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ある日記「ゲストに温野菜つみれが宝物を見せてもらうライブ」2024年10月21日

 『ゲストに温野菜つみれが宝物を見せてもらうライブ』に出演した。ライブの趣旨はタイトルの通り、源川というコンビの温野菜つみれにゲストが自分の宝物を見せるというものだ。今回で第五回となる少し続いているライブである。
 実はリップグリップがこのライブに出演するのは二回目、しかも連続でだ。なぜ二回も出ているのかというと、第四回で宝物を見せられなかったからである。
 「それじゃあ何をしていたの」と聞かれたら、「何もしなかった」と答える他はない。「こっちは貴重な休みを使って観に来てるんだ!金返せ!」と言われたら、すぐさまお金を返すべきである。主催者の温野菜つみれにはそれだけの責任があるだろう。一時間半も人々を拘束して不毛な時間を生んだ罪は重い。
 しかし、「本当に何もしなかったのか」と問われれば、答えは否だ。宝物を見せにきた演者たち、リップグリップ、ちびシャトル、天馬チャプー、小仲くんの五人は必死に宝物を見せようとしたのだ。それなのに温野菜つみれが宝物披露を阻止してきたのである。
 このライブには残酷なシステムがある。演者たちが宝物を見せて、その思い出を話すというだけでは終わらないのだ。見せられた宝物を温野菜つみれが「宝物」か「ゴミ」か判定するのである。大切な品が顔だけ赤ちゃんみたいな汗かき大男に「ゴミ」と決めつけられてしまうかもしれないのだ。迂闊に宝物を見せる訳にはいかない。
 僕たち五人は安心して宝物を見せたいだけなのに、その確証を与えられず、温野菜つみれは「宝物を見せてください」と繰り返すばかり。平和的な解決を何度も試みたが、話は平行線をたどり、結果として一時間半という長い長い時間が流れ、終演してしまったのだ。温野菜つみれが言うには、それまでの三回では皆すぐさま宝物を見せていたというが、実に怪しい。きっとあの握るとクリームパンのようになる拳で脅していたに違いない。
 そして今日、また僕ら五人は集められた。M-1やR-1といった賞レースで忙しいこの時期にネタなしで一時間のライブである。しかも、夜の九時半開演という非常識な時間帯での開催だ。おかげでちびシャトルさんは夜勤を休まされ、天馬さんはお風呂に入ってしまった。僕にいたっては家でしっかり夜ご飯を食べることになり、とても満腹だった。
 結果から言えば、今回も宝物は見せられなかった。あの手この手を尽くしたのにも関わらずだ。いつになったら宝物を見せられるのだ。ライブを見に来たお客さんもいい加減うんざりだろう。
 また来月以降同じメンバーにあと一人足して開催するという。今まで起きたことはそのライブで振り返るだろうからここでは割愛させていただく。はっきり言って見に来ないのは損だ。かなり面白いことになるだろう。あーあ、早く宝物見せたいなぁ。

温野菜つみれが宝物を見たそうにこっちを見ている

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