新書といっしょ

新書大好き芸人の倉田シウマイです。新書といっしょに暮らしています。新書とのうれしい出会いを増やしたい。新書を1文字も読んだことのない人にも新書を届けたい。新書を読んで世界を面白がって生きていきたい。新書とは旅行だから。

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  • 「ある日記」があるところ

    倉田紘顕が経験したことや考えたことを記す「ある日記」を集めました。

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    倉田シウマイが一度でいいから味わってみたい日々を記した「ない日記」を集めました。

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『ハリー・ポッター』を読んでたら京都大学を卒業した

 『ハリー・ポッター』との出会いは2001年の12月、祖父母の住む三重県の映画館でのことだった。当時、第1作の『ハリー・ポッターと賢者の石』が公開されたばかりで、話題作だからと家族でなんとなく選んで観たんじゃないかと思う。初めて観たときの感想はそんなに覚えていない。鑑賞後にパンフレットとハーマイオニーの杖の形のボールペンを買ってもらった。グッズなるものに興味がない僕にしては珍しい行動なので、きっと映画がすごく面白かったのだろう。  後日、本屋に行ったときに母が「これあの映画の

    • ある日記「ブーメラントーク」2024年11月21日

       帰り道、電車の中ほどに座席を確保して本を読んでいた。最寄り駅まであと二駅のところで、前に立つおじさんが「押すなよ」と大きな声で言った。車内に響き渡る声量で不快感が前面に表れた言い方だった。  隣に立っていたおねえさんが「押してません」と大きな声で言った。断固とした意志が感じられる言い方だった。こちらもまた車内に響き渡った。  おじさんが「押しただろ」と言い返した。早くも怒りは最高潮に達しているようだった。おねえさんが「押したのはそっちでしょ」と言った。それはもう正真正銘の押

      • ある日記「ロボット・ドリームズ」2024年11月19日

         手袋を失くしたことがある。クリスマスにもらった大切な手袋を。  それは年末の夜のことだった。忘年会で気持ちよく酔っ払った僕は、終電を逃し、降りたことのない駅に放り出された。Googleマップで調べると、家まで二時間歩けば帰れるという。記憶が飛び飛びになりながら、少ない理性を頼りに頼ってずんずんと歩いた。坂道に差し掛かれば酔いの勢いで小走りで登りきった。機嫌の最高潮に達した僕は、これまで貯め置いてきたプレイリストを爆音でかけるべくポケットからイヤホンを取り出そうとした。ぽろっ

        • ある日記「薬剤師の苦難」2024年11月17日

           風邪をひいているときいつも「なんだかな」と思うことがある。それは薬局の待ち時間の長さだ。薬局に行って、お医者さんからもらった処方箋を提出してから、必ず長く待たされる。混んでる薬局ならまだしも、他のお客さんが見当たらないときでさえ、数十分待たされる。酷いときには一度家に帰ってから再び薬局に行った方が楽なこともある。  やることといえば処方箋に書いてある薬を探して持ってくるだけではないのか。ハリーがオリバンダーの店に杖を買いに行ったときのように、間違った薬を選ぶと周りの箱がゴト

        • 固定された記事

        『ハリー・ポッター』を読んでたら京都大学を卒業した

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        • 「ない日記」があるところ
          7本

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          ある日記「ブーメラントーク」2024年11月21日

           帰り道、電車の中ほどに座席を確保して本を読んでいた。最寄り駅まであと二駅のところで、前に立つおじさんが「押すなよ」と大きな声で言った。車内に響き渡る声量で不快感が前面に表れた言い方だった。  隣に立っていたおねえさんが「押してません」と大きな声で言った。断固とした意志が感じられる言い方だった。こちらもまた車内に響き渡った。  おじさんが「押しただろ」と言い返した。早くも怒りは最高潮に達しているようだった。おねえさんが「押したのはそっちでしょ」と言った。それはもう正真正銘の押

