私とSSJ―インターンを通して学んだこと―
皆様、こんにちは。
NPO法人Stand with Syria Japan(SSJ)インターンの髙橋理緒(たかはしりお)と申します。
2月から始まったインターンとしての活動も、あと数日で終了します。
したがって、このnoteの投稿が、私のSSJでの最後の仕事となります。
この記事では、私がSSJでインターンをしようと思ったきっかけと、インターンの活動の振り返りをしていきたいと思います。
国際協力に関心を持ったきっかけ
私は、一緒にインターンとして活動してきた梶とは対照的に、一切の海外経験がないまま大学生になりました。
しかし、将来国際協力に携わりたいという気持ちは中学生の頃から持ち続けてきました。
そのきっかけとなったのは、英語の教科書に載っていたケビン・カーターさんの撮影した「ハゲワシと少女」という1枚の写真でした。
骨がはっきりと浮き出るほどに瘦せ細り、背後にたたずむハゲワシから逃げる力もなく、すべてを諦めたようにただうずくまる少女を見たときの衝撃は今でも忘れられません。
「何かしなくてはいけない」と居ても立っても居られない気持ちになり、社会問題やその解決のために働く組織、人々について関心を持つようになりました。
高校の部活動で英語ディベートに出会ったことも、学校で習う以上に能動的に社会、そして世界についての見識を広げる良い機会になりました。
以上のような経験から、大学では広く国際関係学や国際開発学を学びたいと考え、筑波大学に進学しました。
大学進学後は、長期休みの度に貯めたお金で海外に行き、大学で学んだことを座学で終わらせないことを意識してきました。
<大学1年生の秋、カンボジアでの一人旅>
<中央アジア、キルギスでの海外研修>
「シリア危機」との出会い
私がシリア危機にここまで関心を持つようになったきっかけは、大学2年生の頃に偶然見つけて参加したとある講演会でした。
実際に難民としてシリアからドイツへと逃れてきた方のお話が聞けるという点に興味を持ち、恐る恐る茨城県を飛び出し、東京で開催されるその講演会に参加しました。
彼自身が私とほぼ変わらない年齢であることもあり、ゲストスピーカーとして登場したその男性の口から語られる衝撃的なエピソードの数々に、言葉にできないほどに強く心を揺さぶられました。
それまで知らなかった難民の直面する多くの困難を知ると同時に、この「シリア危機」という大きな問題を”体温”のあるものとして捉えることができるようになりました。
多くの人が社会問題を認識しているのにも関わらず、なにか具体的なアクションを取ろうという行動に結びつかない理由として、その問題に関して得た情報に”体温”がない、ということがあると考えています。
写真や映像、そして当事者から語られる話には、同じ人間として必ず共感を覚えられるような”体温”があります。
世界のどこかで、今この瞬間にも起きている目を背けたくなるような悲しい出来事の当事者は、自分と全く変わらない人間である、という当たり前のことを改めて実感させられました。
この講演会をきっかけに、難民や移民といった人の移動と社会の変化についてもっと知りたいと思うようになっていきました。
SSJでのインターン
難民問題に取り組んでいるNPO・NGO、もしくは国際機関でのインターンを探していた際に出会ったのがSSJでした。
SSJの、シリアで起きている出来事を国や組織のような比較的目立つ大きなアクターを通してではなく、そこで暮らす「人々」という、国際社会では軽視されてしまう存在からの視点を強調する姿勢に非常に共感しました。
SSJの行うイベント、そして発信する情報はどれも”体温”があり、触れた人々の心を動かす力があると感じています。
だからこそ、「SSJの活動をもっと多くの人に知ってもらいたい」という一心で、この3ヶ月間活動してきました。
私たちインターンの仕事は主にファンドレイジングで、SSJの認知拡大や新規寄付会員獲得に向け、様々な取り組みを行いました。
私自身はHPに掲載する新しいページの作成を担当いたしました。
このページをきっかけに、SSJの活動を応援したいと思ってくれる方が一人でも増えていただければ幸いです。
インターンを通じての学び
3ヶ月という短い期間ではありましたが、インターンを通して様々な仕事を経験することができました。
特に、理事長である山田さんの仰っていた「中立であることは、必ずしも正義ではない」という言葉が印象に残っています。
私自身、声を大にして何かを批判するということに抵抗感がありました。
誰の敵にも、味方にもならない、そんなどっちつかずの中立の状態が一番安全だからです。
しかし、「正義ではない」という山田さんの言葉にハッとさせられました。
今後、このような様々な捉え方のある問題に関わっていく人間として、きちんと自分のポジションを決めるというのは必要不可欠であると感じました。
私は来年の春大学を卒業し、その後は大学院へ進学し、難民・移民問題と宗教に焦点を当てて研究したいと考えています。
大学院卒業後にどのような形で社会に出ることになるのかは、まだはっきりとはわかりませんが、どのような形であれ、シリアの問題に関わっていきたいです。
お忙しい中、私たちインターンを快く受け入れてくださったSSJの皆様、ありがとうございました。
いつかシリア危機の解決に尽力する一人のプロフェッショナルとして、またSSJの皆さんと働くことができれば幸いです。
シリア危機から10年を迎えた今年、SSJは大きな変革を行います。
これまでの活動から、シリア危機の根本的な解決を目指し一歩大きく踏み出すSSJへのご支援をどうぞよろしくお願いいたします。
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NPO法人Stand with Syria Japan
Mission:「シリアの人々を独裁体制・権力主義から解放し、民衆と共に自由で民主的な社会を構築すること」
HP:https://standwithsyriajp.com/
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