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Googleストリ ートビューで擬似旅行をしながら飲む (パリッコ) 〜『のみタイム 1杯目 家飲みを楽しむ100のアイデア』より公開! ⑧〜

こんな状況でも、楽しいお酒の飲み方はあるはず

若手飲酒シーンを牽引する人気ライターのパリッコ(『酒場っ子』)とスズキナオ(『深夜高速バスに100回ぐらい乗ってわかったこと』)が編集、執筆を務める飲酒と生活の本『のみタイム』
1杯目は100頁以上にわたり「家飲みを楽しむ100のアイデア」について考えました。日常を楽しくする、使えるアイデアが満載!

2020年の前半、わたしたちはこんな「のみタイム」を過ごしていました。

087 Googleストリ ートビューで擬似旅行をしながら飲む(パリッコ)

(パリッコ/スズキナオ『のみタイム 1杯目 家飲みを楽しむ100のアイデア』より)

 新しい酒の本『のみタイム』を作ろうという話は、実は結構前から出ていて、スタンド・ブックス代表の森山裕之さん、スズキナオさんと、「第1号はどんな特集にしようか?」なんて話を、よく飲みながらしていた。もちろんコロナの「コ」の字もない時代で、必ず出たのが、全員が大好きな「キンミヤ焼酎」の製造元「宮﨑本店」に工場見学に行こうという案。いつになるのかはわからなくなってしまったが、ひとまずGoogleストリートビューを使い、予行演習しながら飲むなんてどうだろう? ナオさんとオンラインでPC画面を共有しつつ、擬似旅行に出てみることにした。

 宮﨑本店は三重県四日市市にある。まずはそこへピンポイントで、ストビュー坊や(正式名称は知りません)をドロップ。すると、雰囲気のある工場施設が目の前に見える。まるで小学校のような作りの建物が本社だろうか。校舎なら時計のある位置に、見慣れた「宮」のロゴマークが燦然と輝き、ふたりで「かっこいいー!」と大はしゃぎ。

 次に、この近くには「宝焼酎」の工場もあるそうで、普段からお世話になりまくっているそちらへも行ってみることに。すると失礼ながら、宮﨑本店が小学校っぽかったのに対し、宝酒造はまるで大学。僕たちがそれぞれの焼酎に対して抱いているイメージが反映されているようで、「どっちもいいですねぇ」と、深く味わった。

 その後、最寄駅である、近畿日本鉄道名古屋線「楠(くす)」駅や「北楠」駅周辺をぶらついてみる。のどかな街だがポツポツと味のある酒場が点在していて、「実際に行く時はここに寄りましょう!」と盛り上がる。訪れたことのない街に突然愛着が湧いてくるストリートビュー飲み、かなり楽しいな!

 さらに、もっとも近い大都市である「四日市」駅周辺へ。駅前に「四日市一番街商店街」という巨大なアーケード街があり、ナオさんとよく飲んだ大阪の天満や、これまでに訪れた甲府、前橋、松本などの街とも似ているような気がして次々に思い出す。こんなにも散歩してみたい未訪の地が、日本全国にまだまだあるなんて本当にすごいことだと、酒のせいもあってなんだか感動してしまった。

 最後にナオさんと、「この状況を抜けたら四日市に飲みに行くのを、今後の人生の目標のひとつにしましょう!」と誓い合い、寝た。(パ)

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パリッコ/スズキナオ(編著)
『のみタイム 1杯目 家飲みを楽しむ100のアイデア』
2020年8月5日発売 発行:スタンド・ブックス 本体1,500円(+税)ISBN:978-4-909048-09-7 C0095 A5変型判 並装 132p
カバーイラスト:石山さやか ロゴ:スケラッコ デザイン:戸塚泰雄

パリッコ(編著)
1978年東京生まれ。酒場ライター、漫画家/イラストレーター、DJ/トラックメイカー、他。酒好きが高じ、2000年代後半よりお酒と酒場に関する記事の執筆を始める。著書に『酒場っ子』(スタンド・ブックス)『つつまし酒 懐と心にやさしい46の飲み方』(光文社新書)『ほろ酔い!物産館ツアーズ』(ヤングキングコミックス)『晩酌百景 11人の個性派たちが語った酒とつまみと人生』(シンコーミュージック・エンタテイメント)、スズキナオ氏との共著に『酒の穴』(シカク出版)『椅子さえあればどこでも酒場 チェアリング入門』(ele-king books)『“よむ”お酒』(イースト・プレス)など。

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