          ある日記「ブーメラントーク」2024年11月21日

          ある日記「薬剤師の苦難」2024年11月17日

           風邪をひいているときいつも「なんだかな」と思うことがある。それは薬局の待ち時間の長さだ。薬局に行って、お医者さんからもらった処方箋を提出してから、必ず長く待たされる。混んでる薬局ならまだしも、他のお客さんが見当たらないときでさえ、数十分待たされる。酷いときには一度家に帰ってから再び薬局に行った方が楽なこともある。  やることといえば処方箋に書いてある薬を探して持ってくるだけではないのか。ハリーがオリバンダーの店に杖を買いに行ったときのように、間違った薬を選ぶと周りの箱がゴト

          ある日記「薬剤師の苦難」2024年11月17日

          ある日記「支那そば屋」2024年11月15日

           商店街に好きな支那そば屋がある。席はカウンターに七席と二人席の机が二つある。玄関のガラス扉から店の中をのぞくといつも満席で、それなのに待ち列ができてることはない。僕は空いてる席をうまく見つけられたら入ることにしている。おそらく他のお客さんも同じだ。  店はおじいちゃんが一人で切り盛りしていて、お昼どきにはご家族と思われるおばちゃんが手伝っている。ご家族だと推測する理由は、おばちゃんが愛想を削ぎ落としたスタイルで接客しているからだ。感情を完全に押し殺し、純粋お手伝い生命体とし

          ある日記「支那そば屋」2024年11月15日

          ある日記「常葉大学心薙祭」2024年11月8日

           文化祭が好きだ。学校という学びの場、静粛な時間をメインテーマに設計された空間が、生徒の熱気で膨れ上がるのが好きだ。いつもより大手を振って歩く人が増え、どこからかソースと砂糖菓子の匂いが漂ってくると、自分がこの世の主役だと思えてくる。  人生で初めての学祭営業に行ってきた。お呼ばれしたのは常葉大学心薙祭だ。かが屋さんにお供して静岡まで旅させてもらった。十時半に東京駅を発って、十五時半には戻ってくる弾丸ツアーだった。静岡を観光する時間はなかったけれど、新幹線に乗るだけでもうそれ

          ある日記「常葉大学心薙祭」2024年11月8日

          ある日記「孫みたい」2024年11月7日

           外回りの仕事をしていた。お腹がべこべこに空いてしまったのでコンビニでこしあんぱんを買った。店前に喫煙所があるコンビニだったので、煙から逃れて少し離れたバス停のガラガラのベンチに座らせてもらうことにした。正対した時刻表を挟むガラスボードにうっすら僕が映っていた。青い制服を着ていた。  あんぱんを楽しんでいると、おばあちゃんがドスンとベンチの反対の端に座った。そして僕に向かって「孫みたい!かわいい!」と叫んだ。僕は驚いたが褒められていたので軽く会釈した。おばあちゃんは入れ歯を外

          ある日記「孫みたい」2024年11月7日

          ある日記「芸人がスーパー銭湯でネタ作り」2024年11月6日

           真似したい逸話がいくつもある。文豪が旅館で執筆したなんてのは特にやってみたい。取材に講演に引く手数多の小説家が、世間の騒がしさから逃れ、風光明媚な土地で執筆に集中する。仕事のために自分をリフレッシュできる。なんて素晴らしいご身分だろう。  僕だって最近は文章を書くことが多くなった。誰かに頼まれた仕事をしている訳ではないが、「執筆活動」と銘打ってもいい気がしている。ネタだって書いている。「よし、それなら」とスーパー銭湯に行ってきた。旅館はまだ早いまだ早い。  スーパー銭湯に着

          ある日記「芸人がスーパー銭湯でネタ作り」2024年11月6日

        記事

          ある日記「支那そば屋」2024年11月15日

           商店街に好きな支那そば屋がある。席はカウンターに七席と二人席の机が二つある。玄関のガラス扉から店の中をのぞくといつも満席で、それなのに待ち列ができてることはない。僕は空いてる席をうまく見つけられたら入ることにしている。おそらく他のお客さんも同じだ。  店はおじいちゃんが一人で切り盛りしていて、お昼どきにはご家族と思われるおばちゃんが手伝っている。ご家族だと推測する理由は、おばちゃんが愛想を削ぎ落としたスタイルで接客しているからだ。感情を完全に押し殺し、純粋お手伝い生命体とし

