蜷川実花個展「東京 TOKYO / MIKA NINAGAWA」
渋谷PARCO4階、PARCO MUSEUM TOKYOにて2020年6月29日(月)まで蜷川実花の個展が開催中だ。最新写真集『東京 TOKYO』の刊行に併せてとのこと。
蜷川さんが「東京」と向き合い、なんとインスタントカメラを主にしてシャッターを切った、2年間、500点以上の作品を展示してるという。
最近のステイホームで、Followersにはまっていたので、その様子も展示にあるかなと期待して、早速行ってみた。
エントランスを入って正面。視界一面を覆うように最新写真集の表題&表紙である「東京/TOKYO」と書かれたインパクトのある写真が待ち構えていた。右手の写真3枚は、蜷川さんにとって思い入れが深いものなのだろう。桜は中目黒のものかな。華奢な身体で使いこなす重厚な趣きを漂わせた漆黒のカメラも収められていた。
中に入れば、観る人を圧倒する写真の数々。
日常の様子や仕事場、恐らくご家族に数多の著名人・芸能人(時代を象徴する凄まじい顔触れ、しかも見たことないオフショットのオンパレード)、東京のランドマークと言われるものもあれば、東京を構成するに満たないような些細なモノ(と思えてしまうもの)まで、ありとあらゆる瞬間があまりにリアルに切り取られていた。期待していた、Followersのオフショットも沢山あった。
何よりもときめいたのは、蜷川さんの視点と、対象物との特別な関係性をお借りして、東京を味わい尽くすような贅沢な感覚だ。蜷川さんにとってのON/OFFはきっと他の人のそれ以上に振れ幅が大きいのだろう。あらゆる風景の移り変わりがそれを示している。その激動の中で、しっかりと自分の足で立ち、腰を据え、カメラを構えて2年間を駆け抜けてきたことが芸術の目がない素人にすら、じわじわと伝わってくる。
ハイコントラストで滲むような、カラフルでポップと言われるような、そんな冠詞じゃ事足りない。
観る人にとっての東京、蜷川さんにとっての東京、それらが交差する胸を突くような特別な空間だった。
展示期間が短いとすら思えてくる写真の数々だ。百聞は一見に如かず、終わってしまう前に味わってみては。
■会場:PARCO MUSEUM TOKYO(東京都渋谷区宇田川町15-1 渋谷パルコ4F)
■入場料:一般500円・学生400円・小学生以下無料
■URL:art.parco.jp
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