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「ねらわれた学園」ねらわれたものは。。。

<明日のための映画メモ〜「ねらわれた学園」は何をねらわれていたのか>少しネタバレ。
「ねらわれた学園」大林宣彦監督Amazon primeで。
自由と勢い。下手だけど未来を感じさせる若い役者たちの芝居。破天荒で時に頓珍漢な演出。大林宣彦も若かった。画面にあふれる青春の匂い。

オープニングのセピア色からカラーになるところで
ユーミンの「まもってあげたい」
いきなり俺を襲う青春の匂い。青春の記憶
何にねらわれてるのかわからないが、まもってほしい気持ちに襲われる。。

前半の学園に忍び寄る不吉な予兆。
受験戦争や詰め込み教育の中それでもあふれる高校生のどこか長閑で自由な毎日。
転校してきた女子生徒がその空気を一変させていく。
みるみる統制と管理と抑圧が学校を支配していく。
この女子生徒は何者なのか。目的はなんなのか。

主演の薬師丸ひろ子に宿る超能力。
元々平和主義だった彼女が
剣道部の彼氏と学園の支配に立ち向かう。
ワクワクする前半。
僕らの高校が!学園生活が!青春が!
ピンチ!
画面をいっぱいにする青春の匂い。

後半は学園をねらうものたちとの幻魔大戦。
荒い。。脚本も画面も芝居も。。キメが荒い。。笑
しかしアラすぎて荒唐無稽ないサイケ感。
素っ頓狂なボスキャラとの闘いののち、
宙ぶらりんのまま結末が訪れる。。
青春の中途半端!青春の尻切れトンボ!

ねらわれていたのは学園ではない。
見る方の期待感だったのだ。。。。
ユーミンの歌が流れどことなくいいムードで流されて終わる。すごいなユーミン。
俺の映画への気持ちが「まもってあげたい」に
まもってもらえた。。。

薬師丸ひろ子の剣道部の彼氏が、剣道経験者の俺からすると全然剣道部っぽくない。
髪もサラサラだし、薬師丸ひろ子っていう素敵な彼女いるし、なによりも剣道の手を洗っても洗っても取れない汗臭さが全くない。
そんな奴は剣道をしっかりやってない!
剣道は髪は汗でベッタベタ、防具に染み付いた汗臭さは社会人になって家庭を持っても取れない。
なにより素敵な彼女なんかいない!
小林まことの柔道部物語にも書いてあるだろう!
一回汗まみれの青春を送る本物の剣道部のみんなに反吐が出るほどしごいてもらえ。

最後まで見て。。(ここから少しネタバレ)
でもあの学園に対する統制は今の教育行政や森友学園の教育勅語やら汚職問題から始まったキナ臭さとこれからの日本の未来はどうなるんだという不穏さ
を思わせる無視できない風刺となっていたし、

ラストの薬師丸と「エセ剣道野郎」のシーンで
二人は元々の闘いを終えた普通の学園生活に戻っていくのだが、以前エセ剣道ウソ彼氏(ごめん剣道時代の怨念が。。)を助けた超能力はもう、ひろこちゃんには無くなっていた。ウソ剣道クソ野郎は大事な試合に負ける。。。このラストは好きだった。

本当の地に足のついた毎日には超能力とか奇跡はない。そしてそれこそが普通のかけがえのない毎日だと。
そんなさりげないメッセージを勝手に受け取り、
そこも健全な青春の匂いと大林宣彦監督の牧歌的な
小学校の音楽の授業のようなニューマニズを感じて、
気分はよかったです。

まもってあげたい、は薬師丸ひろ子さんに我々が言われたかったのだ。
大林宣彦監督お疲れ様でした。

学園祭みたいな映画でした。


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