          ある日記「支那そば屋」2024年11月15日

          非専門読書論

           僕は新書を娯楽として読んでいる。来る日も来る日も細長い本から知識を得て気持ちよくなっている。去年は百冊読んだ。読めたことが嬉しかったので、ここにはっきり記しておく。今年も百冊と言いたいところだが、七十冊くらいに落ち着く予定だ。  本屋で新書を選ぶときは明確な基準がある。タイトルテーマに関する知識が無く、内容が想像できないものを手に取るのだ。予備知識は無ければ無い方がいい。ただし、これから数年で知識が古びてしまいそうな本はなるべく選ばない。とはいえ完全に流行りが来ているトピッ

          非専門読書論

          ある日記「常葉大学心薙祭」2024年11月8日

           文化祭が好きだ。学校という学びの場、静粛な時間をメインテーマに設計された空間が、生徒の熱気で膨れ上がるのが好きだ。いつもより大手を振って歩く人が増え、どこからかソースと砂糖菓子の匂いが漂ってくると、自分がこの世の主役だと思えてくる。  人生で初めての学祭営業に行ってきた。お呼ばれしたのは常葉大学心薙祭だ。かが屋さんにお供して静岡まで旅させてもらった。十時半に東京駅を発って、十五時半には戻ってくる弾丸ツアーだった。静岡を観光する時間はなかったけれど、新幹線に乗るだけでもうそれ

          ある日記「常葉大学心薙祭」2024年11月8日

          ある日記「孫みたい」2024年11月7日

           外回りの仕事をしていた。お腹がべこべこに空いてしまったのでコンビニでこしあんぱんを買った。店前に喫煙所があるコンビニだったので、煙から逃れて少し離れたバス停のガラガラのベンチに座らせてもらうことにした。正対した時刻表を挟むガラスボードにうっすら僕が映っていた。青い制服を着ていた。  あんぱんを楽しんでいると、おばあちゃんがドスンとベンチの反対の端に座った。そして僕に向かって「孫みたい!かわいい!」と叫んだ。僕は驚いたが褒められていたので軽く会釈した。おばあちゃんは入れ歯を外

          ある日記「孫みたい」2024年11月7日

          ある日記「芸人がスーパー銭湯でネタ作り」2024年11月6日

           真似したい逸話がいくつもある。文豪が旅館で執筆したなんてのは特にやってみたい。取材に講演に引く手数多の小説家が、世間の騒がしさから逃れ、風光明媚な土地で執筆に集中する。仕事のために自分をリフレッシュできる。なんて素晴らしいご身分だろう。  僕だって最近は文章を書くことが多くなった。誰かに頼まれた仕事をしている訳ではないが、「執筆活動」と銘打ってもいい気がしている。ネタだって書いている。「よし、それなら」とスーパー銭湯に行ってきた。旅館はまだ早いまだ早い。  スーパー銭湯に着

          ある日記「芸人がスーパー銭湯でネタ作り」2024年11月6日

          ある日記「THE GAGMAN 3」2024年11月4日

           今月もシウマイの新ギャグをおろすライブ『ギャグマン』を開催できた。前回よりシンプルになり、見守るのは相方の岩永のみになった。アキトさんからのアドバイスを実現すべく、ギャグへの道筋を見つけることに大きく時間を割いた。僕は一人で考えるよりライブの中で考えたいので、遅々として進まない試行錯誤をお見せする形になってしまうが、長く見続けていただければ、リップグリップが花開いたときに、「あのライブで試してたやつ!」と振り返ってもらえるのではないかという希望的観測を抱いている。  ギャ

