21


Stapleらしさを視覚情報に落としこむためには川口率いるデザインユニットと後藤率いるブランディングユニットが欠かせないのですが、各ユニットのメンバーらで定期的に出張に託けてリサーチ旅にでています。
『海外との繋がりをもってきた港街(神戸)はあらゆるヒト・モノを受容するし、船や波という存在が「どこからここにたどり着いたのか」「ここからどこへつながっていくのか」をメタファー的に考えるきっかけを常にくれる。』と話してくれたのは神戸とフランスのアルルに拠点を置くデザイナーの柳原照弘さん。今回は彼の事務所とそこに併設されたギャラリーVagueを訪れました。
Vagueとはフランス語で波を意味するそうで、神戸とアルルにそれを冠したギャラリーがある。二つの拠点で別々の展示をしたり、同じ展示を開催することで生まれる小さな波が影響を及ぼしあったり、立つ波の大きさや形の違いに気づくことができたり。違う文化圏を行き来しながらデザインに没頭することで多角的な視点を手に入れ、柳原さんの唯一無二な表現が生まれるのだと感じました。
Stapleとしてもローカルだけでなく、都市にもネイチャーにも居場所を持ち、行き来することで人生のB面が生まれ、視点が増えることが想像力を養うことができると信じて展開をしてきました。想像力を養うと人にも環境にもやさしくなれる。想像力を養うと物事のつながりが見えて立体的な解釈や新たなアイデアが生まれやすくなる。Stapleを通してそんなライフスタイルを作っていけたら良いなと思うのです。
2024.8.28


先週に引き続き先日の淡路島 / 神戸リサーチ旅から。淡路島 胚 を訪れました。
『ここでは情報をなるべく削ぎ落としています。香りのインスピレーションとなるモノやコトを部屋の中央に並べてみては、ながめながらその繋がりを再構築したり。そんなプロセスをやりやすくするための場所です。』と話してくれたのはこのアトリエのオーナーであり、アーティストの和泉 侃さん。
植生の多様性や、海や山の近さに惹かれて創作の場として選んだそうです。
土の床壁天井、山並の景色、そして1000枚の瓦を重ねた塊。淡路の土を使った土壁には香りの蒸留で使われたレモングラスの殻が。淡路瓦には地域の植物から抽出した釉薬を。
土壁がゆっくり雑香を吸ってくれると言っていたけど、音まで吸収しているような静寂がそこにはあり、大きな窓からは山々とそこに覆い被さるように霧が迫る。
数ヶ月前より、和泉さんと一緒に香りをつくる会話を始めました。我々の関わるあらゆる場所を体感し、このアトリエへ持ち帰って生まれる香りがどのようなものになるのか楽しみです。
2024.9.3


岡山県西粟倉村に拠点を置き「未来の里山をつくる」をビジョンに掲げて木材加工・農業・養鰻・福祉などの事業を行うエーゼロの取締役を昨年から拝命しておりまして、逆にエーゼロの代表である牧大介さんは我々の瀬戸田における活動の取締役に就任していただいてます。自然資本から逆算して経済資本の適切規模を考える枠組みの知恵をお借りしたり、瀬戸田地域の自然が未来永劫良いスパイラルに入るには?など議論は尽きません。先日はなんと瀬戸田にも鰻が沢山いることを証明してくれました)
今週はエーゼロのメンバーと北海道 厚真町にある280haの環境保全森林をひたすらに歩いてきました。
熊や狐の足跡と並んで自分の足跡がある環境に身を置く緊張から肩が凝ってしまった1日目でしたが、2日目には五感が自然に慣れていくのか、視界が開けて色んなことに気付けるようになりました。そのなかでも今回は「ハビタットツリー」が学びでした。
ハビタットツリーとは、多くの動植物が依存する重要な生息場所や生活環境を提供する木。古木や大木。倒木や枯れ木。樹洞や皮の隙間、枝の分岐など、昆虫や菌類、鳥類、小型哺乳類にとっての重要な生息地となってるようです。いわば森のタワマン!
朽ちていく木にも大事な役割があるのが森の生態系。自然界でおきることを知識として会得していくと、人間の営みや集団行動の心理との共通項を見出せそう。きっとその繋がりを見出した先に我々の生活や向かう先へのヒントがあるのだろう。勉強しよう。
2024.9.18


K5の廊下は思い出深い。
ヒロとマットさんと “Returning to Nature” というK5のキーワードを定めた。「100年間日本の資本主義を支えてきた建物のリノベだからこそ次の100年は自然と共生して最後は土へ還る準備期間にしよう!」と。
するとそれにClaesson Koivisto Runeのオラが呼応して「東京の下町でよくみるアレはとても良い。混みあった都市でもなんとかして自然を楽しもうという姿勢がとても日本的で素敵だ。」と言った。
路地(裏)園芸のことであった。路地裏の家屋の軒先に(勝手に?)盆栽や植栽を各人のセンスで配置しているアレである。
K5の客室を出た先の廊下のベンチにユニークな植栽達が置かれている背景には、そんな路地園芸文化へのリスペクトがありました。
先日Vague Kobeやアトリエを案内してくれた柳原さんたちが東京に来た折、K5を案内しながら思い出し、書き留めておきたくなった。