人間勝手
蝉の寿命はひと夏といって憐れむのは
彼らが四季に生きることなく死んでしまうからか
それとも人間が夏の終わりの寂しさを蝉の最後に重ねているからか
愛を求めて
美しいものを求めて
快適を求めて
私たちは進化してきた
笑顔にするものを作っては涙を流すことを忘れ
いらなくなったものを捨てては欲しいものを買い
暑さに涼を、寒さに暖を作ることで
私たちは豊かになった
地を拓き水の流れを操り
大地を私たちに適応させた
不可能を可能にし不満足を満たして
未知を追求することが偉くなった
地球の危機を憂慮する声が私たちに猛省を求めるのは
人々を正しい道に導くためか
それともそれ以外に人類の軌跡に責任を求める術がないからなのか