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抗うつ薬の継続率

抗うつ薬を続ける期間

うつ病の人は抗うつ薬はどのくらい続ける必要があるか?
一般的に抗うつ薬を開始し良くなるまでに数か月、時に半年から1年かかる。
良くなってから 3-6ヶ月(可能ならできるだけ長く)続けた後、ゆっくりと減らして行くのが望ましいと言われている。

つまり最短で4ヶ月、最長で一生続けることになる。

実際の継続率

実際はどのくらい続けているのか調べたデータがある。

抗うつ薬が開始された後、1ヶ月継続 47.1%、6ヶ月継続 30.5%

岩田仲生ら 2011

続けていない人が非常に多い。

この研究はレセプトを使用しているため、保険医療を使って医療を受けている限り「通院して抗うつ薬を処方されている人」は、ほぼ確実に経過を追うことができる。

最大の問題点は「抗うつ薬を使う人がすべてうつ病」ではないということである。

抗うつ薬を使う人の一部に、うつ病の人がいる(私の場合は 大体3割程度)。
うつ病の人は、ある程度しっかりと薬を続けていった方が良い。
しかし、うつ病でない人は抗うつ薬を短期間使用して、ある程度良くなったら抗うつ薬を終了して、薬以外の方法で「治療」を続けた方が良いことが多い。

最近は、不安障害も抗不安薬ではなくSSRIなどの抗うつ薬で治療を行い、抗うつ薬は比較的長期間服用するのが、再発予防の点から良いという意見が増えているものの、不安障害の人は薬を飲むことの不安も強く服用を続けることができる人は少ない。

この研究の結果は、本当にうつ病の人がどんどんと抗うつ薬による治療をやめてしまっているのか、うつ病以外の人が予定通りどんどんと抗うつ薬による治療をやめてしまっているのか分からない。

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