袂(たもと)
たもとのゆかたは
うれしいな
よそ行き見たいな気がするよ。
夕顔の
花の明るい背戸(せど)へ出て
そっと踊りの真似をする。
とん、と、叩いて、手を入れて
誰たれか来たか、と、ちょいと見る。
藍の匂の新しい
ゆかたの袂は
うれしいな。
金子みすゞ/袂(たもと)
小さいころ、浴衣を着たとき、こんな風に踊りの真似をした記憶があります。
誰も見ていないはずなのに、誰かの目が気になっちゃうんですよね。
「見て見て!」という思いと、「照れる」という思いが、入り混じっている感じ。懐かしいです。
嬉しくて、恥ずかしくて、こそばゆくて、甘えたくて、こんな時に大人に「可愛いね」って褒めて欲しかったりしたのを思い出します。^^