          ある日記「THE GAGMAN 3」2024年11月4日

          ある日記「子供のために街」2024年10月29日

           僕の住む街には子供が多い。家から駅までの道で三つも保育園が確認できる。休日になれば電車の各車両にベビーカーが乗っている。近所のアーケード商店街は子供が歩いているのが当たり前になっていて、わりかし細い道なのに子供の横を自転車が走る。そこには混乱という平和が漂っている。まるで子供のために街になったようだ。  平日の朝は商店街が保育園児のお散歩ロードになる。小さい園児は大きなカートに乗せられて登場する。僕はそれを見ると動物園のふれあいコーナーを思い出してしまう。柵で囲われているの

          ある日記「子供のために街」2024年10月29日

          ある日記「選挙」2024年10月27日

           選挙に行った。投票所は近くの小学校だった。小学校に近づくと、おそらく投票を終えたであろう人たちとすれ違うようになった。人びとはやりきった顔をしてゆったりと歩いていた。この後に予定があるとしても、投票より社会的に価値のある行動ではないから、余裕を醸していたのだろう。何人かで連れ合って投票しに行く人が多かった。誰に投票したか話すのも嫌だからか、話が弾んでる様子はあんまりなかった。  僕の数十メートル後ろを歩く夫婦が喧嘩していた。あまりにも声を張り上げるので少し内容を聞いてしまっ

          ある日記「選挙」2024年10月27日

          ある日記「正解のあるパワポカラオケ」2024年10月24日

           『正解のあるパワポカラオケ』に出演した。マセキ芸能社の事務所ライブでパワポカラオケができて、案の定とても楽しかった。マセキの芸人に出鱈目言わせたらそりゃ絶品だった。  企画およびスライド作成など準備に膨大な時間を費やしたので本番前にかなり緊張した。企画がメインのお笑いライブでこんなに緊張するのは久しぶりだった。楽屋にあったお菓子をバリバリ食べた。堅揚げポテトはストレスに効く。  「パワポカラオケ」が何か知らない人のために説明すると架空のプレゼンをするゲームだ。テーマが与えら

          ある日記「正解のあるパワポカラオケ」2024年10月24日

          ある日記「ゲストに温野菜つみれが宝物を見せてもらうライブ」2024年10月21日

           『ゲストに温野菜つみれが宝物を見せてもらうライブ』に出演した。ライブの趣旨はタイトルの通り、源川というコンビの温野菜つみれにゲストが自分の宝物を見せるというものだ。今回で第五回となる少し続いているライブである。  実はリップグリップがこのライブに出演するのは二回目、しかも連続でだ。なぜ二回も出ているのかというと、第四回で宝物を見せられなかったからである。  「それじゃあ何をしていたの」と聞かれたら、「何もしなかった」と答える他はない。「こっちは貴重な休みを使って観に来てるん

          ある日記「ゲストに温野菜つみれが宝物を見せてもらうライブ」2024年10月21日

          ある日記「ケミカルX」2024年10月20日

           毎月中旬の日曜日にしもきたドーンで開催される『ケミカルX』に出演した。このライブに出るようになってかなり経った。初めはヒール役でゲスト出演して学歴バトルのようなことをしたはずだ。その後にフランスギャルの代わりとかでレギュラーになったと思う。  『ケミカルX』は少し珍しいライブで、OPとEDがなく、二つのネタブロックを三つのコーナーで挟む構成をしている。三つ目のコーナーは演者の持ち回りで企画していて、今月は僕が担当だった。  僕は『ケミカルX』で企画担当になったとき夢を叶える

          ある日記「ケミカルX」2024年10月20日

          ある日記「東京」2024年10月19日

           東京の街に出て来ました。あい変わらずわけの解らないこと事言ってます。恥ずかしい事のないように見えますか。駅でたまに昔の君が懐かしくなります。雨に降られて彼等は風邪をひきました。あい変わらず僕はなんとか大丈夫です。よく休んだらきっと良くなるでしょう。今夜ちょっと君に電話しようと思った。君がいない事、君と上手く話せない事、君が素敵だった事、忘れてしまった事、ララ…  以上はくるり「東京」の歌詞を半分にしたものだ。長々と言葉を連ねてしまって、倉田の文章だと思われた方には申し訳ない

          ある日記「東京」2024年10月19日